月夜のドライブ

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【あとからメモ】『風街レジェンド2015』 @ 国際フォーラム ホールA

(主にその日のツイートを中心にまとめたものを自分メモ用にあとからアップ。2022年05月)

 

松本隆さんの作詞活動45周年を記念するコンサート。私は、2日間あるうちの初日、8/21のみ参加。

 

松本 隆 作詞活動45周年記念オフィシャル・プロジェクト 風街レジェンド2015
2015年8月21日(金) 開場18:00/開演19:00
2015年8月22日(土) 開場16:00/開演17:00
東京国際フォーラム ホールA
全席指定 ¥12,000(税込)*風街グッズ付/未就学児入場不可

 

国際フォーラムでの風街レジェンド2015。もー、私のような青春を送った者にとってはとんでもない時間空間だった!セトリをきちんと確かめていないけれど、はっぴいえんどで始まり~70・80年代ヒットパレード~ナイアガラ~茂さん~レジェンドヒット曲~はっぴいで締め、みたいな構成だったと思う。はっぴいは無論だけど、私的クライマックスは真ん中のナイアガラ部分で…。

 

特に、私が行った一日目だけの登場だった鈴木雅之さんの「Tシャツに口紅」「冬のリヴィエラ」、そこから稲垣潤一さんの「バチェラー・ガール」「恋するカレン」という流れがたまらなかった。全部シングル盤持ってるもん…。稲垣さんが「僕の歌は大滝さんに似ていると言われることがときどきあって、それは東北出身の鼻濁音のせいかもしれない」という話をしてから歌った「恋するカレン」が感慨深くて…。私が大滝さんに魅きこまれたはじめの曲が「恋するカレン」だし、そこから先今まで続くすべての始まりだから。稲垣潤一さんが歌う「恋するカレン」って、ベストな人選だと思ったな…。大滝さんもきっと、うれしかったと思う。稲垣潤一さんの「バチェラー・ガール」のこと、その松本さんの詞のこと、は前に別のブログに書いたことがあるけれど(バチェラー・ガール)、この詞が、モニターにすごく素敵なあしらいで連ねられて、それもまたきゅーんときちゃった。

 

そういえば鈴木雅之さんの「冬のリヴィエラ」聴きながら「皮のコートのボタンひとつ とれかけてサマにならない」って歌詞をここに入れてくる松本さんってすげえなあ…とあらためて思っていたのだよね。ここ、譜割りもヘンテコ(はっぴいを思わせる)だし。歌えてしまう森進一さんもすごいよな、とか…

佐野元春くんがはっぴいを従えて(!)歌った「はいからはくち」も、大滝さんへのリスペクトにあふれていてよかったなあ。佐野くんは「歌唱法の開拓者」として、ただしく大滝さんの系譜を継ぐロックンロールシンガーだなあとあらためて思った。

 

きらびやかな出演者にもクラクラしたけど、そのほとんどのバッキングをつとめた風街ばんどのしなやかで闊達な演奏にほんとマイッた。いろんな音が賑やかに出入りしてそのときどきの風景をつくって、バンド自体がひとつの“街”みたいだったなー。林立夫さんと山木秀夫さんのツインドラムとか!なんという贅沢な!今剛さんと松原正樹さんのツインギター吉川忠英さんのアコースティックギターとか!すごすぎて息とまる!バンマス井上鑑さんのキーボードとやわらかい微笑みにノックアウト…。はー…。今さん松原さんが、寺尾聰さんの「ルビーの指環」のとき寺尾さんのそばに来て仲よくしてたのもカワイかった(笑) 。中学時代寺尾聰の大ファンだった私、歌詞カードで飽くほど名前を眺めライブの新聞記事をいいなーと憧れてた寺尾さん+パラシュート、を30年も経って目の当たりにするとは…。パーカッションの三沢またろうさんがまたドキドキのカッコよさだったわー!ノースリーヴでムッキムキの二の腕も惜しみなく(キャーキャー)、とりわけ80年代ヒット曲で映えるド派手なパーカッション!「東京ららばい」とか聴きモノでした。あの頃っていろんなアレンジの面白い曲があったんだねー。

 

風街ばんどといえば…「君は天然色」のイントロ、完全再現は鳥肌が立ったな…。各楽器の音出しがまばらに聴こえる中、あの、ドラムスティックのあざやかなカウント音!うわーっ…。後半のバンド紹介のインストゥルメンタルパート(スピーチバルーン、カナリア諸島にて)は、そこに無い詞が無いはずなのにまざまざと立ち現れて、インストゥルメンタルでありながらどうしようもなく「松本隆」だった。なんて見事な…とため息が出たよ。

 

すばらしい歌い手とミュージシャンによって4時間近くひたすらナマの「松本隆の詞」を浴びて感じたのは、たとえば「三枚の写真」「木綿のハンカチーフ」「ルビーの指環」といった曲に代表される、松本さんの詞の時間の超えっぷり。それらの詞にこめられた時間の長さと物語の密度に、あらためて驚愕。「昔はよかった」とはほとんど思うことがないしそういう言い方も嫌いなのだけれど、松本さんのように長い物語を紡ぐ詞が(特にヒット曲の中に)今はあまりないことだけは、ちょっと寂しいなと思ってるのです…。松本さんの詞ぐらい「時間」を内包した詞を、もっと聴きたいし読みたい。

 

風街Tシャツは、グレーの「ガラスの林檎」柄を買ったのだけど、いつ着ようかなどこで着ようかな。もれなくあの日の吉田美奈子さんの、圧巻の「ガラスの林檎」を思い出すというすてきなオマケつき。

 

2015年8月21日(金)公演 セットリスト
風街レジェンド公式サイト(https://takashimatsumoto50.com/legend/)より。8/22(土)はまた別のセットリスト。

No.「TITLE」/ARTIST(オリジナル)
1.「夏なんです」/松本隆細野晴臣鈴木茂はっぴいえんど
2.「花いちもんめ」/松本隆細野晴臣鈴木茂はっぴいえんど
3.「はいからはくち」/松本隆細野晴臣鈴木茂佐野元春はっぴいえんど
4.「木綿のハンカチーフ」/太田裕美
5.「てぃーんずぶるーす」/原田真二
6.「タイム・トラベル」/原田真二
7.「シンプル・ラブ」/大橋純子
8.「ペイパームーン」/大橋純子
9.「三枚の写真」/石川ひとみ(三木聖子)
10.「東京ららばい」/中川翔子中原理恵
11.「セクシャルバイオレットNo.1」/美勇士(桑名正博)
12.「ハイスクールララバイ」/イモ欽トリオ
13.「赤道小町ドキッ」/山下久美子
14.「誘惑光線・クラッ!」/早見優
15.「菩提樹」/鈴木准、河野紘子(フランツ・シューベルト
16.「辻音楽師」/鈴木准、河野紘子(フランツ・シューベルト
17.「君は天然色」/伊藤銀次杉真理大滝詠一
18.「A面で恋をして」/伊藤銀次杉真理佐野元春NIAGARA TRIANGLE vol.2
19.「Tシャツに口紅」/鈴木雅之ラッツ&スター
20.「冬のリヴィエラ」/鈴木雅之(森進一)
21.「バチェラー・ガール」/稲垣潤一
22.「恋するカレン」/稲垣潤一大滝詠一
23.「スローなブギにしてくれ(Iwantyou)」/南佳孝
24.「ソバカスのある少女」/鈴木茂南佳孝
25.「砂の女」/鈴木茂
26.「しらけちまうぜ」/小坂忠
27.「想い出の散歩道」/矢野顕子アグネス・チャン
28.「ポケットいっぱいの秘密」/矢野顕子アグネス・チャン
29.「Woman“Wの悲劇”より」/吉田美奈子薬師丸ひろ子
30.「ガラスの林檎」/吉田美奈子松田聖子
31.「バンド紹介(スピーチバルーン、カナリア諸島にて)」/風街ばんど(大瀧詠一
32.「卒業」/斉藤由貴
33.「September」/EPO竹内まりや
34.「さらばシベリア鉄道」/太田裕美
35.「ルビーの指環」/寺尾聰

EN1.「驟雨の街」/松本隆細野晴臣鈴木茂
EN2.「風をあつめて」/松本隆細野晴臣鈴木茂+全員(はっぴいえんど

▽風街ばんど
井上鑑音楽監督・Key)、松原正樹(G)、今剛(G)、吉川忠英(A.G)、高水健司(B)、林立夫(Dr)、山木秀夫(Dr)、三沢またろう(Per)、比山貴咏史(M.Cho)、佐々木久美(C.Org)、藤田真由美(F.Cho)、山本拓夫(W.W)、金原千恵子(Vl)、笠原あやの(Vc)