月夜のドライブ

ラブレターバンバン書いて紙飛行機にして 宛てもなく空に飛ばすブログです。▶プロフィールの「このブログについて」をクリックで記事一覧などに飛べます。

青山陽一さん×MAMALAID RAG@下北沢CLUB QUE

行ってきましたー、青山陽一さんのライブイベント「怪しい隣人vol.8」@下北沢CLUB QUE。なんだかここのところ私また青山さんブーム。っていうか、常に好きなんだけど~。だって、ステキなんだもんー。ああ、もう参っちゃうなあ。(何言ってんだ…。)えーと、本日の対バンは噂のMAMALAID RAGですよ。開場ちょっと過ぎてQUEに着くと、平日なのにもうビシッと列できてて、しかも女子度高い印象。これはママレイド・ラグ効果か、はたまたもしや、あのメガネ本効果なのか…?

 

開演時間になり、ソデからグリーンのTシャツ着た青山さんが出てきて、「若くてカッコイイっすよね」とママレイド・ラグを紹介。そして噂のふたり(vo、gの田中拡邦さんとbの江口直樹さん)+サポート2名(dr、kb)が登場~。私は、田中さんが冨田ラボの「アタタカイ雨」(超名曲!)でvocalをとっていたこと以外、彼らのことを音も外見も何にも知らなかったのだけど、ちょちょちょちょっと待って…!田中さん、細っそー。しかも、ルックス、甘ー。少女マンガの主人公みたい…。全体に線が細くて、翳があって、読書好きで友だち少なそうな感じ、すんごいドキドキしちゃうんですけど…。しかもこのルックスで黒のストラトだよ、く~。ヤ、ヤバい、私の「ステキ痩身ミュージシャンリスト」(どんなリストだよ…)にまた新たな名前が加わってしまうのか?意外な展開(いや、こんなビジュアルの人出てくると思ってなかったから…)にイキナリ動揺する私。

 

そのうえ、あの声…だもんね。日本のポップス界が持ち得た、大滝詠一堀込泰行、以来の糖度ではないかと思われる甘いボーカル。言葉が音を離れたあとに残るビブラートのうつくしさ。こんな声を持つ人が、こんなタイプの音楽をやってくれているなんて、奇跡みたい。ママレイド・ラグの音って、聞こえくる噂などから、もっと地味で小ぢんまりした感じを勝手に想像してたんだけど、全然そんなことなかった。曲自体は間違いなく良質で完成度の高い「ポップス」なんだけど、田中さんのギターは耽美的かつどっか乱暴な印象もあって、そのちょっと破綻や混沌が見えるとこが私は好きだったなー。メロディも、美しくねじれた感じがあっていい。と、声にうっとり&ルックスにうっとりしながら、1時間ぐらいでママレイド・ラグは終了。

 

20分ほどの休憩を挟んで、青山陽一さんコーナーへ。登場した青山さん、最初のMCで出てきた時のTシャツを着替えてて、今日は黒のピンストライプの長袖シャツ。ああ、無茶苦茶カッコイイ…。やっぱママラグの田中さんは若い婦女子にお譲りして、私は青山さんについてくことに決定…。で、青山さんはまずアコギを抱える、何をやってくれるのかなと思ったら、「ODREL」。聴きながら、あらためて、この歌詞の色っぽさに倒れそうになる。『恋は消えるけど 言わずにおく代わりに近づいて』…ああ、こんな歌詞を、このメロディにのせて、この声で歌われちゃったら、ダメなんだってばもう…。それからね、これもやっぱりアコギで、だったんだけど、「Come And Go」。ううー何度聴いてもしびれる。この曲さ、ほんと壊れてるでしょ、どっか。静かな音の破れ目から、青山さんの狂気にふっと触れちゃうんだよ、あーヤバい…。熱出そう…。

 

青山さんのギターは、今日も炸裂してた!たしか「Quick Talk」だったと思うけど、後半ギターソロに突入して、そりゃもうとんでもないことになってたよ…。こないだの西村さんのサポートのときに青山さん自身が日記で「最近はエフェクターをあまり使わなくなってきている」と書いていたけど、この飾りっ気のないギターの音、ますます好きだー!っていうか、つくづく、なんて音出してるんだろう、この人…と。目をつぶって聞いてたらゼッタイ、3Lのシャツにサスペンダーの南部のオヤジが太い葉巻みたいな指で弾いてるギターに聞こえる。それが目を開けると、色白細身のメガネ男子だもんね、混乱する(笑)。でもこの混沌こそが青山さんの魅力だなと思うよ。ブルーズのぶっとさ、ソウルミュージックの色っぽさ、アメリカンロックの大らかさ、ブリティッシュロックのヘンテコさ、さらに日本の文科系メガネ男子(←しつこい)らしい繊細さ、すべてを持っていて、そのあらゆる要素が入れ替わっては、音を妖しく波立たせる。こんな人、本当に他にいないんじゃないかな。こんな音楽、他のどこにもないんじゃないかな。青山陽一だけにしか鳴らせない、唯一無二の音楽が、ここにあるんだって強く思う。

 

また、ブルーマウンテンズのアンサンブルがカッコよくってね。千ヶ崎学さんのベースはギターに負けないぐらいの存在感で音をうねらせてるし、伊藤隆博さんのキーボードは、青山さんのギターに呼応して静かなる狂気をはらんで疾走していっちゃうし。そして毎度書いてるけど、中原由貴さんの男気あふれるドラム、つくづくカッコいい!闘争的な太いグルーヴを持ちつつ、ところどころにゆるい風が吹くドラム。好きだなー。もうこの4人(Blue Mountainsは、どのメンバーのときもそうなんだけど)、そんじょそこらのバンドより、よっぽどバンドっぽい。

 

…という感じで次々と、ライブでは久しぶりと思える曲などもまじえつつ青山さんはギターを弾き歌い、あっという間にアンコール。あー「Rainbow」、いい曲だなあやっぱりこれ。で、このあとママレイド・ラグの田中さんを呼び入れて恒例のセッションだったんだけど、これがまた涙モノ…!はっぴいえんど「抱きしめたい」だよー。これは田中さんの選曲だそうなんだけど、田中さんは高校生の頃はっぴいえんどの3枚ばっかり聴いてた、って。(このルックスでこの声ではっぴいえんど好きって…、とそのできすぎなくらいの奇跡のありように、終演後落ち会えたとりりんと散々騒いださ。)40代の青山さんと20代のママラグ田中さんが、はっぴいえんどの曲を演る、まるで日本のロックの系譜をひと目で見渡すようだったなあ。しかも田中さんの声で大滝さんボーカルの曲って…至福。さらに青山さんが選んだというもう1曲はクリーム(おお、マイブームだ)の「I'm So Glad」。これもカッコよかった!ギターキッズ×2の応酬。しかも右も左も痩身ギタリスト、うはー超カッコイイ。

 

…気付けばまた長い記事…。でもさ。あー、やっぱ青山さん大好きだー、ってまた相当思っちゃったんだよ。まあいつもか。本当にいい音楽。こんな音楽が鳴る場所にいられてシアワセ。あ、そうそう12月に出る青山さんのベストは、ライブ音源や新曲(「ちょっとした新曲」ってMCで言って「ちょっとした新曲って変ですね」と自分で笑ってた)も入るらしい、うー楽しみ!

 

実は、この前の日に行こうと画策してたThe SUZUKIのライブに諸事情で結局行けなくて、ちょっと落ち込んでたのだ。でも、手に入らないものばかり嘆いても何もならないものね。私は、せめて私の手の届く範囲にあるものをせいいっぱい好きでいたいな。いとしくてたまらない音がこんなにあるって、シアワセだー!(がしかしまた、12月あたりのライブせめぎ合いで、嘆くに違いないんだけど…。)ああ、いい夜だった、青山陽一さん、MAMALAID RAGのおふたり、ありがとー。

 

 

*大まかセットリスト(青山さんパートのみです)

ODREL
Revival
Come And Go
HORIZON
罪深きグルーヴィー
難破船のセイラー
94
Quick Talk
Tragic Magic Home

(アンコール)

Rainbow
抱きしめたい(with 田中拡邦さん)
I'm So Glad(同上)

 

たぶん、正しいのがすぐに青山さんサイトに出るだろうと思いますが、とりあえず。