月夜のドライブ

ラブレターバンバン書いて紙飛行機にして 宛てもなく空に飛ばすブログです。▶プロフィールの「このブログについて」をクリックで記事一覧などに飛べます。

「ODREL」ブームはまだまだ続く

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今現在、ヤバイくらいにムーンライダーズ月間な私なのですが、ちと寄り道。だって、ここのところyoikoさんのこんな記事やこんな記事、祥さんのこんな記事、そしてけすいけさんのこんな記事まで登場する始末で、私の周囲はなぜだか今、「青山陽一ブーム」!みんなどうしちゃったの~(笑)!ってなわけでこれらの素敵にアツい思いを読んでいたら「ODREL」どーしても棚から取り出したくなっちゃうよね。

 

「ODREL」、去年の5月末の発売なのですね。そう、このアルバムは私にとって「6月」のイメージ。湿度の高い部屋の中で、何度もくり返し回したディスク。そして、たしか「BARKS」で配信されていた、「Los Angels」のPV。実際にLAで撮ったフィルムなのだけれど、見事に西海岸らしからぬブルージーでウェットな映像で、「青山さんの背景に入ると、ロスでさえこうなっちゃうのか…」とヘンな感心をしながら、何回も見たっけ。そんな記憶がいっしょくたになった、2004年の6月を連れてくるアルバム。こうやって、時代の空気やそのときの温度、私的な思いまで滑りこませて保存してしまうのは、新譜だけに(しかも聞きこんだ新譜だけに)可能な贅沢。そういうアルバムを持てるのは、自分が意図して得られるものでないから余計に、本当にシアワセなことだ。

 

で、発売からもう1年になるというのに、飽きるどころか、聞けば聞くほど深みにズブズブとハマッていくのが、このアルバムのさらにすごいところ。yoikoさんもけすいけさんも書いているけれど、私も青山陽一さんのアルバムの中では、この「ODREL」が最強だと思うし、大好きでしかたない。なんといっても、全編を貫くバンドのグルーヴが、おっそろしいくらいで。青山陽一さんって、もちろんシンガーソングライターでありソロアーティストなのだけれど、基本は間違いなくバンドサウンドの人なのだと思う(いつだったか、けすいけさんも「好きなバンド」に挙げていたよね・笑)。とても才能にあふれた方なので、やろうと思えば全てを自分ひとりで作り上げることもできるのだろうし、実際これまでにはそういう作品もあったと思う。でも「ODREL」では、ばっさりとバンドにすべてを委ねてしまった、それが青山さん特有の繊細さに予想不可能な勢いと野太さまで加えちゃって、もはや、とんでもないことになってる。

 

いやもうホント「Free Bird」とかマジヤバイですよ。何度も書いてるけど、こんな音楽、今どき海の向こうでだってそうは鳴っていないんじゃないかと思ってしまう。勝手な夢想だけれど、青山さんなら、70年の夏にカナダを走った「FESTIVAL EXPRESS」に乗りこんで、ジェリー・ガルシアやバディ・ガイといったツワモノたちとギター一本で渡り合うこともできるんじゃないかなって。ゆるゆると、でもしたたかに、日本のロックをものすごい深い部分で支え続けてる、実は大立者なのではないかと。まあご本人は、そういう形容と無関係にいたって飄々としていらっしゃるのが、またあるイミ大物なのだけれど、ね。6月に2回、青山さんを見られる予定なので、すんごく楽しみです。

 

PS. 今調べたら、「Los Angels」のPVは、まだ「BARKS」のココで見られるみたいですね!

 

*「ODREL」青山陽一 名盤!