いやもーさすがウクレレカフェカルテット!!滅多に活動しないくせに、たま~にやるときはゼッタイはずさないどころか、期待のはるか上を行く仕事ぶり!!ほんとやるなーこの人たち。というわけで、月ドラ「ウクレレカフェカルテット」カテゴリー、3年ぶりの記事です(笑)!『ウクレレ・YMOとその周辺』。
3年ぶりといっても、ここ最近は音楽シーンをきちんとウォッチできていない私なので、もしかしたらそのあいだにウクレレカフェカルテットの活動、あったかもしれないけど、…いや、たぶん、ないかな……。何しろ、田村玄一、飯塚昌明、夏秋文尚、川口義之、という、それぞれがまったく別々の音楽活動でハンパなく忙しい4名様。どう考えてもその忙しさって拍車がかかる一方で、10年前とも段違いのように思うのよね…。今、この4人が集まるって、よくわかんない豪華感があるよね(笑)。ほとんどファンかぶってなさそうな、何でこの4人が一緒に(しかもウクレレユニットを)やってるんだろう?というような。
これまで、(カフェカルが参加していないものも含めて)いろいろなウクレレカバーコンピが出ているけれど、今回は「まだその手があったか!」という感じの“YMO”!YMOをウクレレで…、これ、すごくおもしろい!栗コーダーカルテットの「テクノポリス」なんて、ほとんど「逆テクノポリス」だもんね(笑)。
ウクレレカフェカルテットは2曲やっていて、両方とも高橋幸宏さんの曲だね。まずはCDのオープニングを飾る「中国女」。はー…、ユキヒロさんの書くメロディのよさに、シンプルにじーんとしちゃうようなトラックだなーこれ。(ちょっと話ズレるけど、私はYMOってテクノとかいうより「3人ともいいメロディを書くバンド」と思ってて、このウクレレコンピはまさに、そのあたりがはからずも浮き彫りになってる感じ。)ユニゾンで奏でられるウクレレ、玄さんと飯塚さんのデュオなのかなぁ、うっとり…。超絶ロックなソロは飯塚さんだろうなー、めっちゃカッコイイ!バリバリチョーキングとかしててほとんどギターソロ聴いてるみたいな高揚感(笑)。このロック感はウクレレカフェカルテットならではの魅力だよね。ちなみにこの曲、夏秋さんのクレジットは「コメレレ、銅鑼」あっ、ウクレレ弾いてない!川口さん「エアウクレレ」あっ、弾いてない(笑)!
ウクレレカフェカルテットのもう1曲は、3トラックめに入ってる「ライディーン」。もーこれ、発想がすごいわ!ライディーンがこんなことになっちゃうなんて誰が考えただろう!これはゼッタイ一聴の価値ありー。なんてったって荒野だし!埃っぽい風舞ってるし!酒樽転がってて馬走っててだれかとだれかが銃撃ち合ってるし!でもまちがいなくライディーンだし!なんだこれ、すげえーーー(笑)。西部感を盛り上げに盛り上げてる夏秋さんの口笛、口琴、効果音、いい仕事!
あとやっぱりマイッたのが、栗コーダーカルテットの2曲。「テクノポリス」笑うー、「TOKIO---TOKIO---」口琴でそれをやるというね!そして『ウクレレ・フォース』のときにも「帝国のマーチ」をやる気のないダースベイダーのテーマにまで高めた(低めた…)栗原さんのアンデス、今回もやっぱ反則だわこれ(笑)。もー超笑った。もう1曲の「東風」も、彼らにかかるとウクレレとともにぷかぷかリコーダーの鳴る、美しくもじつに栗コーダーな世界に。それにしてもこのリコーダーの響き、どんなにあとから「それ風」が出てきても、やっぱりだれも栗コーダーには絶対なれない、つくづく、強力なるオリジナルなんだよなあ。うーん、ロックだ…!
ほかにもすごくおもしろいカバーがいっぱい。だけど、ウクレレカフェカルテットと栗コーダーカルテットの2組の楽曲の解釈は、いつも心底驚かされるし、やっぱり好きだなー。発想と音がロックなんだよね。
ウクレレカフェカルテットのアーティスト・プロフィールが冊子「ローリング・ココナツ」に載ってたよっ。
ウクレレカフェカルテット
90年代初期、大手百貨店のイベントに向けて結成されたウクレレ4人組。イベント終了と共に解散と思われていたが、ウクレレイベント、ウクレレアルバムなどに目立たないよう参加しながらウクレレ界の裏側で細長い活動をしている。ウクレレCDシリーズでは「20世紀フォックス・ファンファーレ」「ウルトラマンの歌」等。メンバーは作編曲家、GRANRODEOなどでも活動中のギタリスト飯塚昌明、ロンサムストリングス、リトルテンポの田村玄一、ムーンライダーズ等のサポートでおなじみのドラマー夏秋文尚、栗コーダーカルテット、渋さ知らズの川口義之の4人。
うはは、「ウクレレ界の裏側で細長い活動をしている」…(笑)。
ウクレレカフェカルテットの記事を書くたびに私も細長く言ってるんですけど、カフェカル、オリジナルアルバム作ってくれないかなーーー。この4人がそのロック魂を存分に炸裂させつつ、小っちぇえウクレレでソロ弾いたりコメレレ振ったり口琴びよよんとさせたりするの聴きたいー。それがムリならばせめて、これまで世に出たカフェカル名義の楽曲やカバー曲をまとめて一枚に、とかどうだろう?私が知ってるだけでも、たぶん15曲はあるはず。そこに新録も3曲ほど入れて、とか、ね。プラス、ライブもやっちゃったりしてね。あの、どうにもウクレレっぽくない4人のライブ、また観たいんだよなー。
V.A.『ウクレレ・YMOとその周辺』
<収録曲>
01. 中国女/ウクレレカフェカルテット
02. テクノポリス/栗コーダーカルテット
03. ライディーン/ウクレレカフェカルテット
04. メリー・クリスマス・ミスター・ローレンス/はじめにきよし
05. 風の谷のナウシカ/田岡美樹+ウクレレピクニック
06. 君に胸キュン/バンバンバザール
07. 東風/栗コーダーカルテット
08. ビハインド・ザ・マスク/はじめにきよし
09. ユニークマンショー -アロハ楽器店-/ウクレレえいじ
10. い・け・な・いルージュマジック/U900
11. ハイスクールララバイ/バンバンバザール
12. ユニークマンショー -おとなのみんなのうた-/ウクレレえいじ
13. ファイヤークラッカー/中村たかし
レーベル : ウルトラ・ヴァイヴ
価格:2,625円(税込)
品番:OTCD-2317
あっ、「ライディーン」使ったPV(?)あるんだ!ここで1曲だけ聴いちゃうのはもったいない気もするけど(アルバムごと聴いたほうがおもしろい)、いちおう貼っとこーっ。