月夜のドライブ

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プリンキピア @ 吉祥寺MANDA-LA2

画像今回もすごくおもしろかったー。駒沢裕城さん率いる、トリプル・ペダルスティール・アンサンブル「プリンキピア」。ペダルスティール3台(!)の演奏を、ナマで、この近さで観る・聴くって、世界中のどこでできるだろう?ね、そう思うとものすごい体験でしょ。ほんと、おもしろかったー、前回以上に、ものすごくよかった。

 

トリプル・ペダルスティール・アンサンブル
PRINCIPIA「プリンキピア」
5/28(金)吉祥寺マンダラ2
駒沢裕城(pedal steel.g)、田村玄一(pedal steel.g)、尾崎博志(pedal steel.g)、東谷健司(b)、夏秋文尚(ds)
18:30/19:30 \3000/3500+drink

 

前回2月にこの同じマンダラ2で観たときは玄さんが譜面台に隠れて見えにくい位置だったので、今回は玄さんがばっちり見えるとこに座ってみた。セッティングされた3台のペダルスティールを開演前からまじまじと眺める。3台みんな機種が違うんだね…とか。高さもそれぞれだったり、エフェクターの置きかたつなぎかたもいろいろみたいだなーとか。めずらしい楽器を3台もこんな近くで眺められるの、それだけで楽しい~。

 

演奏は、前回よりも “プリンキピア”ならではの味がぐんと増してるような気がした。すごくエキサイティングだった。こんな変わった編成でもバンドはバンド、やっぱりライブを重ねれば重ねるほど独自のグルーヴがどんどん出てくるんだなあ。それがよくわかったのが第2部の最初に演ってくれた「蒼穹に舞う」と、後半で演奏されたコントラバスの東谷さんの曲「銀色の翼」。両方ともこの日はじめて披露する新曲ということだったのだけど、3つのペダルスティールの音が強いリズムの上で複雑に交錯するという、プリンキピアだけの魅力がすごく鮮やかに出ていた。こんな音楽、ちょっとほかに思い浮かばないけど、私の乏しい表現力であえてたとえるなら、スプートニクスがペダルスティールでプログレやっているみたいな感じかなあ…(どんなだ)。他の曲もね~、すんごく気味悪かったりして最高にいいんだよねえ。そして、つくづくタメイキが出るのは駒沢さんの曲の宇宙的に緻密なうつくしさ。このすばらしいメロディや和音を生かすのに、ペダルスティールって最適な楽器なんだなとも思った。

 

途中のMCで玄さんのペダルスティール講座があって、これ、すっごく役立った!このあいだは気づかなかったんだけど、この日まじまじと3台の楽器を見てたら、足元だけじゃなく膝のところにもレバーみたいなものがたくさんある、しかも玄さんなんか膝を器用に使ってそれを多用しているようだ、あれはいったい何?と思ってたんだけど、音を下げる(だったかな?)ための、ペダルと同じ役割のものだとか。すごいな、足と膝を別々に使ってるんだー。それと、この日演奏を聴きながら“ペダルスティールの音って点じゃなくて面なんだな”って気づいて私にはそれが大きな発見だったのだけど、それについても、まさに駒沢さんから「ペダルスティールというのはかなりユニークな楽器で、音が1個ごとのアタックじゃなく“歌”なんですね」という話があって、なるほどと思う。そんな特殊な楽器を、しかも3台で演奏するという特殊なアンサンブル、おもしろくないワケがない。夏秋さんのリズムも東谷さんのコントラバス(今回はエレキベースも!)も、あいかわらず独特のどろりとした凄みがあって、最高。

 

ほんとにおもしろくてエキサイティングでほかでは体験できない音楽。3台のペダルスティールが目の前で激しく(ほんとに激しい)演奏されるのを観るとくせになっちゃう。オリジナル、というのはこういうことを言うんだろう。昨日はちょっとお客さんが少なめで、もったいなかったなー。こういう音楽って意外に、海外とかでポンとどえらい人気出ちゃいそうだけどね。

 

ライブを重ねるごとに「プリンキピア」としてどんどん進化してるのもわかっちゃったので、もう次が楽しみでしょうがない。独自の進化を遂げてすごいことになってほしいな、トリプル・ペダルスティール・アンサンブル。次のライブもぜったい行こっと。

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