月夜のドライブ

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西村さんのライブの記憶、そしてグランドファーザーズへの超個人的つぶやき

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(レコ発ライブにブッ倒れ記の続き)

終わらないでほしい…って、ライブの真っ最中にあれほど思ったこともないかも。西村哲也さん、青山陽一さん、大田譲さん、そして夏秋文尚さん、伊藤隆博さんというメンバーの音が、すぐに手の届きそうな場所で鳴っていた、その只中。今の私に考え得る最高のメンバーが集まって、最高の音を出している、そんなほとんど奇跡みたいなことが、目の前で起こってるんだもん。どうやっても、(たとえ録音や録画をしたとしても、)今私が体験しているとんでもないデキゴトを、同じように再びなぞることは、不可能。今この瞬間にしか存在しない時間、音、空気。少しもつなぎとめてなんておけない物。なんてゼイタクで、なんてせつないんだろう、ライブってね。もちろん、さめるから、夢は貴くて。さめるから、夢は次もあるんだ。きっと。

 

こんなライブも、あるんだな…。ため息。

 

バカ長い記事たちを読んでくれたりコメントくれたりした人、ありがとうね。自分でもあきれるほどこんなに参っちゃってるのは、私の特殊事情によるところも多分にあるのだとは思う。うん、15年前リアルタイムでグランドファーザーズのファンだったというのは、どちらかというと特殊事情に類するよね、少なくとも一般的ではない…。

 

そんな私が、何よりぶっ倒れたのは、彼らの音楽に、ひとつも懐古的なところがないことだったんだ。「あの時代のグラファンよかったなあ」なーんて、このステージにいる誰ひとりとして、きれいさっぱり思っちゃいない!そのことが、私はうれしくてうれしくて。だって、でも、そうだよね。今の西村さんと、今の青山さんと、今の大田さんと、今の夏秋さんと今の伊藤さんがそこにいたら、どこに過去が入り込むスキがあるだろう?

 

伊藤さんのことを紹介するのに、青山「伊藤くんは再結成のときからだよね」 西村「…といっても、それも結構前ですけどね(笑)」 青山「再結成、何度もしてますからね」 西村「今日もまあプチ・再結成のような…」 という会話があったんだけど(笑)、現在に居場所のない人たちが仕方なく過去に身を寄せ合う「再結成」や、名声をお金に換金するための「再結成」とは大違いで(あ、グラファンはそもそもの名声が……)、彼らをつなぐのは「過去」でも「金」でもなく、ただひたすら「今ここに鳴っている音楽」なんだよ。ああ、なんという潔さ。

 

そう、グラファンのことなんかひとつも知らなくても全然いいんだ。今彼らが鳴らしてる最高の音を聴けば。だって、そこにグラファンは入ってるから。

 

…と、書いて、泣きそうになった。…そうだ、そうなんだ。私の大切なものが、今でも彼らの中で「生きてる」のを見たから、私、あんなに感動しちゃったんだ。ピンで留められて標本箱にしまわれてるんじゃない、捨てられちゃったんでもない、今でも彼らの中で、リアルに羽ばたいてる「グランドファーザーズ」を見たから。そうだ、生きているものを懐古はできないものね。ああ、そうなんだ!

 

不思議だなあ、グランドファーザーズってバンド。そう考えると、ちっとも終わってない気がするよ。いつどんなときでも、青山さんと西村さんと大田さんが集まれば、そこに、そのときの彼らによるグランドファーザーズが、いやおうなしに生まれてしまう気がする。とっくの昔に解散したのに、メチャ現役バンド。

 

そしてその仮想「グランドファーザーズ」が、ノスタルジックな同窓会でなく、いつでもリアルタイムに現在と切り結ぶ音を出し得るバンドであるのは、もちろん、彼らの今の場所であるソロやカーネーションで、彼らがひりひりするぐらいの、身を切るような闘いをしているからこそ、なんだ。

 

なんだよ、やっぱ大好きだよ、グランドファーザーズ!すげー好き。昔も。今のほうがもっと。

 

 

(こんな超ひとりごと、読んでる人…いないよねえ…。えーと、次は爆笑MC篇に続く予定!って、いつまでやるんだ…。)