月夜のドライブ

ラブレターバンバン書いて紙飛行機にして 宛てもなく空に飛ばすブログです。▶プロフィールの「このブログについて」をクリックで記事一覧などに飛べます。

「なんちゃってブルースセッション」を見に行った

画像

昨夜行ってきました、「Root is One~なんちゃってブルースセッションVol.1」at渋谷クロコダイル。青山陽一さんと、青山さんの事務所の社長である林敏明さんの主宰によるイベント。(であるとともに個人的には“とりりんと初夏のおでかけ”シリーズ第5弾。)いやもう、取り乱すほどスゴイ夜だった。ポイント多すぎてちゃんと書こうと思うと永遠に書けないのでとりあえずメモ。(…と言いながら、長くなっちまったよー。)

 

昨日の私はなぜか、福生→渋谷クロコダイル、というルートをたどる。なんかロックな感じでしょ。なんて、単に昨夜は子×2の預け先を、実家(福生)の私のチチにした、ってだけの話なのだが。父の日のプレゼントが子守りかよ!と自分ツッコミしつつ…。いやしかしですね、元福生市民かつ元ナイアガラーのひとりとして、福生駅から電車に乗って、あの「福生ストラット(『Niagara Moon』ね)」を叩いてる林立夫さんを見に行くなんてことが、自分の人生に訪れるとは~~~。なんだかよくわかんないけど途方もなく感慨深いぜ!

 

というわけで着きました渋谷クロコダイル。私は初めてのクロコ。並んでいると、リハを終えてお茶だかメシだかのために(開場~開演まで2時間あったからね)外に出てくるミュージシャンたち…高樹さん、直枝さん、中森さん、鳥羽さん、などなど。この時点でもう目まいを感じる私…。中に入ると、用意されていた席がステージからほんの3メートルぐらいの近さ。さらに気が遠くなる。そしてステージ脇の変な場所にあるトイレに行くのに、出演者用テーブルにいる青山さんの背中をすり抜けていかなくてはならない。ぶっ倒れそう、どうにかして…。その、既に失神しそうなシチュエーションの2時間を、とりりんとのバカトークで何とかやり過ごすんだけど、通路脇の席だったんでそのあいだにもひっきりなしに通るわけです、おそるべきミュージシャンズが。とりりんと「人生最接近!」のため息を連発。

 

店内のモニターでは、ブルースを追ったドキュメンタリー映像がずっと流れてた。で、20時になり青山さんが出てきて開演の挨拶~。青山さん、今日は“プロフェッサー・ロングヘアー”のTシャツですぜ。って名前しか知らないが。そもそも「ブルース」と言われても、私のような洋楽オンチにピンとくるはずもなく、がしかしそんな人のための「なんちゃって」なのだよなあと勝手に解釈して楽しむ。いや実際楽しかったぁー。以下、印象に残ってるとこだけひたすら羅列。

 

■「進行表」

この日のイベント、3つぐらいのユニットに分かれてやるのかな?と勝手に想像していたらそうじゃなくて、曲ごとにミュージシャンがごそっと入れ替わるのだ。青山さんが進行表見ながら「えーと次は…ギターは鳥羽さんと中森さんですね、出てきてください。ドラムは…あ、そのままですね。あ、あと真城さん、コーラス入ります」とか、遠足の点呼状態。演るほうは大変そうだったけど、見てるほうはすんごいおもしろかった。

 

■「ギタリストが…」

昨日、ギター持ってた人、いったい何人いたんだろう。青山さん、鳥羽さん、中森さん、直枝さん、キリンジ高樹さん…。もう書くだけで鼻血出そうな人々。そのプレイをひとりひとり間近で見てしまった。クラクラ…。個人的には、生で見たことなかった(なかったんだよなあ)鳥羽さんのギターを味わえて、すっごい感動。クレイジーで重い音。

 

■「ドラマーが…」

ステージにはドラムセットが2つあり、ほぼ常にツインドラム状態。そのドラマーたるや…上原裕さん、林立夫さん、林敏明さん、中原由貴さん。ああ、ココナツ・バンクとティン・パン・アレイとハックルバックのドラマーをいちどきに見る機会が人生に一度でも訪れようなんて、思いもしなかったですよ…。現在、青山さんの事務所の社長である林敏明さんは、ものすごく久しぶりにドラムを叩いたそうだけれど、いやー昔取った何とかも、あのレベルになると恐ろしいものがある。そしてその歴史上の人物みたいなとんでもないドラマー相手に叩いた女性ドラマー中原由貴さん、またしてもエラすぎです。ほんと男前な叩きっぷり。カッコよかったー。

 

■「並びが…」

“チッチ&クック”という怪しげなユニットを組んで登場したのは加藤千晶さんと久住昌之さん。「コンニチハァ、クックデース」と怪しげな日本語で通すふたり。そしてそのときのバックが、鳥羽さん、大田さんだったんだよね。何か右から鳥羽・大田、そして久住と並んでいる図が意味もなくスゴ味があって、とりりんとひそかに大ウケ。いや右2名は元同じバンドなわけですからウケることもないんですが…。

 

■「直枝さん」

直枝さんは、サラッと登場して、青山さんのギターを借りて1曲、それからギター持たずに1曲、歌った。直枝さんはバッキングでの登場はなく、出番はこの2曲のみだったと思う。自分のライブじゃないからMCも少なかったし、ちょっと表情が硬い感じもあったけど、歌うとさすがの色気と迫力。そしてね、このときのバックギタリストが中森さんと、あと鳥羽さんだったんだよねー。なんだか、勝手に、すごくじーんとする。

 

■「高樹さん」

そういえばこの日の客席は「ブルース」な割には意外なほど女性率が高かったのだけど、それもこの人の仕業か、のキリンジ堀込高樹さん。最初バッキングで出てきたときは、ほとんど喋らなくて仕事人に徹している感じだったけど、後半自分のボーカル曲の番になると、「初め、マイケル・ジャクソンの『ビリー・ジーン』をブルースアレンジでやってみようかなとか青山さんに言ってたんですけど、今日見ていて“やらなくてよかった~”と思いました」と、高樹節で会場を爆笑させてた。実際演ったのはスティーリー・ダンだったのですが(ゴメンナサイ曲名わからず)、いったん音鳴らし始めると、やっぱメロメロ…。青山さんとの、煽り合うようなそして会話のようなギターバトル、カッコよかったなあー。

 

■「長見順(fromパンチの効いたブルース)さん」

この日、私がいちばんキたの、彼女かも!っていうぐらい、とてつもなくスゴかった~。こういう、無駄に迫力のある女性って好きだー!「パンチの効いたブルース」って、グループ名なのやらいまだにわからないのだけど、ともかくもブルースを生業としている方のようで、いや~カッコよかった!すんげーギター弾くんだよ、ほんと。顔つきからアクションから喋り方から、一般的ではないパワーがあふれていて、よかったなあー。このときのベースが湯川トーベンさん(初めて見たよー)で、彼がまたヤンチャな小僧みたいでイカイカす。青山さん上原ユカリさん、あと誰だったろう、とにかく音ももんのすごく腹にクる感じでスバラシ。すげーもん見た。

 

■「中休みのビデオ」

あーそうだ、途中30分ぐらいの休憩時間があって、モニターで流れたビデオに私ととりりん(と会場)はまたブッ飛んだ。ハックルやティンパンの映像~~~。茂王子弾きまくる、細野さんもベース弾いてる、吉田美奈子さんは小坂忠さんとコーラスしてる、松任谷正隆さんも浜口茂外也さんも…そして、林敏明さんの若き日の映像もそこにあり、あとで湯川トーベンさんに「使用前・使用後みたい」とツッコまれてた。うーん休憩時間なのにビデオがスゴすぎて休憩にならねー。

 

■「青山さん」

いろんなミュージシャンが入れ替わり立ち替わる中、ほぼ出ずっぱりでギター弾き続けてたのが青山さん。「すいません、チューニング変えますんで」といろんなチューニングを駆使し、ボトルネックとかもバリバリ弾いてて、あーカッコよかったなー…。ギター弾いてるときの青山さんのシアワセそうな顔、鳥羽さんや中森さんや高樹さんや大田さんにチラッと視線を送るときの子どもみたいなイタズラっぽい表情、を見ると、ひたすらうっとりしてしまう…。

 

 

んがー。思いつくままに書いてたら、なんだこの記事の長さ~、曲名のひとつもないくせに。でも、これでも全然書ききれてないんだよ、「ぼくがいちばん“なんちゃって”ですね」の神森徹也さんとか、マイペースにノッテいた、トリの佐藤博さん(この方は「Happy End Parade」ライブのときもそんな調子だった記憶)とか、全体にイロドリを与えまくってた真城めぐみさんとか、鹿島達也さんのベースとか…。

 

好きなミュージシャンをこれだけ見られたってだけで私はもう満足ですが、その音楽も、すっごく楽しめて自分でもうれしかった。ミュージシャンたちの、とりわけ、これだけの人数をまとめるという面倒を買って出た青山さんの、音楽への深い愛情を感じたなー。青山さん、林さん、そしてミュージシャンのみなさんにしみじみアリガトウな夜でした。終演は23時を回り、もう人影も少ない原宿を急ぎ足で歩く(何しろ福生まで帰らなければならない)私は、あまりのデキゴトの濃さにずっとコーフン気味だったのだ。

 

 

*「BLUES MASTERS VOL.6」探したらわが家にもRHINOのブルースのコンピレーションCDがあったよ。ソニー・ボーイ・ウィリアムソン、マディ・ウォーターズハウリン・ウルフ、オーティス・ラッシュ、…なるほど。これからの人生でのほうがより楽しめそうだよね。ムフフ。