月夜のドライブ

ラブレターバンバン書いて紙飛行機にして 宛てもなく空に飛ばすブログです。▶プロフィールの「このブログについて」をクリックで記事一覧などに飛べます。

『ウクレレ栗コーダー』栗コーダーカルテット

画像お洒落ジャケのあとに、脱力ジャケ。脈略なく思えるけど、実はしっかりハイポジつながり(もりばやしみほさん→近藤研二さん)だったりして。そういえば同じ発売日(7/5)だったしね。というわけでコレも、こないだの一気買いのうちの一枚です、栗コーダーカルテットウクレレ栗コーダー』。

 

言うまでもないと思いつつ一応記しとくと、メンバーは栗原正己、川口義之、近藤研二、関島岳郎、の4名様(演奏時はいつも向かって左からこの並び順。リコーダーの音の高い順だね)。栗コーダーっていうぐらいだから基本はリコーダーの4人組なわけだけど、そのカルテットが、これまでウクレレコンピにも結構作品を残していて、今回のアルバムはそのウクレレカバーを集め、なおかつ新録モノも収録という一枚。『ウクレレ・フォース』『ウクレレ・ウルトラマン』は持っているのだけど、ビートルズ関連やジブリモノでの演奏は未聴だった私にとっては、願ったりかなったりのベスト・アルバム

 

全13曲収録、うち未発表音源が1曲と新録音が5曲あるんだけど、とりわけ、この新録音の5トラックは悶える…。「アイネ・クライネ・ナハトムジーク第一楽章」「ハイウェイ・スター」「ボヘミアン・ラプソディ」「ガンダーラ」「サイモンの夢」だよ!モーツァルトとディープ・パープルとゴダイゴを並べて平然と演奏できるのなんて、この人たちぐらいじゃないだろうか…。で、何の気なしに栗コーダーのバージョン聴いてから、そういえば私、ホントのディープ・パープルの「ハイウェイ・スター」を知らないや!と気付く(笑)。初めての「ハイウェイ・スター」体験が栗コーダーになってしまった…。慌ててココとかでディープ・パープルの方を試聴してみたわけですが、当たり前だが「超」のつくハード・ロックだーーーっ!で、あらためて栗コーダーのほうを聴く(視聴はジェネオンのサイトで可)。うはははは、この落差…(泣笑)。

 

この「ハイウェイ・スター」を素材に、野村辰寿さん(『ジャム・ザ・ハウスネイル』など)が監督したPVも作られていて、CDにエクストラ・トラックとして収録されてるんだけど、これがまた…(泣笑)。伊賀栗男(いがくりお)と火野来道(ひのくるみち)が、比巣田知子(ぴすたちこ)を巡って恋のデッドヒートを繰り広げるっていう単純なストーリーなんだけど…登場人物(登場果実)、ただの栗とくるみとピスタチオのくせして、下手なドラマよりよほど感情移入できちゃう(笑)。バカバカしくも真剣勝負のクオリティ、可笑しかわいくてサイコー!同じくジェネオンのサイトでPV全編試聴できるので、ぜひぜひ栗コーダー版「ハイウェイ・スター」(ハイウェイっていうよりバイパスって感じだけど…)とともにご体験あれ。

 

そして、近藤研二さんが「ウクレレと笛でこれを完コピするのに精根使い果たした」と言っていた「ボヘミアン・ラプソディ」は、笑うというより泣けます。マジで。うつくしい…。クイーンが好きとか、この曲が好きっていう人には、ぜひとも聴いて欲しいと思うカバーだな。音楽への普遍的な愛を感じる。素晴らしいです。

 

こうして聴いてしみじみ思う、やっぱり栗コーダーカルテットって、私の中では明らかに「ロック」だなあと。PCのプレイヤーに入れると大体「サウンドトラック」とかいうデータが表示されるんだけど、いつもさっさと「ロック (日本)」って直しちゃうもん。いかにもロックですねという様式の範囲内で器用にまとまっている「ロック風商業音楽」より、既成のジャンルに簡単に絡め取られない栗コーダーの自由さのほうが、どんだけロックよ?と思う。だから彼らの音楽聴くと、なんだか私は勇気がわいてきちゃうんだなー。

 

*『Ukulele KURICORDER』栗コーダーカルテット