月夜のドライブ

ラブレターバンバン書いて紙飛行機にして 宛てもなく空に飛ばすブログです。▶プロフィールの「このブログについて」をクリックで記事一覧などに飛べます。

drum'n'piano vol.1(夏秋文尚×シモシュ)@公園通りクラシックス

画像ちょっと遅くなりましたがライブメモ。7日の夜、行ってきました、渋谷公園通りクラシックス

drum'n'piano シモシュ&夏秋文尚ライブ
ドラム:夏秋文尚
ピアノ:シモシュ
ゲスト:Rom Chiaki(テルミン

ドラムとピアノ、たったふたりのコラボレーションってことで、いやでも夏秋さん成分が高いライブなので(笑)、ひそかにかなり楽しみにしてました。半面、リスナー人生の98%ぐらいを歌モノに寄り添って歩いてきてる私には、ドラムとピアノだけの音楽、ってあまり想像つかなくて、うまく鑑賞できるのかなという不安も。でもね、これが、想像してた100倍ぐらいおもしろくてエキサイティングな音楽だった!ちょっと、自分でも意外なほど。そして、夏秋さんのドラムはやっぱり泣きそうなぐらいカッコよかったです(泣)。行ってよかった…。

 

夏秋文尚さんとシモシュさんは、もともとマツケン(言うまでもないですが松平健さんね)バンドでいっしょに演奏してたミュージシャン同士ということで、これまで何度か共演の試みがあり、今回、本格的なコラボレーションライブシリーズvol.1に至ったみたい。開演ギリギリに滑り込んだ公園通りクラシックスのステージは、左手にピアノ、右手にドラムセット、真ん中にゲストのロムチアキさんのテルミンというセッティング。この日の夏秋さんのドラムセットがユニークで、バスドラとスネアとシンバル類以外が、ロートタムというヤツで組まれていて、しかも数が多い!6~7個、もしくはそれ以上あるように見えたんだけど…。途中「比較的メロディを鳴らしやすいセットなんですよ」との夏秋さんの説明があり、「ではここで、超有名な曲を一発…」と、「チューリップ」と「かえるの歌」の2曲を叩いてくれました(笑)!うはは、おっかしー、ドラムってあんなにメロ出せるんだー。「かえる」に至っては、ドラムとピアノで輪唱してたよ(笑)。

 

夏秋さんとシモシュさんの音楽は、たぶんおふたりの飄々としたキャラのせいもあって、ものすごくユーモアにあふれていて、広くて、自由。「ドラム+ピアノ」という編成で私が当初思い浮かべた、「実験」「前衛」みたいな不自由さも退屈さも小難しさも、そこには少しもなくて逆にビックリした。1曲めが「村上ファンド」(仮タイトルらしい)、2曲めが「立ちくらみ」って、そんなことでいいんすか(笑)!シモシュさんのピアノは、聖堂の天井画を思わせるようなクラシカルな美しさを持ちながら、そこで閉じてしまわないユーモアをたたえているのが驚きで。ロック文脈にありつつロック様式に縛られない夏秋さんのドラムと、その自由さにおいて共振するのがすごくナットクできた。ドラム+ピアノ、だけれど、実験音楽でもないし、ジャズでもないし、もちろんフュージョンでもないし。精神はロックだと私は思ったけど、やっぱり他のどこにもない、夏秋さんとシモシュさんだけの音楽としか言いようのない気もしたりして。外に開かれたふたりの音だからこそ、こんなにおもしろくエキサイティングなコラボレーションになるんだなって。

 

ロムさんのテルミンが絡む曲もおもしろかったんだけど、何よりこの日私がブッ倒れたのは、後半で披露された2曲(「coevolution」と、もうひとつは不明ですゴメンナサイ)。もうね、夏秋さんのドラムが凄すぎた…(泣)。夏秋さんのドラムソロって(ご本人の控えめな性格からか)ふだん滅多に聴けないんだけど、もー、夏秋さんのドラムの音だらけなんだもん!(当たり前か。笑) 「coevolution」は、たぶん10分ぐらいある曲だったと思うけど、夏秋さんのドラムがカッコよすぎてマジで息止まるかと思った…。あの音量、あの強弱、あのパターン、そしてとりわけ、彼の左腕から叩き出されるスネアのリズムに心撃ち抜かれて、ほんと失神しそうになった。ダメだ、好きすぎる…。常々、夏秋さんが自分の好きに叩いてるドラムであればあるほど魅かれるなーって思ってたけど、やっぱり間違いなくそうです、確信。なんというか、どの音、とかいうんじゃなく、夏秋さんの中にあるリズムそのものが、好きなんだと思った。うーどうしよう、思い出しただけで熱出そう…。

 

ふたりのドラムとピアノはそれぞれが、驚くほどの繊細さと力強さの幅を行き来し、まさに「ピアノ」であり「フォルテ」だと。音の交錯の中で時折、まるで2つが同じ楽器のように思える瞬間もあって、実におもしろい体験だったなー。たった2つの楽器なのだけれど、足りないもの・欠けているものをどう埋めるか、という発想の音楽ではまったくなくて、すでに、100%も200%も、そこにキラキラと音楽があふれていることに驚いた。

 

久しぶりの夏秋さんの生ドラムを聴けたことだけでも、私の中の泣けるほどの勇気と希望になったのだけれど、初めて接するタイプの音楽に意外なほどワクワクできて、ほんと楽しかった!こんなんだったら、毎月でも毎週でも聴きたい!と、誇張ナシにそう思った。貴重な夏秋さんのMCもいっぱい聞けたしね(笑)。シリーズvol.2が、また早く巡ってくるといいな。心待ちにしてます。

画像