月夜のドライブ

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青山陽一ワンマンライブ@SHIBUYA BOXX

画像青山陽一さんのワンマンライブ@渋谷BOXX。あーもう大満足!なんてことない顔でとんでもないバンドサウンドをぶちかます青山さん&BM's、最高だなー。青山陽一度100%、シンプルにして高密度のこんなワンマンライブ、これからももっともっとやってほしいです。

LIVE/DEADLINES @SHIBUYA BOXX
2006.10.25(wed)
青山陽一&The BM's:青山陽一(vo,g)、中原由貴(dr,cho)、伊藤隆博(key,cho)、千ヶ崎学(b))

 

青山さんもMCで言ってたけど、青山さんの完璧なワンマンライブって実に2年以上ぶり、たぶん2004年の『ODREL』レコ発以来なんだよね。ほんと、待ってました。ゲストとの絡みが毎回おもしろい「怪隣」シリーズや、豪華ゲスト盛りだくさんだった去年のクリスマスライブ(私はDVDで見ただけだが…)みたいなのも楽しいんだけど、やっぱずっと、“今の青山さん&BM'sの演奏を浴びまくりたい!それも豪雨のように!”って願いがあったから…。やーかないましたその願いは。

 

開演時間になり、ステージに入ってくる4人。青山さんは黒いストライプ柄の白シャツ+ブラックジーンズで、言うまでもなく普段着系(笑)。ドラゴンズのタオルを客席に広げて見せながら入場してました(演奏中汗を拭くのにも使用)。真ん中後ろにドラムの中原さん、向かって左にキーボードの伊藤さん、右に千ヶ崎さん、という位置取り。それにしてもあらためて、超シンプルな編成。

 

最初は「Jamparica」、インストからライブが始まるのって外国のバンドっぽくて(←大ざっぱ)カッコイイー。引き続き「ジャガーの爪」、MCはさんで「Seven Deadlines」と、新譜からのナンバーをガツンと演奏。アルバムでも感じたことだけど、今回のこのBM'sの編成、シンプルなだけにやっぱ伊藤さんのキーボードの存在感をものすごく感じる。いろんな曲のいろんな場面で、伊藤さんに目を奪われちゃったもん。あの淡々と冷静な弾きっぷりからめっちゃファンキーで熱い音が出てくるのも、いつもながら見てて可笑しい(笑)。中原さんのドラムも相変わらず男らしく。千ヶ崎さんのベースも相変わらず腰にクル感じで。

 

と思ってたら、ここで不意打ちに(って私にとって、ですが)「Cherry Blossomは今」のイントロ…!うわ、心の準備できてない…!でもあとから思ったんだけど、青山さん早いとここの曲やっちゃって、心の荷を軽くしたかったのではと(笑)。やっぱステージでギター弾きながら歌うのにはすごく難易度の高い曲だと思うから(というかアルバムのバージョンがあまりにも完璧すぎるんだね)。でも、初めてバンドでナマで聴いたこの曲、やっぱりよかった。伊藤さんのうつくしいハモンドの音、青山さんのあやうくせつないボーカル、中原さんの素晴らしいコーラス、千ヶ崎さんのあの印象的なベース。アルバムで聴くよりも後半もっとロックに激しく展開してって、ライブならではの凄みがあった。そして、この曲のあいだじゅう難しい顔してた青山さんが、次のおなじみの「罪深きグルーヴィー」に突入したとたん、晴れ晴れと気楽そうに演奏し始めたのを見て、“あ、やっぱり「Cherry Blossomは今」は青山さんにとっても難関だったのか”(笑)と思ったのだ(あくまで私の勝手な感じ方ね)。「罪深きグルーヴィー」の後奏では青山さんと伊藤さんのフェイクっぽいやりとり(青山さんのギターフレーズを伊藤さんがキーボードで返す)も聴けて楽しかった!

 

この日はもちろん『DEADLINES』からの曲が中心だったんだけど、最近のライブではあまりやってない過去の曲も。「怪しげな恋」なんて、珍しい~。つくづく青山さんのメロディだなーなんて思いながら聴く。で、この曲が終わったあとのこと。中原さんのめっちゃ戦闘的なドラムのイントロ(たぶん「Blind Touch」)がドドドドッと入ってきたと思ったら青山さんが振り向いて演奏が止んだので、青山さんがギターのセッティングできてなかったのかなーと見ていると、中原さんが小さい声で「すいません…(笑)」、青山さん可笑しそうに「中原、緊張しております(笑)」と。なんと、中原さんが曲まちがえちゃったみたいでした(笑)!で、実際そのあと始まったのは、中原さんのカウントで「Come And Go」。うはは、曲調全然ちがうじゃん(笑)!しかも青山さんのギターもアコギ(「Come And Go」)とエレキ(「Blind Touch」)でちがうし、なんでまちがえちゃったのか謎(笑)。あー中原さんおっかし~、最高にキュートでした。

 

それにしても1曲ごとの演奏の密度がすごかった。今回のアルバムについて「史上最少の音数で」「シンプルなつくりですが情報量はスゴイ」「一回聴くと地味かな~、なんて言う人も…いたとして(笑)、その人はもう少し聴いたほうがいいですね」という青山さんのMCがあったんだけど、ライブの演奏もまさにそのとおり。たった4人で演っているということを忘れてしまうほどの濃さ。たとえば、あれだけブラスの入ってる「休符を数えて生きるのは」とか、ペダルスティールやフルートの印象が強い「難破船のセイラー」でさえ、それらの音が入っていないことに「足りなさ」を感じさせない。これって、実はものすごく大変なことだと思う。今の4リズムのBM'sの力量と自信を感じる。「Blow Wind Blow」なんかは、アルバムよりも風圧増してたね、徐々にじゃなくて最初っから吹き飛ばされそうだった。「Blind Touch」のドうるさい演奏も最高、間奏のドラムのカッコイイこと。「Black Taxi」ではソロを絡めたメンバーの紹介があったんだけど、千ヶ崎さんのいつ果てるともないブイブイ熱いベースソロ、おっかしかったー。

 

それにしても青山さん、楽しそうにギター弾きまくってたなーーー!青山さんがギターを弾いてるところ見るのはこっちもホント楽しい。いろんな曲でいろんな表情のギターを弾いていたけど、やっぱり圧巻は「Quick Talk」!伊藤さんのキーボードのイントロ(大好き!)で毎度「キターーーー!」って興奮、そっから本編を経て、のち竜巻に巻きこまれるような展開がいつも見ものだけど、この日の「Quick Talk」はまたひと味ちがってた。本編のあと、とろ~んと演奏がゆるく色っぽくなるとこ、いつもより甘さが増してる感じで恍惚。青山さんのギターもなんだかジェリー・ガルシアのようで。そこから青山さん×伊藤さんの掛け合いが徐々に密になってきて、ドラム、ベースとともにいつのまにかとんでもないテンションにまで駆け上がっていくその様がおそろしい。ああ、すげーバンドだな…。この曲、この日も10分以上演ってたと思うけど、もうこうなったら20分でも30分でもやってくれて構いません。こんな演奏なら、いくらだって聴きたい。

 

と願うものの、ものにはやはり終わりがあるもので、「Quick Talk」でライブ本編は終了。そのあとアンコールに応えて3曲、さらに再アンコールで「Starlab」!これ、すごく聴きたいなーと思ってたからうれしかった。この日は個人的に旧譜のナンバーで「これが聴けたらな」と思っていたもの---「罪深きグルーヴィー」「Come And Go」「難破船のセイラー」「Quick Talk」「Staralab」---が全部聴けて大満足。♪Star~lab~♪のところは私もいっしょにコーラスしてみました(笑)。

 

青山さんの、日本シリーズが気になって仕方ない様子のMCもおかしかったし(「北海道に応援の風を送るつもりで『Blow Wind Blow』を演ります」には笑った)、すべての曲につき、もれなく駆け巡る感想があるんだけど、さすがに書ききれない…。

 

ライブ見ながらひとつ痛切に感じたのは、真に耳を傾けるべき価値のある音楽を、こんなに真っ当な形で鳴らせるバンドって、実は数少ないよなってこと。これだけの高度で濃密な音をさらっと繰り出せる、青山さん&BM'sの途方もない実力。そして、商業音楽の世界で(少なくとも今の日本では)主流とはいえないこういう貴重な場所を、青山さんがカラダを張って守っているということ。なんか、そんなことにまで思いを馳せてじーんとしちゃったワンマンライブでした。東京1回きりじゃ、ほんとにもったいないなー。そして東京でもまたぜひ、この完全ワンマンをお願いします!

 

*大まかセットリスト

01. Jamparica
02. ジャガーの爪
03. Seven Deadlines
04. Cherry Blossomは今
05. 罪深きグルーヴィー
06. 怪しげな恋
07. Come And Go
08. 夏らしい
09. Blow Wind Blow
10. Blind Touch
11. Black Taxi
12. 難破船のセイラー
13. 休符を数えて生きるのは
14. 吉祥寺デイズ
15. Quick Talk

(encore1)
16. 月曜のバラッド
17. Great Questions
18. Gone

(encore2)
19. Starlab