月夜のドライブ

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ジャック達、tricomi “JANUARY 18 スペシャル” @ 渋谷7th Floor

画像日曜日、行ってきましたー。2カ月ぶりのジャック達はまた進化してた!なんてったって大田さんがとうとう…、ね~。(な、何?) 時間は短かめだったけど、大田さんサポート3回めのライブにして、ジャック達の“これまで”と“これから”にふっと思いを奪われキュンとしてしまうようなセットリストで、とてもよかった。そして「キャンセル」がこの日も凄かった…。

 

2009/01/18(日)
JANUARY 18 スペシャ
@ 渋谷7th Floor
開場18:00 / 開演18:30
前売 ¥3,000 / 当日¥3,500
ジャック達:
一色進、宙GGPキハラ、夏秋文尚+大田譲(fromカーネーション
TRICOMI
番一郎、かわいしのぶ、WHACHO

 

tricomi

水谷紹…じゃなくて、このバンドのときだけなぜか番一郎さん、が率いるトリコミは、ジャック達との対バン4度め。いつもながら飄々とした、半分ポエトリーリーディングみたいな歌がサイコーにおかしい。今日もやってくれた「殺し屋の娘」「クーラー」。派遣村ネタとか取り混ぜつつ(笑)。「だが愛する人よ」はすばらしくいい曲だな。乾いたジョークのような詞が、なぜか真実を連れてくる。しかしいつも思うけどこのバンド、水谷さんのギター・ホアチョさんのドラムス・かわいさんのベース、すべての音がおそろしくカッコいい超絶スリーピースのくせして、その正統なるカッコよさを思いきり破壊して平気な顔してるとこが、じつに悪党だねえ。こういうのをロックと言うんでしょ、言うとすれば。

 

■ジャック達

セッティング替えはさんでジャック達。ステージに上がる4人、そして一色さんの「こんばんは~、ジャック達です!」の台詞とクロスして入ってくる夏秋さんのキック。うわ、「オンボロ」だー、大田さん入りではたしか初めてだよね?…とか思ってたら、サビの「♪オンボロッチ~~~」のコーラスを、なんとキハラさん夏秋さん大田さんの全員で!!!!わーーー、大田さん入りのコーラス、めっちゃ分厚くて鉄壁なんですけど!大田さんひとり入るだけでこの変貌、すげー(驚)!曲が終わってすぐに一色さんが「どうですか、コーラスが強化された今日のジャック達は!?」もー客席、大歓声!「今までにない歌唱力の人がひとり入ったんで」うはははは(笑)。でもビックリしたなー…。大田さんがサポートに入ってからこれまで2回のライブでは、大田さんはコーラスには参加してなくて、私もそこはなんとなく「聖域」だと思ってたんだよね。ベースはお願いしたとしても、コーラスまではお互い「越えない一線」なのかなって。でも大田さんぜんぜん歌ってたな(笑)、アリなのか、それも(笑)。一色さんは「こんど大田くんボーカル用の曲も作らなくちゃね!」だって(笑)。大田さんはもういいですよって感じで照れ笑いしてて、おかしかったー。この日は他の曲でも大田さんコーラスで大活躍!これまでの、頼りなげな青年2人によるコーラスもかわいくて好きだったんだけどね。

 

「東京一悲しい男」。うー、かっけーイントロ!大田さんのベースの重量感!キハラさんのギターの躍動感!夏秋さんのドラムがまたおそろしくカッコよくて、クギづけに…。ここ1週間で立て続けに3つのバンドでの夏秋さんのドラムを観てきたんだけど、やっぱり彼のホームは、当たり前だけど、このジャック達なんだなーと心底思う。自然に、自由に、奔放に、彼のドラムがいちばん彼らしく響く場所。まあ一色さんが曲を書くときすでに頭の中で、あのドラムは鳴ってるにちがいないからね。しかし今のジャック達、なんちゅーラウドでマッシヴな演奏なのか…。

 

ふっとかぶってきたキハラさんのギターのイントロは、わあ…「EASTEND JUKEBOX」だ。これも、大田さんが入るとどうなっちゃうんだろう?と聴いてみたかったナンバー。これまで毎度ふっ飛ばされてきた間奏、ピートさんバージョンとはまったくちがう感触になってたことにビックリした。なんていうか…今までとは別方向からの、強い牽引力を備えた曲になってた。ベースがちがうとこんなにも変わるのか、すごいな…。じつはこの日のセットリスト、「EASTEND JUKEBOX」や「MY BEAUTIFUL GIRL」「STRANGE MOVE」「WHAT'S NEW LOVE SONG」…と、最近では珍しくファーストアルバムからが多くて、思わずキュンとしてしまった。でも、過去の曲も、大田さんのベースが入ってどんどん新しい印象のナンバーになっていく。そうやって、再起動以降の時間が過去を上書きしていって、“新しいジャック達”が当たり前になっていくんだね。それがバンドの強靭さ、ってことなんだと思う。

 

最初から大田さんのベースで聴いている「禁断のチョコレート・エンジェル」や、新しめの「JET SET」あたりは、もう迷いなく衒いなく、太く重くワイルドに突っ走る!これが、今のジャック達。そして「謎の帽子屋」。配信シングルであらためてこの曲に陥ちて以来、音と言葉のひとつひとつが痛いほど浸みてしまう…。

 

スーパーソニック・トースター」のカッコよさは今回も驚愕すべきレベルだった!元々、他のバンドにはマネできないと思われる次元でカッコイイ曲だけど、大田さんがベースに入ってからのこの曲は、ありえないことになってる。こんな曲をこんなふうに演奏できるバンド、この50年の世界中のロックシーンを探してもジャック達だけだろうな。

 

そして、前回演らなかったのでなにげに4カ月ぶり(!)の「キャンセル」。まるで砂漠で水を求めるように「聴きたい」という気持ちが切迫する曲なので聴けてうれしかったけど、あまりに凄すぎて、撃たれて散ってその場で果てた…。間奏に入るまでのポップな名曲っぷり、そしてそこから4つの楽器が登りつめていく凄まじい音の険。キハラさんのギターがどんどん熱を持ってバーストしていくのを左手に見ながら、大田さんのベースがその熱に呼応してテンションをあげていく様が、ちょっと泣けちゃうぐらいにすごい光景だった。大田さんはほんとうにキハラさんのことをよく見ていて、彼の自由なよさを最大限に解き放つベースプレイをする。そしてこのふたりの後ろには夏秋さんがいる。もうこんなの最強に決まってるでしょ。すごいよ…、今のジャック達。

 

本編最後の「今すぐ帰りたい」でとどめを刺され、アンコールの「WHAT'S NEW LOVE SONG」でせつなさを胸に撃ち込まれて終わる。

 

 

 

なぜか、ジャック達の「これまで」と「これから」に思いを馳せさせられたライブだった。大田さんのベースはやっぱりピートさんとはぜんぜんちがっていて、そして、今まで大好きだったたくさんの曲が、思いもよらなかった別の魅力を持って強く輝きだす。そのことへの驚き。ピートさん脱退であれだけ落ち込んでいた自分が、新しいジャック達にこんなにワクワクできること。

 

ピートさんが脱退するのを知ったころに、『いずれすぐに私も、今までとはまったくちがう新しいジャック達の行く手を見つめる、ドキドキするような視線を手に入れることになるのだと思う』と、『「この4人」を超えるジャック達があることを知って心底驚く日が来るのだと思う』と、文章では書いたけれど、理屈上そうなるだろうと言葉を導いただけで、実感としては、ゼロだった。そんなことがあるなんて、あのときの私は、思えなかった。それが、今、こんなことになってる。新しいジャック達に心からドキドキして、心底驚いている。いいバンドの「現在」って、とんでもなくタフだね。ありがとう。

 

というわけで、こんなことになってる今のジャック達、もうひとつも見逃せないでしょ。大田さんが「♪オンボロッチー」なんてコーラスするのを聴くためだけにでも来てソンはない(笑)。“次の待ち合わせ”については別記事で!

 

*セットリスト

01 オンボロ
02 東京一悲しい男
03 EASTEND JUKEBOX
04 禁断のチョコレート・エンジェル
05 JET SET
06 謎の帽子屋
07 MY BEAUTIFUL GIRL
08 スーパーソニック・トースター
09 STRANGE MOVE
10 キャンセル
11 今すぐ帰りたい

encore
12 WHAT'S NEW LOVE SONG

 

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