月夜のドライブ

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いちばん好きかもしれないギタリスト・「西村哲也」セレクション!

ギター好きならぬギタリスト好きの私が、「好きなギタリスト」の話を始めたら、そりゃもうアラビアンナイト千夜一夜終わりません。だって、痩身なあの人も長身なこの人も美男子なその人も、粗っぽいあの人もやさぐれたこの人もブチ切れたその人も、超絶なあの人も硬質なこの人も、重たい音のあの人も柔らかい音のその人も、あーもうとにかくみんな好き好き大好きなんだもーーーん!!でも、その中でもいちばん好きかもしれないって思うのは、やっぱりこの人、西村哲也さんなのだ。

 

もうここ月ドラではいやってほど書いてるけど、グランドファーザーズの音とともに青春後期を過ごした私にとって、西村さんのギターの音って、もう抜き差しならないほど特別な存在で。90年代のそのころも、理系の控えめな青年のように見える黒ブチメガネの西村さんが、エレクトリックギターを手にした瞬間に人が変わり、ソロに至るや幽体離脱しちゃったみたいな壮絶なギタープレイを聴かせてくれるのを体験したくて、ライブに通っていたようなものだもん。もーあのサイケデリックでどっかトチ狂ったギターがメチャ好みなのだー。倒れるー。

 

どこで、誰のバックで鳴っていても、あ~西村さんだ~!と私をたまらなく悶えさせる彼のギターの音。そんな、私がメチャマイる西村さんのギタープレイが聴ける曲を、いざセレクション!といっても、今までもさんざん書きまくった盤が多いけどね~。ちなみに「ベスト」ってわけでもない、だってイイのほかにもいっぱいあるから。

 

画像「あふれる想い」若林マリ子(ミニアルバム『あふれる想い』05年 より)

実はね、そんなこと考え始めちゃったのも、つい最近やっと手に入れた若林マリ子さんのアルバムの、この曲で聴ける西村さんのギターがつくづく西村さんだったから。どこか淋しげな魅力湛えたマリ子さんのメロディと歌声を、そっと支えるアコースティック&エレクトリックギターの響き、本当に夢のように美しい。でもそれだけで終わんないのがつくづく西村さんでね。最後のあたり、クレイジーさがかいま見えちゃう。あーこれがたまんないんだなあ。西村さんのギターは、ロック文脈で聴くのはもちろんカッコいいけど、マリ子さんのような端正な音のバックに置かれたときも、その壊れ感が音楽をより魅力的に見せちゃうのが素晴らしい!ちなみにこの曲は夏秋文尚さんも参加、音楽的にねじれたふたりの持ち味が、マリ子さんの世界を一層美しく仕上げていると思う。

画像アヴェ・マリア」Rom Chiaki(コンピレーション『my room is delicious vol.1』02年 より)

これは、このあいだロムチアキさんのコンサートを見に行ったときの記事でも少し書いたのだけど。これ、大好き~~~。もう、ここで聴けるギターってば最高に気持ち悪くて最高に狂ってて、西村さんってやっぱり顔に似合わず相当な危険人物だなーって確信する。全然汗が飛び散るような激しさじゃないんだよ、でもロムさんのテルミンの奇妙な音と、夏秋さんの地底から響くようなディジュリドゥー(あ、ここでも聴ける、私を悶えさせる循環呼吸!笑)と、西村さんのアシッドで気味悪いギターの音のコンビネーションっていったら、もうこの世のものとは思えない。なんとなく、西村さんのギターを聴くと私は、(たしか鈴木慶一さんがどこかで言っていた)「美しいものを汚したときがいちばん美しい」という言葉を連想しちゃうのだ。たまらないです。

画像「瞳の奥に」青木孝(アルバム『melody circle』96年 より)

青木さんのアルバムの初っ端を飾るこの曲のイントロで、いきなりトビまくったギターフレーズを聴かせてる西村さん。青木さんの瑞々しい世界に西村さんのギターっていうのも、イカシた組み合わせだなあって思う。ロジャー・マッギンばりの青木さんの美しい12弦ギターと、西村さんのアブノーマルなエレクトリックギター。最高!

画像「馬鹿どもの夜」鈴木博文(アルバム『bonyari bonyari』03年 より)

もう、文句言わずに聴け!の1曲。前にここでも書いた。左から青山さんのなまめかしいギター、そして右から西村さんのトンガったギター。同じギターなのにこれだけの個性の違い、それがこんな具合に絡み合っちゃったら、聴くほうはもう恍惚に陥るしかないじゃん!西村さんと青山さんのギターの組み合わせについては、歌と同じこと私は思ってる。端正で美しいものと重なり合うと、西村さんのギターってひときわ輝くし、同時に、相手の歌やギターも鮮やかさを増すって。

画像「Lonely Man」鈴木博文(ライブアルバム『HIROBUMI SUZUKI & GREAT SKIFFLE AUTREY』00年 より)

これも、文句言わずに聴け!の1曲。このアルバムのことも前にここで書いたなあ。西村さんのイケイケなスライドギターが堪能できる曲。こういう音色のときも、西村さんのギターはつくづく西村さんだなあ、笑っちゃうほど唸りまくってる!もーこの西村さんの、たたずまいに似合わぬ「そこまでやるか」感が、私はとんでもなく好きなのだー。

画像「石のうさぎ(Live Version)」グランドファーザーズ(ベストアルバム『GOLDEN HARVEST』99年 より)

あー間違いなくこれなの、これ!私の人生をこんなふうにしちゃった、グランドファーザーズの、「西村哲也のギター」の響きーーー(泣)。もう、ライヴバージョンのこれ聴いちゃうと、生活の95%ぐらいを音楽に捧げていたあの時代の記憶があふれてきて、心の堤防、決壊。しかしつくづく西村さんのギターって…。この特異さ奇妙さヘンテコさ、いったいどうなってんだろ。サイコー(泣)!

画像「エレクトリック・ラバー」西村哲也(アルバム『ウォーターメロン砦』05年 より)

ああ、昨年出たこのアルバムにはホント泣けた。西村哲也ここにあり!っていう、堂々たる宣言。歌も、ギターも。特にこの曲で聴ける、ポップなくせして後半見事にブチ壊れていくギターは、まさに私を狂わせる西村さんならではの音。こんな深くそしてこんなクレイジーなギター、西村さんにしか鳴らせないって思うんだ。ほんと愛してる、この音。

 

この記事書くために西村さんのギター参加作品をまとめて聴いたら、もうおかしくなりそう、よすぎて!やっぱ大好き大好き、たまらなく大好きーーー!でも、この特別シビレる西村さんのエレクトリックギターの音を、全国のリスナーがババーンとナマで聴く機会がどうしても少ないのが、ほんとに残念。録音された音ももちろん十分凄いんだけど、ナマでこれ体験するとマジブッ倒れるから。あの、温和な外見の西村さんの豹変ぶりが見られて、おお!と思うのもナマならではのことだもんね(見世物じゃないけど・笑)。

 

そういう私も、西村さんのエレクトリックギターを本当に久しぶりに聴けたのは昨年9月の下北ライブだったわけで。実に何年ぶりだったろう。ほんと聴けてよかった。そして、ポツポツ出ているインフォメーションによれば、今年も西村さんのギター体験できそう。4月はなんと…ジャック達と対バン!(この組み合わせは昨年1月にもあったけど私は行けず。)まだ詳細は出ていないけど、この日はきっと西村さんバンドセットだよねー、そうだといいなー。ああ、絶対ブッ倒れる。今から確信。