月夜のドライブ

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福岡史朗&BOXCOX@下北沢leteを見に行ったのだ

えいやっと行ってきちゃった。福岡史朗&BOXCOXのライブ。福岡史朗さんって、私、なんにも知らないのに。音もひとつも聴いたことないし、顔も知らなかった。ただ、ジャック達のベーシストである福島P幹夫さんが参加してるってことで、この名前がずっと気にはなってて、ここへ来て新譜が出るって話聞いて、それを一色進さんもベタ褒めしてる、キハラ宙さんも激推薦してる、さらに私がもっとも信頼するリスナーのひとりであるけすいけさんが彼について過去にこんなこと書いてるのを知る、に至っては、ためらう要素はひとつもなくって。で、ライブ見たくて、行ってきた。短い時間だったけど、行ってよかった。私またすごいバンドに出合っちゃったみたいだって、今、思ってる。

 

ほんとはレコ発だという3日(下北沢ラカーニャ)に行ければよかったんだけど、3日がNGで、今日行くことに。場所は、下北沢lete、なんだけど、どんなとこってまったく知らなくて、行って驚く。こんな狭いライブハウスって、私の歴史の中でも初めてかも…。新宿高島屋のトイレの個室の方が広いか…?っていうのは嘘だけど、まあ相当狭い。しかも何だか異空間…。ステージが床の間ぐらい狭いことにも驚く、しかもそこにギターとベースとギターアンプと超最小限のドラムセット(スネアとシンバルとシンセドラムっぽいバスドラだけ)までセッティングしてあることにも。ここでエレクトリック編成で演奏できるんだ…。客席といっても椅子が5×4列ぐらい並べてあるぐらいで、実際のとこ、演奏者より客の方が少な…ってことはないけど、うーん、でも、倍もいなかったかも。で、勝手に、要らぬ緊張しながら聴くことに。何で緊張するんだ私…。だってステージ近いし人数少ないし異空間だし…。でも、BOXCOXの演奏が始まった途端、その勝手な緊張が嘘のようにどっかに消えちゃったんで、音楽ってすごいと、つくづく思ったのだけどね。

 

対バンありで、最初の登場はレムスイム、というか、今日はひとりだったから大久保由希さんのソロ、になるのかな?名前は聞いていたけれど、音は初めて聴きました。男気感じるギター。クセのあるボーカル。そして、意外に考え込み過ぎない感じのストレートなメロディが気持ちよかった。飛び入りでBOXCOXのふたりのメンバー(Dr,G)が参加した曲、ものすごく輝いて聴こえた。あと、最後にリクエストに応えて演ってくれた「OLマフィア」の歌、おもしろかった。今度はバンド編成で、レムスイム、聴いてみたい。

 

で、福岡史朗&BOXCOX。メンバーは福岡史朗さん(vo,g)、小宮山範久さん(g)、福島幹夫さん(b)、ふくだげんさん(dr)、でね。ベーシストがジャック達と同じなわけだけど、音はジャック達と全然違うことに面喰らい(当たり前といえば当たり前だが)、しかも、これがまたおそろしくカッコよくて参った。バンドのあの究極にジャムな感じ、どうやったら出るんだろう。始まりも終わりも、バンドの呼吸の中で決まっていく。しかもものすごくカッコよく。凄い。だって福岡さん、自分のCDジャケ見ながらその場で演る曲決めてるんだよ。そこに、何てことなくひょいっと音を添わせるメンバーたち。福岡史朗さんのギターと小宮山さんのギターは、どちらもアメリカの風を感じさせつつ、それぞれに違った味わいで、それが絶妙に絡み合うのがまた気持ちいい。うわ、すんげー好きなタイプのバンドじゃん…。福島幹夫さんのベースが、ギターの上になり下になりブゥーンと響く音も気持ちよすぎてクラッとくる。それから、何よりも、福岡史朗さんのメロディ、そして歌声。実は、開演前の店内で流れていたBGMが福岡さんその人の声だったということに、BOXCOXの演奏が始まってから気付いたのだけど(遅すぎ)、「なんだろうこの違和感のある歌」って、思ってた。うん、相当な違和感。日本人で、こんなに声そのものにブルーズを持ってる人がいるんだ、って。巧いっていうのとは違うんだけど、いったん魅入られたら、ちょっと離れられない感じ。

 

たぶんね、あの場所であのセッティングだから(だってマイクさえなし、生声だよ)、今日はバンドの力の7割か、もしかしたら半分も出していないのかもという気もして、それでこんなに私を参らすとなると、フルの状態の演奏を聴いたら、私またどこまでぶっ飛ばされちゃうんだろうというあらぬ心配が…。今日は、時間だって短かったのに。3日のレコ発、見たいなあ、無理なんだけど。

 

あー、今日はこの辺にしとく。このままいったらまた、寝る時間なくなっちゃう…。終演後、福岡さんから直接CDを買わせていただきました。新しいアルバム『SUN TIGER』。この文章書きながら、ちょっと聴きかけたんだけど、止めた。っていうのは、ここで、とんでもないことが起こってることがわかったから。ちょっとこれ、半端には聴けないや。今日のライブは私、「福岡史朗&BOXCOX」というバンドの素晴らしさに唸ったんだけど、このアルバムに刻まれてるのは、今日出合った驚きとはまた違うものだという予感。つまり、アーティスト「福岡史朗」の底知れなさ、かな。ちょっと、これは、ちゃんと聴いて、また別に書く。なんか、すごいアルバムがきちゃった感じがする…。

 

かなりとっちらかってるけど、やっぱり、音楽愛してるよ。ラビュー。音楽って相手に文字で片思いし続けることに、私何やってんだろうって、暗闇の“イン・ヴェイン”ループに入りかけてもいたんだけど。でもやっぱり、私、無駄ってわかっててもラブレター書く女だからな、所詮。そうさ、愛してるさ。片思いでもね。

 

*『SUN TIGER福岡史朗&BOXCOX