月夜のドライブ

ラブレターバンバン書いて紙飛行機にして 宛てもなく空に飛ばすブログです。▶プロフィールの「このブログについて」をクリックで記事一覧などに飛べます。

ベリッシマと私

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って小学生の作文みたいなタイトルでスミマセン…。私の好きなBLOG界隈で盛り上がってますね、ピチカート話が。そして私よりも年下の popholicさんや祥さんがリアルタイムでピチカートの初期を聴いていたという話に驚愕する、どの時代にもおそるべきトンガッた若者はいるものだね(笑)。

 

私がピチカート・ファイヴの音を初めて聴いたのがどのタイミングだったのかはあやふやだけれど、ちょっと後追いだと思う。たぶん、前にも書いた、知人からのカセットテープ経由で1年遅れぐらいで『カップルズ』を買ったのが最初かな。そしてそのころちょうどグランドファーザーズとともにオリジナル・ラヴに参ってた(デビュー前のこの2バンド、よく対バンしてた)私は、“オリジナル・ラヴ田島貴男がピチカートに加入”というニュースを聞いて、本当にびっくりしたのを覚えてる。「こりゃすげーグループになるな」とも、「オリジナル・ラヴはどうなっちゃうの?」とも、思ったっけ。

 

で、『Bellissima!』。みんながため息ついてるように、タイトルも、アートワークも、楽曲のクオリティも、田島くんの歌声も、アレンジも、何もかもが完璧。ちょっと情けないところがあるのも含めて、完璧。こんな言葉そうそう使えるものじゃないけれど、このアルバムの前にはひれ伏すよね。田島くん、小西さん、高浪さん、3人が書く曲がそれぞれもれなく素晴らしいことをとっても、まったくもって奇跡的なアルバム。

 

それにしても、田島くんのボーカルの凄さよ。彼の歌声がとんでもないのは、その中にまさしく天賦の「ソウル」を持っているところ。ソウルフルってさ、たぶん恥ずかしくてヘンなことなんだよ、ちっともカッコいいことなんかじゃなくってさ。だって、田島くんて、ライブで観ると天才的にヘンな人なんだもん(たぶん今もそうなんじゃないかと思うけど)。普通にしてりゃカッコイイのにってよく思った。その田島くんの、カッコワルさにまで走り出しそうな勢いあるソウルを、端整なサウンドがギリギリ牽引している、アンバランス一歩手前の美しさが、私は好きなのかもしれないな。もちろん、今あとづけでそう思っただけ。当時は、言葉もなくただひたすらヘッドフォンに耳押し当ててたさ。

 

私の場合、「ピチカート=田島貴男ボーカル」これに尽きちゃうんだ。『カップルズ』も愛聴盤だし、野宮さん時代もしばらくは買ってたんだけど、その後私自身が音楽から離れちゃったという超個人的な事情もあって、ね。『ベリッシマ』『女王陛下のピチカート・ファイヴ』『月面軟着陸』、もうエロティックでエキサイティングでドキドキする、今でも。2000年代の日本人が「スイート・ソウル」なんて言葉を恥ずかしげもなく使えるのは、このころのピチカートと、田島くんのおかげかもね。

 

*「Bellissima!」ピチカート・ファイヴ


ピチカート・ファイヴのことは以前ここでも→「韓国からピチカート」on裏風撃バカキュン