月夜のドライブ

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喜劇「バロン七つの大罪」 @ 浅草見番

 

ボードビリアン・バロンさんの喜劇「バロン七つの大罪」、全6回公演のうちのラスト回を観てきました。ホンットに楽しかった!バロンさんがすでにtwitter(@baronkzw)で「再演します」と宣言してくれているので、ネタバレしない程度にちょこっと感想メモ!

 

喜劇「バロン七つの大罪
日程:
9. 9(金)19:30−
9.10(土)14:00−/18:30−  (昼/夜2ステージ)
9.11(日)14:00−/18:30−  (昼/夜2ステージ)
9.12(月)14:00−      
(全6ステージ)
会場:浅草見番
出演:バロン|ジョーダン|田ノ岡三郎|宮坂洋生
スタッフ:
舞台監督 亘理千草
照明   若井道代(ライティングユニオン)
音響   高橋ヒロシ(雷サウンド
衣装   武田繭(着物製作)
企画:世界一周楽団
前売開始:7月18日(月・祝)
料金:前売り・予約2,500円|当日3,000円(全席自由)

 

(月ドラには書くのサボったままなんだけど)バロンさんのやっている「バロンと世界一周楽団」の出演するライブ(「夕やけハミングSHOW」)を、とある縁があって初めて観たのが5月のこと。そのときにもうバロンさんの歌やパフォーマンスにすっかり魅了されてしまって!バロンさんはソロでもユニットでもいろいろな公演をまめにやっているのだけど、私のほうでなかなか伺うチャンスがつかめず、今回はやっと!の機会。

 

今回の公演は「第2回したまち演劇祭in台東」の参加プログラムで、会場が浅草見番(けんばん)というところ。なんと、ふだんは浅草の芸者さんたちの運営業務やお稽古などに使っている建物とのことで、見た目もレトロなら、中の会場もどーんと横長の畳の大広間に座布団ずらり、といった趣。わーーー(・∀・)!

 

私はバロンさんを見るのもたった2回めだし、ボードビルっていうジャンルのこともよくわからないし、場所も慣れない浅草だし…で、最初はやや身構えつつ臨んだんだけど、幕が開いたら、もーひたすら笑って笑って、ほうーと感心して、折々すげえ!と拍手して、また笑いに笑って、そしてちょっぴりホロリとさせられて、あっというまの2時間(あんな熱演を2時間も!)だった!

 

このプログラムの説明が私にはうまくできないんだけど、バロンさんのサイトにある文章「音楽から生まれる喜劇、喜劇から生まれる音楽、歌、マイム、コント、ダンス。」「老若男女楽しめる ボードビルフォーエバー。」が、ああ、まさにそのとおり!たとえばバロン&ジョーダン(世界一周楽団のメンバーでもあるかなりヘンテコなカナダ人)による、オーソドックスな泥棒のコント(子どもから大人まで大爆笑、特に子どもの喰いつきハンパなかった!)を見てて思い浮かぶのは、ザ・ドリフターズだったり、クレイジーキャッツだったり。さらにその喜劇が、田ノ岡さんのアコーディオンや宮坂さんのウッドベースと絡みあってまたさらなる笑いを生んだり、バロンさんのウクレレとジョーダンのトランペットが加わったアンサンブルになって、センスのいい音楽へと身をひるがえしていくのが、そこの部分もまたじつにじつにドリフやクレイジーキャッツ的で。ああ、これがボードビルってことなのかなあ!

 

七つの大罪」の中で繰り広げられる7つの喜劇は、どこか情けなくも魅力的な登場人物(動物も)がたくさん行き交っていて、爆発的な笑いと小粋なエピソードとセンスある音楽に満ちていて、そしてバロンさんの「観る人を楽しませたい!」という強い思いと、“バロンを最高の仕事で支えたい”という共演者・スタッフの愛にあふれていてすばらしかった。もう隅々まで---それこそバロンさんの足の動きひとつ、ジョーダンの表情の変化ひとつにまで---、一部の隙もなく、ぎっしり、みっしり、エンターテイメントが詰まってる。バロンさんひとりの才能のみならず、衣裳・美術・照明・音響・音楽、すべてが一体となって生み出されるプロフェッショナルにしてオリジナルな、ザッツ・エンターテイメント!今のテレビで見る笑いは軽いトークや出たとこ勝負のやりとりが主流で、それはそれでまあいいんだけど、こういうきっちりした技量に支えられた笑いには凄みがあるな!とあらためて思う。(個人的に、最近、昔のドリフとか見るとすごくよく思うことなのだ。)

 

七つの大罪のいちばん最後に配された「星になった男」、バロン主演(というか脇役も全部)の無声映画を軸にしたこのパフォーマンスがとても心にしみたなあ。バロンさんならではの笑いと哀愁の世界だった。これを見るためだけにでも、再演、行きたい。

 

ほぼ休みなく2時間出ずっぱりのバロンさん、ジョーダンさん、田ノ岡さん、宮坂さんの4人、そして大変な準備の日々であっただろうバロン&スタッフのみなさん、お疲れさまでした。すばらしい舞台をありがとう!