月夜のドライブ

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秘密のミーニーズ "First Time Around" @ 渋谷7th FLOOR

楽しみにしていた秘密のミーニーズのライブ。ミーニーズ初心者の私にとっては、7月(『down in the valley』発売記念LIVE)、8月(インストアイベント)、に続く3度めのライブ。コロナ禍の東京で7月のときはまん延防止重点措置が、8月のときは緊急事態宣言が出ていて、渋谷に出向くのはだいぶ緊張感を伴った記憶があるけれど、今日はすっかり感染者も落ち着き空気は緩やか。8月にたもつさんがこのライブの告知をしたときに「その頃には少しコロナが収まっているといいんですが」と祈るように言っていたのを覚えているけれど、まさか3か月でここまでになるとは想像していなかった。もちろん検温もありマスクをしながらだけれど、ライブをリラックスして楽しめる雰囲気が懐かしく嬉しい。昼下がりのセブンスフロアは曇り空だけれど窓からの光で明るく、アルコールも入りほんのりいい気分。

 

"First Time Around"
11月21日(日)
渋谷7th FLOOR
OPEN: 11:30 / START: 12:00
秘密のミーニーズ
阿佐ヶ谷ロマンティクス

 

211121秘密のミーニーズ.jpg

 

阿佐ヶ谷ロマンティクス

まず登場の阿佐ヶ谷ロマンティクスは、女性voを中心に、g、b、kb、dr、の5人編成のバンド。帽子かぶってるドラムスの方、めっちゃ美少年…と思って見てたら女性だった!どの曲もポップでありつつ、ゆらゆらまどろむような、夢の中に迷い込むような不思議さがあって。水槽に映るプリズムに何時間も見とれていた子どもの頃の記憶をちょっと思い出すような感じ…。ていうか、全員めちゃくちゃ演奏うまくないスか!?達者な音づくりからふわっと立ちのぼる夢幻のふち、そしてちょっぴり毒気も感じる、歌とサウンド。特にギターの方の音、ちょっと壊れぎみでとても好きな感じだったなー。50分ほどの演奏、すごく素敵でした!

 

■秘密のミーニーズ

休憩を挟み、秘密のミーニーズ。出てきただけでもうカッコイイ、このバンドのたたずまい!それぞれが楽器をセッティングしながらたもつさんが音を出し始め、メンバーが少しずつ合わせていき、軽くジャムりながら熱を帯びていってイントロダクションへ、そして「フォーク、ブルース&リバイバル」!パーン!とトップギアで出てくる3声、はーーーかっこよ!かっこよ!!!!これがこんなにキマるバンド、そしてそんな曲を持ってるバンド、そうそうないんだよーーー!ナマの音に身体がカーッと熱くなるこの感じ、嬉しくて1曲目にして泣きそう。

 

真ん中に淡路さんが立ち、その隣にmayugenさんがいる、7月からのこのスタイルもどんどん安定感を増してきているのではないかしら。その証に、なんと今日初披露された新曲が3曲も(たもつさん頑張った)!どの曲も、淡路さんmayugenさんたもつさんのボーカルが魅力的に響き、このバンドのスケールの大きい演奏が活きていて、とてもよかったなー。演奏を重ねたらもっともっとよくなりそう!特に「胸の奥に」(あとで曲名判明)好きだった。

 

途中のMCでたもつさんが、実はつい最近、(次回ライブを一緒にやる夢見る港が10周年というのを聞いて、そういえば自分たちも)10周年だということに気づいたとのことで(笑)今日のライブはムリヤリ10周年企画ということにしましたと。「思えば2011年に結成ライブをやる予定だったのが震災で延期になったり、フジロックに出た瞬間にメンバーやめたり、なんか節目ごとにいろいろあるんですよね…」とボヤくたもつさん(笑)。

 

でも、(これまでの事情をあんまり知らないミーニーズ初心者の私が好き勝手に言うんですが)不測のできごとによって期せずして生まれたことかもしれないけれど、今ここに再び揃った淡路さん、mayugenさん、たもつさん、という3声ボーカルは、とんでもない宝箱なのじゃないかなと思えて。声の中にさまざまな風景が浮かぶ、歩くロードムービーのような淡路さんのボーカル。透明感があるだけでなく、意外なほど凛とした強度を持つmayugenさんのボーカル。そしてミーニーズらしさを体現するたもつさんのボーカル。7月に衝撃的に揺さぶられて以来、聴けば聴くほど、こんなに相性がよく、どの声も立ち、かつ見事に溶け合う3声、なかなかないのではと思える。そしてこのボーカルに加えて、個性的で魅力にあふれた2つのギターの響きがあり、腕の立つ頼もしいベース&ドラムの音があり、唯一無二の秘密のミーニーズのサウンドが生まれる。「ローリン・アンド・タンブリン」「おはなフェスタ」…演る曲演る曲、すさまじくよい!もう、最強なのでは!?

 

バンド10周年ということで淡路さんがMCの中でたもつさんとの出会いを振り返っていたのだけど、なんと、今は懐かしいmixi(!)で、たもつさんからメッセージをもらったのが最初だったのだそう。それで新宿の紀伊國屋のそばの古い喫茶店で会ってナンパされたと(笑)。えええ~すごいなあ、音楽の好みが合うことを事前に踏まえていたのだとしても、SNS上であの声の魅力をも予感して(か?)一本釣りしたの凄すぎる。でもそれで秘密のミーニーズというバンドがこの世に誕生したのだから、私たちファンはmixiに感謝しなくては!

 

あとたもつさんのMCもおかしかったな、フジロックの話の流れで、秘密のミーニーズが出演した2014年のルーキー・ア・ゴー・ゴーって今振り返るとすごくてクリーピーナッツとかサチモスとかいたんですよね、と。それでたもつさんは会社の飲み会とかで「サチモスと同期なんですよ」と言ったりするんだけど、(つながりを殊更言い立てるのは)ロック親父みたいですね、反省…とか(笑)。

 

曲を始めようとして、ドラムの高橋U太さんに手振りで“つけてないよ”と指摘されて、「あっ…」とハーモニカホルダーが要るんだったことにたもつさんが気づいたのがおもしろかった「名まえの無い鳥」、そしてラストはゴキゲンな淡路さん曲「麗しの四姉妹」。たーのーしーいー!

 

演奏を終えてすぐに、大きなアンコールの拍手。それでメンバーがすぐに楽器をしょってアンコールに応えてくれる。「ライブではあまりやらない…最近の曲調とはまたちょっと違うファンクな曲です」との淡路さんの紹介で「ヌマベの踊り」。いやこれカッコよかったなーーー!なんちゅーグルーヴ!ていねいに紡ぐ曲からラフにガンガンカッ飛ばす曲までのこのふくよかな幅!もうほんとミーニーズ最強に過ぎる。ラストはmayugenさんのボーカルをフィーチュアしてのカバー曲。というか家に帰って確かめてみるまで、ザ・バンドのあの有名な曲ってわからなかった。それぐらい全然別物になってた!mayugenさんの歌、(中途半端に歌の巧い人にありがちな)変なテクニックに頼るところがまったくなくて凄い。mayugenさんがミーニーズのサポートをすることになった経緯とか、mayugenさんのバックグラウンドとかも、今度MCで聞いてみたいなー。

 

観れば観るほど秘密のミーニーズ好きだー。ほんっっっとにいいバンドだなあ…。遅く来たファンだけど、遅くても出会えてよかった。と心から思う。この6人の音がさらに楽しみ!!!!

 

公式Twitterでセットリストを公開してくれていたので、転載させていただきます!

01.フォーク、ブルース & リバイバル
02.マスト灯
03.銀河鉄道(新曲)
04.たんぽぽの女の子
05.さようならジンジャー(新曲)
06.胸の奥に(新曲)
07.ローリン・アンド・タンブリン
08.おはなフェスタ
09.名まえの無い鳥
10.麗しの四姉妹

encore
11.ヌマベの踊り
12.The Night They Drove Old Dixie Down(cover)

 

秘密のミーニーズ FIRST TIME AROUND.jpg

秘密のミーニーズ、次のライブは夢見る港とのツーマン。ライブ後に、素敵なフライヤーを配ってくれていた。こんな楽しそうなツーマン行くしかない!のだけど、先約がありどうしても行けないのが残念…。次の機会を楽しみにしてます。

夢見る港×ミーニーズ.jpg