月夜のドライブ

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esq “The Trio” Tour '09 @ モーション・ブルー・ヨコハマ

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書くの遅くなったけど、日曜日のこと。『esq “The Trio” Tour '09』、とうとう最終公演。横浜の赤レンガ倉庫の中にあるライブハウス「モーション・ブルー・ヨコハマ」に、三谷泰弘さん(vo,kb)・夏秋文尚さん(dr)・BARAさん(b)のトリオの音を聴きに行ってきました。3月の神戸から始まったツアー全13公演の大ラスとなるこの日のライブ、3カ月のTrioの熱い足跡がぎゅっと凝縮されて結晶になったような、本当にすばらしいライブだった。大きくてキラキラした音の粒が、強い軌跡でびゅんびゅん飛び交ってた。観られてよかったな…。

 

“The Trio” Tour '09 YOKOHAMA
三谷泰弘(Vo,Key)、BARA(Bass)、夏秋文尚(Drums)
日時:2009年6月21日(日) 開場 16:00/開演 17:30
場所:横浜 モーション・ブルー・ヨコハマ  
神奈川県横浜市中区新港一丁目1番2号 横浜赤レンガ倉庫2号館3F TEL:045-226-1919   
料金:前売、当日とも:\5,250(税込)全席自由/飲食代別途(ミニマム1ドリンク)
※本公演は二部制・入れ替えなし(途中1時間ほどの休憩時間があります)

 

■会場

はじめて行く横浜赤レンガ倉庫。うら寂しい倉庫街を想像してて、迷うのを100%覚悟しながら向かったのだけど、倉庫自体が賑やかなショッピングモールになっていて想像と大ちがい。横浜開港150周年のイベント開催中でもあり、カップルや家族連れでいっぱいだった。2棟並んでいるうちの2号館にモーション・ブルー・ヨコハマはある。ブルー・ノート系列の店らしく、とてもファッショナブルな店がまえ。席に着き、ステージにすでにセッティングされている夏秋さんのドラムセット(今日はご自分のSONORだ!)をうっとり眺めたりしながら開演を待つ。

 

■前半

客電が落ち、客席後方の入り口から店員さんに導かれつつ3名様登場。音の出る前から、三谷さん夏秋さんBARAさんの表情や仕草に、自信と充実とラストの楽しさ寂しさがないまぜになった特別な感情があふれていたように見えたのは、うがちすぎかな。それにしても…白い半そでTシャツにベストをさらりと羽織った爽やか三谷さんと、見た目さえない浪人生のような(ほっといたら伸びちゃったみたいな髪形にシャツ+ジーンズの)リズム隊、このコントラストがいつもながらおかしー。夏秋さんとBARAさんはそこがステキなんだけどね(笑)。でも、この予備校通い真っ最中みたいな二人のそのリズムったら…、今日はとりわけ、もの凄かった!!!!

 

やはりついついドラム方面を見がちな私ではあったのだけど…、始まってすぐの「Makin' Love」あたりでもう、今日の夏秋さんの音の、特別な熱っぽさと迫力に参っちゃってた。「愛よ何処へ」の、心臓をぎゅっと掴まれるせつないタムの音。「流星物語」の、甘く熟れた果実のようなシンバルの音、ドキドキするほどポップなドラミング!なんてすてきなんだろう…。

 

三谷さんの歌も、BARAさんのベースも、今日はいつにも増して情熱的なのが、客席にも伝わってきた。いとおしさを噛みしめるような表情でオーディエンスを見渡しながら、ひとつひとつの言葉と音を大切に送り出す三谷さんの姿に、こっちまでグッときちゃう。BARAさんのパフォーマンスも、今日は最高潮のノリ。

 

esq The Trioの演奏を聴くのは(去年から数えて)私はこれで4回めだったけど、手探りで始めたトリオの試みが、今や他のどこにもない音にまで駆け上がっていることを感じて、この2年の「バンド」の魔法につくづく驚く。そしてそれは、この3人だから到達できる地点なんだということも。もちろんステージの主役は三谷さんの声とキーボードなのだけれど、夏秋さんのドラムとBARAさんのベースも、それぞれが主役を張れるぐらいの激しく強いドラマを紡いでいる。その3つがぶつかって絡みあうから、こんな音になるんだよね…。

 

■後半

前半が終わって、休憩が1時間ほど挟まれたあとの、三谷さんのカバー曲弾き語り。この日はラスト公演ということで、いつもより1曲多い3曲を歌ってくれた。「My Favorite Things」も「海を見ていた午後」も、雨に煙る横浜のこのライブハウスに似合っていて、じんと染み入った。最後の「Circus Town」、三谷さんが達郎さんのカバーを歌うのを聴くのは私は初めてだったのだけど、これを聴くと、三谷さんの、じつは達郎さんとはぜんぜんちがう資質が見えてすごくおもしろいなって思った。どれも、ポップミュージックへの愛にあふれたカバーだった。

 

夏秋さんとBARAさんがセットに戻っての後半はもう…、圧巻だった!!特に、MC後の「I Got Love」「あいをしんじて」「Going My Way」「Melody」の4曲連奏は、楽曲の元々の完成度、爆発的なポップ含有量、ツアーの足跡が積み重ねてきた熱さ、激しいにもほどがある演奏、すべてがレッドゾーンに振り切れてしまってて、とんでもなかった!なんというクライマックス!!!!

 

特にね…この4曲の夏秋さんのドラム、凄かったよ…!(すみません、またココだ…。)今日の夏秋さんのドラムは、私が今まで観たesq The Trioの演奏の中で、はっきりと、いちばんだったと思う。なんていうか…、捩れてて偏ってて凄まじい“夏秋さんらしさ”が、自由に、過激と思えるほどに、ほとばしってた!こんなに好きに叩いちゃっていいの?って思うぐらいの奔放さで、ドラムセットが気持ちよさそうに鳴りまくってた。しかもその過激さが、遠い遠い放物線を描いて、BARAさんや三谷さんの、やはりそれぞれにテンションの高い音と交信しあう、その俄かには信じられない光景!!!!

 

4曲の中でも特にラストの「Melody」は、表現できないほどの驚きの演奏だったな…。あんなのってあるの?三谷さん夏秋さんBARAさんが互いに重ねてきた時間と信頼と確信と、それぞれのミュージシャンシップとパッション、すべてがひとつになって、信じられない沸点で音になってた!

 

はぁー…ほんとにほんとにほんとに凄かった。こんな4曲を息もつかせず撃ちまくる3人って、どうなのよ!?至高のポップ爆撃にハチの巣にされて、放心状態…。

 

アンコールの三谷さんのオリジナル曲リクエスト弾き語り、そしてラストの「週末の天使」のバンド演奏は、もう、砂時計を見つめるような気持ちで聴いてた…。この3人でしか生まれない、ここにしかないesq The Trioの音。ほんとに出合えてよかった。

 

■Trio

というわけで、『esq “The Trio” Tour '09』は、いったん終了、寂しいな…。だけど、きっとまた会えるよね。esqは三谷さんのプロジェクトだけど、ドラムが夏秋さんでなければいけない意味、ベースがBARAさんじゃなきゃいけない意味、を、こんなに痛感したライブもなかった。この3人でTrioをやってみようと決めたとき、もちろん三谷さんの中にはある程度の確かな予想図があったと思うけど、まさかここまでの音になるとは、もしかしたら思っていなかったんじゃないかな。

 

esq The Trioの物語はまだまだ続く、んだと思う。どこまで行くのか、見続けられたらいいな。三谷さん、夏秋さん、BARAさん、すばらしいライブをありがとうございました!

 

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