その頃付き合ってると周りに思われていた(それは誤解で、私には他に好きな人がいたし私がその後本気でヤツのことを好きになったときには彼には結婚を約束している高校時代からの彼女がいることがわかった、まあ本題には何の関係もない話だが)オトコが大学のクラスメートにいて、彼が忙しがり屋だった。音楽スタジオの店番のバイトが忙しいのだと、よくため息をついていた。やがてため息は彼の通学時間も学業時間も私とお喋りする時間も軽く追い越し、3年生の時彼を留年させた。
大学を出て私が勤め始めた会社は事実忙しかったので、周りはみんな忙しがるオトコばかりだった。忙しさを綺麗なシャンパングラスに注ぎどこまで高く積めるかを神経質に競っていた。地下一階のドラッグストアで「モカ内服液」なんか買って飲み干しながら。
シャンパンタワーは蹴っ飛ばせ、だった私があろうことか、徹夜明けだっていうのに昨日はO大今日はS大明日はN大で仕事、とため息をついて期間限定オイソガ氏。昨日の昼食はウェンディーズ今日はマック、このぶんじゃ明日はモスかケンタだな。