月夜のドライブ

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ジャック達@新宿ニューベリー

画像何でもいいから、今いちばん欲しいものを言ってごらん、と言われたら、私「ジャック達のアルバム」もしくは「ジャック達のライブ」のどちらかと、答えそうな気がする。うん、誇張でもなんでもなく、たぶんそう。自分でも不思議なぐらい彼らの音に魅かれちゃってる私に、イヴの夜、新宿ニューベリーで、ジャック達のライブ。こんなクリスマス・プレゼントって、ないよね。

2006/12/24(日) 新宿ニューベリー Newbury presents 2006 ALCOHOLIDAY SHOW TIME Vol.14 出演:ジャック達 一色 進/宙GGPキハラ/福島ピート幹夫/ 夏秋文尚

(以下、長いよ!)

 

西新宿の歩道橋のたもと、地下への階段を降り切るまでは気が気じゃなかったけど、なんとか開演前にニューベリーのドアの前にたどり着く。イヴ・ライブだなんて、お客さんの入り具合はどうなんだろうと思っていたのだけれど、私が知ってる4回(ジャック2回と西村哲也さんとイワオの裏庭)の中では、いちばん混雑した店内だったかも!席を迷いつつ、やっぱり前方で観ることに…。ちなみにニューベリーの1~2列めがミュージシャンとどれぐらい近いか説明すると、部屋で二人きりきみのために歌を歌うよポロロンとかいうときだって、もう少し離れてるだろうよという、まあそういう距離感。足を伸ばせば、客がキハラさんのエフェクター踏めちゃうぐらい(笑)。leteも狭いけど、ここニューベリーは、この距離でフル音量のロックサウンド降ってきちゃうから、至福。

 

■オープニング

ほどなく、メンバーがパラパラと出てきてセッティング。あーもう、4人の姿が視界に入っただけで、心臓バクバクしてブッ倒れそう…。4カ月もブランクあったから、この衝撃への耐性失いかけてた…。キハラさんがギターの調子をたしかめる音、夏秋さんが軽くバスドラを踏む音、それらを聴いてるだけで気失いそう…。あーそれにしても久しぶりに見るこのバンド、やっぱり年齢バラバラすぎて相当ヘン…(笑)そこがマジカッコイイ!とか思っていると、1曲め「地球はまわる」。一色さんのやさぐれたボーカル、そこに切りこむ夏秋さんのドラム、キハラさんのギターの甘い響き、底を支えるピートさんのベースの深い音。ああ、まぎれもないジャック達の音だー(泣)!えーん…生きててよかった…4カ月。あとのMCによると、この曲、前回前々回とアンコールに用意していたのだけど(たぶん時間の関係で)できなくて悔しかったので、今日は1曲めにやっちゃえ!ということだったらしい。

 

■3連発

でね。いきなり、この先の3連発がスゴすぎてどうしようかと思った…。まず「キッチンでデート」。ああもう、何度聴いてもイカシた曲だなー。この曲はジャック達の「64年」だと思う(…って私が言ってるんだから適当ですが)。 ’60sガールグループの曲を小汚いビートバンドがカバーしてるような(ホメてるよ)、独特のポップ感がたまんない。またこの曲の間奏がカッコよくって唸る。この間奏のメロディをこう演奏できるメンバーのセンスが好きすぎる…。と思うと、きちゃったよ…次が「EASTEND JUKEBOX」…!この曲は、去年のバンブルビーライブのとき震撼として以来、演奏されれば必ずブッ倒れてる…。最近ではこの曲の私の裏テーマは「夏秋さんのドラム」で、間奏でものすごいことになってっちゃう彼の疾走ぶりを追っかけてるうちに、気が遠くなるというか…どっかいっちゃう。あー困った…ヤバイですほんと…。そしてたたみかけるように「オンボロ」ときた日には、もうどうしたらいいのかわかんない。「オンボロ」、前回のクロコで聴いたのがとにかく泣きそうなぐらいよかったんだけど、この日も。この曲、(何度も書いてるけど)ファニーに始まり甘く展開していくくせに、間奏でとんでもない嵐に巻き込まれるんだよね…気付くと、尋常じゃない場所にいて…もう犯罪じゃないのかなって思う、これ…。あーーー、夏秋さんのドラムがカッコよすぎるーーー……(泣)。

 

うー。この日4曲めにして、もう息も絶え絶え…。耐え切れるのか、私…。後のMCで一色さんも、「第1部はシラフ度が高くないとできない曲がギッチリつまってます(笑)」と種明かししてたけど、そうだろうなと思う。いや、この後もすごかったんだけど…。

 

この調子で書いてたら絶対書き終わらないので少しはしょるけど、「ロッカバラッド・クロック」、久しぶりに聴いたけどなんか演奏が何段階もバージョンアップしてめっちゃカッコよくなってたなあ。そして「MOTORCYCLE JUSTICE」をはさんで…。

 

■新曲その1

次の一色さんのMCが、なーんか独特の逡巡を見せるなーと思ったら(そんなことまで何となくわかるようになっちゃった…ジャック達オタクだ)、やっぱり、「じゃあ次、新曲をやります」と。「水溜りギャラリー」。こ…これが…ちょっと…私の言葉じゃ追いつかない。とにかく、いちど聴けばそれですべてがわかると思う。イントロのキハラさんのギターとピートさんのベースの恐ろしいまでのうつくしさ…。なんだろう、これ。なんだろう、これ。ああ、すごい。一色さんは曲前のMCで「とうとう2枚めでジャック達の“Stairway To Heaven”を作っちゃいました…って、こういうこと言うとコケるんだよな(笑)」みたいなこと言ってたけど、はっきり、ツェッペリンよりも名曲かもしれない。あーどうしよう、ジャック達、すごいバンドになっちゃってるよー。一色さんの曲、すごすぎるよー。プログレッシヴで、ブルージーで、サイケデリックで、ポップで、ロック。こんなバンド、日本にいた?こんな曲、日本にあった?………………。

 

ここまでが第1部。あいだ、20分ぐらい休憩時間があったのかな。もう、私、ぐらんぐらんしてたよ。今観て、聴いたばかりのジャック達が信じられなくて。このバンド、どうなってるんだろう。いつのまに、こんな恐ろしい場所にまで行っちゃったんだろう。

 

■第2部

でも、一色さんのグダグダMCを聴くと「あ、いつも通りのジャックだ」って安心するんだけどね(笑)。「後半はみなさんベロベロになって聴いてくださいね」と始まった(笑)第2部は、私の大好きな「WHAT'S NEW LOVE SONG」から。何度演奏されても、けっして錆びない、果てない曲。そしてスーパーソニック・トースター」!ああもう、どこまでもジャック達らしい小粋なナンバー。それにしてもこの曲を初めて聴いてぶっ飛んだの、去年の10月のライブだよ。それからずーっと「この名曲、早く世界に鳴り渡れ!」って私は願い続けてるんだけど、なかなかCD出ないね(笑)。次の「Strange Move」は、歌詞を「真冬の~♪」に変えて歌ってた。

 

■新曲その2

次にもうひとつ新曲をやってくれたんだけど。「乙女座ダンデライオン(たぶん)。どうよ、この一色さんの止まらないロマンティックっぷり!(って私がいばることもないんだけど。)やーもう、この曲のカッコよさも筆舌に尽くし難かった!GS風味で歌謡テイストたっぷりでB級でちょっとタイツっぽくもあって、それでいて、世界の果てに届くひとすじの貴さが光る曲。ああもう、どうにもジャック達だ…。こんなバンド、他にないよ。キハラさんのギターのリフと、夏秋さんの「タッタカ、スタタタタ!」ってドラムのカッコよさったら!

 

■新曲その3

そして、さらに、もひとつ新曲!マジですか!しかもこんどは「セカンドにも入ってないほうの新曲」って、もう、新曲という単語が階層的なことになってます(笑)。夏秋さんの「セカンド発売までは、アルバムの曲はなるべく演らないほうがいいんじゃないか」という提案で、そのぶん一色さんがこのライブのために新しい曲書いてきたんだって。「Easy To Fall」。もうこれねー、私のための曲(笑)。恋に落ちるのはカンタン、その後が難しいって曲なんだよね(笑)。キハラさんのスライド炸裂。

 

■本編エンディング

「MY BEAUTIFUL GIRL」、このサビの一色さんのギターは永遠のもの。どんな未来のライブでも、やっぱりずっと聴いてたい、なんて思いながら聴いた。本編最後になったのが「キャンセル」。ここのところジャック達のいちばんラディカルな看板曲だったこれが、今日はもう堂々としたスタンダードに思えた。それぐらい、この日の新曲のポテンシャルがただならなかった。本当にジャック達、ますますおそろしい速度で進化し深化してる…。

 

■アンコール

アンコール1曲め、一色さんが尊敬する(でもピートさんは大嫌いな・笑)青島幸男を追悼して、ということで「オレの曲の中でもいちばん青島度が高い曲」…、何かと思ったら、このベースのイントロ…タイツの「夢の中のリディア」! ♪クリネックスも間~に合わない♪ そして途中に「スーダラ節」もちょっと織り込みつつ、でした。一色さんがジャック達でタイツの曲をやることってめったになくて(たぶんそれは彼の中のかたくなな美意識みたいなもので、そこが私はとても好きなんだけど)、だから、たま~にこうやってやってくれると、レアでうれしい。そのあと一度引っ込んでアンコール2曲め「みみずく」、さらに引っ込んだ後、なにやろうか?って相談して「I KNOW,SHE KNOWS」。じつに全17曲(たぶん)の熱演でした!

 

もっといろいろ書きたいことあるんだけど、このままいくとドストエフスキーみたいに長くなっちゃうから(ならないならない)、このへんで。とにかく、すごかったよジャック達。こんなバンドがいよいよ出そうとしてる、セカンドアルバムの質量のとんでもなさに耐えられるか不安になってきた…。ファースト『MY BEAUTIFUL GIRL』がすでに私の人生変えるぐらいの名盤だったのに、ここまでのライブで「セカンドに入る」とされる曲を聴いた限りでは、どう低く見積もっても、その10倍は名盤だと思うんだよね…。うわ、大丈夫か。私もだけど、世の中?

 

あージャック達大好きさ。こんな楽曲を生み出す一色進というおそるべき才能と、夏秋さん、ピートさん、キハラさんという、こんなに楽曲解釈力と演奏センスが高い(うまいだけじゃなくて、ほんとにセンスがいい!)ミュージシャンたちが、年齢差をものともせず(笑)ひとつのバンドに集った奇跡。それをまざまざと体験するわけだもん、彼らのライブが、凄くないわけがないんだよね…。

 

やっぱりこんなクリスマス・イヴ、もうないかも。書ききれなかったことは、また追々書きます。

 

*いつもながらのおおまかセットリスト

(第1部)
地球はまわる
キッチンでデート
EASTEND JUKEBOX
オンボロ
ロッカバラッド・クロック
MOTORCYCLE JUSTICE
水溜りギャラリー

(第2部)
WHAT'S NEW LOVE SONG
スーパーソニック・トースター
Strange Move
乙女座ダンデライオン
EASY TO FALL
MY BEAUTIFUL GIRL
キャンセル

(encore1)
夢の中のリディア~スーダラ節

(encore2)
みみずく

(encore3)
I KNOW,SHE KNOWS