月夜のドライブ

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【あとからメモ】ナイロン100℃ 44th SESSION 『ちょっと、まってください』 @ 本多劇場

(主にその日のツイートを中心にまとめたものを自分メモ用にあとからアップ。2022年04月)

 

ナイロン100℃ 44th SESSION『ちょっと、まってください』
2017年11月10日 (金) ~2017年12月3日 (日)
下北沢 本多劇場
全席指定:6,900円(税込)
作・演出: ケラリーノ・サンドロヴィッチ
出演: 三宅弘城大倉孝二みのすけ犬山イヌコ峯村リエ村岡希美藤田秀世 / 廣川三憲 / 木乃江祐希 / 小園茉奈 / 水野美紀 / 遠藤雄弥 / マギー

 

 

本多劇場の初日(11/10)と千穐楽(12/3)に観劇。

 

【11/10】

ナイロン100℃『ちょっと、まってください』初日観てきた!ネタバレは書きませんが、スゴかった!何が起きてるか全然わかんなかったし全部観終わってもわかんない!観たことないホン、その先があるとも思ってなかった方向に振り切った芝居! そっちは危険が多そうだし掘ったとしても行き止まりっぽいしなーと誰もが思う場所を、ガシガシ掘り進むKERAさんの果敢さに本当にびっくり。そこ行く!?そんなに行く!?そんなことできるのもナイロン100℃という頑丈なドリルあってこそなんだよなあ…!役者全員に感嘆の拍手、特にマギーさん!とにかく凄!

 

【12/3】

『ちょっと、まってください』東京千穐楽観てきたーっ。なんと、今日は最前列で!このあいだは舞台の全体像を見れて、今日は役者さんの表情や動きをダイナミックに感じられて、よかったなー。凄い役者に支えられた凄い芝居だ、つくづく。

 

最初に観たとき「KERAさん果敢だ」と思い、その後MONOの土田さんも「勇気あるなあ」とツイートしてらしたので、ですよねですよねと勝手に頷いてたのだけど、二度目観てもやっぱりKERAさんの果敢さにため息ついた…。不条理劇、というのがどんなのかきちんと知らないんだけど、たぶん入口も行き方も無限にある「自由さ」の中で(最初の感想の繰り返しになっちゃうけど)そのときどきにあの選択肢を選ぶことのできる勇敢さが凄い。劇中に勇者出てきたけどKERAさんが勇者だよホント。

 

例えば絵葉書を巡る兄と妹のやりとりは超絶面白く、それがいざなう劇世界の展開にその後ゾッとするほど驚くことになるんだけど、芝居を2回観たあとでさえ、あれをもし脚本だけで読んで面白いと思えるか、驚けるかは私自信がない。それをKERAさんは、芝居になる前どころか入口も道もないときから、ここを掘り続ければあの面白さと驚きに到れると信じて筆を進められるんだものな…途中の道のり絶対引き返したくなりそうなのに。勇気の後ろ盾はやはり経験なのかしら。無謀さもちょっとは手助けしてるのかしら。

 

最初の感想の繰り返しになっちゃうけど、見惚れるのはKERAさんの手にしているナイロン100℃という武器の強靭さと、それへのKERAさんの信頼よね…。今回なんてベースは大変クラシカルなお芝居で、それを当たり前にできてこその「変な感じ」。つくづく腕がいい役者達…。廣川三憲さんがそこにいてくれる安心感、も、いつもとてつもない。誰の何がと言えないほど役者さん全員が素晴らしい芝居だったけど、とりわけマギーさん、たまらなかったな。圧倒的な可笑しみの中の何ともいえない哀しさ。『祈りと怪物』のアリストにもまた会いたくなった。