月夜のドライブ

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MAMALAID RAG『消えた恋』

画像こないだの吉祥寺では、『ウクレレ ウルトラマン』といっしょにコレ買いました。ちょっと変な組み合わせだけど…。MAMALAID RAG『消えた恋』、マキシシングル+DVDの2枚組。青山陽一さんのライブDVDでも、その存在感の不敵ぶりが記憶に新しい(笑)ボーカル田中拡邦くん。コメントとか、ほんと傍若無人で、イイよね~。謙遜をとりつくろうかポーズだけの反骨止まりの輩が多い世の中で、ソフトでありつつ真に図々しく不遜な感じ、貴重だと思う。(ホメてます)

 

で、とりりんと同じくミーハーなのでDVDから見るわけですが(笑)。ライブでの5曲を収録したコレ、最初にちらっと映る客席が完璧に女子ばっかりなのに驚いたりしつつ(笑)見進めるんだけど、いやーすっごくいい!個人的な好みだけど、一連のレコーディングものよりも魅力感じちゃうかもってぐらい。あ、田中くんのビジュアルが堪能できるからじゃないですよ(笑)。まあそれにもうっとりするんだけど、なんというか、レコーディングものよりライブの方が、彼らのどっか破綻した感じが色濃く出てる気がするんだよね。このバンド(二人組だからバンドと言っていいのかわかんないけど)の、ポップさの裏の禍々しさがすごく現れていて、そこにとても魅かれる。

 

1曲めはアコースティック編成なんだけど、それ以降はバンドセットで、これが静かな凄まじさをはらんだ演奏。2曲め「朝焼け」のイントロダクション、田中拡邦くんとサポートの山田貴巳さんのギターのかけ合いで始まるんだけど、ママラグの一般的イメージより、ずっとソリッドでハード。見事に70年代ロックの風が吹きすさんでる。71年の中津川や72年の天王寺野外音楽堂でこの音が鳴っていても、まったく違和感ないだろうなあ。陰影のあるメロディに田中くんのたぐい稀な声という天性も加わったこの音ったら、なんて深みのあるロックサウンドなんだろう。ただうるさいだけの音をロックだと思ってるミュージシャンには、気の毒だけど、到底届きえない場所にいる。

 

ここに収録された5曲は彼らの幅を見せる役割もしていて、ママラグ初心者の私などはそこにも驚いた。骨太なサウンドがひた走る「朝焼け」、彼らのライブアーティストぶりが味わえるファンキーな「ワトスン」、そして、シュガーベイブなんかを彷彿とさせる良質な王道メロディアスポップ「春雨道中」。このライブDVD見ていると、繊細なイメージばかり届きがちなママラグの、意外なタフネスを感じてグッと引き寄せられる。田中くんの黒いストラトキャスターから放たれる強情な感じの音なんか、オンナコドモに独占させてる場合じゃないと思うよ。

 

いやしかし…マジヤバイですね、田中くんの外見は。(って結局そこかよ!)この少女マンガみたいな奇跡的なルックスに、甘く揺らぐ声と、ソングライティングのセンスを備わせ、そしてギターまで持たせてしまうとは、神様ずいぶん不公平だね(笑)。いやほんと、ビジュアル系の洗礼浴びちゃいそうな危うさはらんだタイプなのに、よくぞ「はっぴいえんどばっかり聴いてた」なんていう人生を歩んでくれたものよ。あとね、田中くんにばっかりつい目がいっちゃうんだけど(いっちゃうのか…)、実はベースの江口直樹さんもジャニ系みたいなカワイイ顔してるんだよね~。途中、たぶんキーボードの人とちらっと目を合わせてシャイな微笑を浮かべるとこなんて、めちゃラブリーっす~。

 

と、私のようなミーハーから、真のロック好きまで魅了するのではないかと思われるMAMALAID RAG。青山さんが彼らといっしょにライブやりたいと思うの、すごく納得いくなあ。並の若さとは一線を画すただならなさ、感じるもの。ギターキッズだしね。

 

*『消えた恋』MAMALAID RAG

 

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