名前はずっと以前から知っていたけれど、姿を見るのもその歌を聴くのも、このあいだのバンブルビー・クリスマス・ディナーショウが初めてだった上田ケンジさん。そのときに入場者全員にプレゼントしてくれた(これを受けたジャック達の一色さんのMC「僕たちも…プレゼントはできないんですが…、CD持ってきてます」がまた爆笑だったんだけど)、サンプル盤「OK」を、聴く。
そのライブのときも歌ってくれてた、バイオリンの音色が印象的な曲。うん…。なんといっても、声がいい。曲がいい。そして、詞がいい。そうしたらもう、それ以上の何も、要らないよね。
大げさなところも過剰なところも何もないのに、かみそりの薄い刃のように、心のものすごく深いところにすっと届くような歌。ああ、これが上田ケンジさんなんだ。上田さんに近いいろんな人が彼の曲を「暗い」って(もちろん好意的に)言ってるのを目にしてて(笑)、たしかに明るくはないんだけど、とてもキレイな暗さ。静かな夜の闇に、安心して包まれるような。
詞がね、すごくいい。すごく好き。言葉のひとつひとつが、私にはどすんとくる鈍い痛みを持っているけれど、特に「単純に~」から始まるフレーズは、リアルで、醜いのに、とても美しい。こういう言葉を紡げる人を、私は無条件に信頼しちゃうな…。
2月に、この「OK」も入ったアルバム『青』が出るそう。今まで上田ケンジさんのことを何も知らなかった私が、今はその発売をひどく心待ちにしてる。バンブルビーのサイトのインフォメーションによると、このサンプル盤「OK」は、 “北海道から沖縄までもれなく” 全国のタワーレコードで配布されるそうなので、機会があればぜひ手に入れてみることをおすすめ。
*「OK」上田ケンジ