月夜のドライブ

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さらにマイッてる…鎌田ひろゆき『空っぽの空に何を映そう』

画像どうしよう。毎日、音の嵐に巻きこまれまくってる!新譜も旧譜もスゴイ勢いで私を襲ってくる、なんだこれ、この状態、すっげーシアワセ。始終ドキドキしてる感じ。というわけで、もーこれも相当ヤバい音。マイりました。鎌田ひろゆき『空っぽの空に何を映そう』。昨年2005年の5月に出てたアルバム。

 

こないだのさねよしいさ子さんのライブで、宍戸さんとともにアコギで参加していたのが彼。今は、割礼のメンバーでもあるらしい。ライブの第一部で、いさ子さんが、宍戸さんと鎌田さんの曲を2曲づつカバーしたのだけど、それがほんとによくってね。で、割礼のCDを買い、鎌田さんのCDも買ってみた。なんとも、期待以上に素晴らしいアルバム。ライブで聴いた2曲「ラフスケッチ」「君にあいにいこう」はもちろん、全11曲のすべてがいい。

 

っていうか、クレジットされてる参加ミュージシャン…宍戸幸司(Eg.割礼)、山際英樹(Key.割礼)、松橋道伸(Ds.割礼)、ってじゃあ割礼じゃん(笑)!宍戸幸司が歌ってない割礼もしくは鎌田ひろゆきが歌ってる割礼、そして宍戸幸司の曲じゃない割礼もしくは鎌田ひろゆきの曲をやってる割礼、…どっちにしろ今の私は好きにちがいない。他には円山天使(Programing他)、小山卓治(Cho.)、さねよしいさ子(Cho.)、中野督夫(Ag.Cho.センチメンタルシティロマンス)、などというゲスト陣。鎌田さんは楽器は主にアコギを担当。

 

1曲めのイントロでイキナリ宍戸さんのギター、ぎゅうんふぎゅうううーーーん…ってヘンな音で唸ってるし。もうこれだけで悶える。でもね、鎌田さんのボーカルとアコースティックギターは、とてもストレートでクリアで、そこは、割礼の世界とは全然ちがうのが面白い。鎌田さんの声は、そうだな、例えば浜田省吾とかHeat Waveの山口洋とか、このアルバムにも参加してる小山卓治とか、そんな名前を思い出すような、ソリッドで男っぽい声質。そう、今まで私があまり聴いてこなかったタイプのボーカリストではあるんだけど、このハスキーで男性的な声が、甘さと哀しさに満ちたメロディと、宍戸さんのギターをはじめとする狂って荒んだサウンドに乗ったときの化学反応は、あまりに鮮やか。なんかね、こんなに力強いボーカルなのにむしろ、強さよりもその裏にある、男って生き物のどうしようもなさくだらなさ情けなさ、ばっかり感じていとおしくなっちゃう。

 

彼の書くメロディが、また本当に素晴らしいんだ。全11曲、これも捨て曲なしと言い切れる。森の中をさまようようなウェットな甘さと、空に向かっていくような乾いた哀しさが、不思議に同居してる旋律。そして、このメロディを、凡百のラブソング的に解釈しない、捩れたサウンドメイキングがやっぱり何より出色だと思う。

 

君はベルベットの森の中にいて

どんな夢を見てる?

シラフのまま過ぎてゆく夜の中で

どんな夢を見よう

(「雨♯1」)

 

僕と君はずいぶんと ウソを知ってしまった

新しいウソがいるほど もてあましていない

空っぽの空 何を映そう

静かな窓に 何を描こう

(「空っぽの空に何を映そう」)

 

ね。男の人ってどうしようもなくセンチメンタルで夢見がちでしょうがなくって、だからこそ、どうしようもなくひかれちゃう。…あ、いさ子さんのライブのときに見た彼がかなりのナイスガイで、惚れかけたという事情もあるけどね(笑)。男っぽい外見に浮かぶはにかみ気味の笑顔が、すっごいステキだった。

 

それにしても本当に、いい音楽ってあるものだなあ…。マイるよ。

 

※あ、そうだ、ココで全曲試聴できる。 →http://www.jetrobot.com/rock/kamata/kamata.html

私はこれで聴いて、即買うって決めた。本当に素晴らしい。

 

*『空っぽの空に何を映そう』鎌田ひろゆき