月夜のドライブ

ラブレターバンバン書いて紙飛行機にして 宛てもなく空に飛ばすブログです。▶プロフィールの「このブログについて」をクリックで記事一覧などに飛べます。

隣の芝生は青いがヒゲはどうなのか

ふだん通勤というものをしていないので、たまに電車に乗ると、車内吊りの女性誌の見出しや窓に貼られた広告に目移りしてしまって仕方ない。今日はこんなのを見つけてしまった。

『料金定額ヒゲ脱毛がとってもおトク!』

そう、例の、私はあんまり興味をひかれないサッカー選手および私にはただ“こえーよ”としか思えないその夫人、を広告塔にしてる某エステティックサロンの宣伝なワケだけども。ヒゲ脱毛…。時代はそこまできているのか。ってどこまでなのかよくわからないが。謳い文句を眺めると

『濃い髭をとことん減らしたい!ヒゲ500本脱毛プラン』

『自然な感じに間引きたい!ヒゲ300本脱毛プラン』

『カッコよく整えたい!ヒゲ100本脱毛プラン』

だそうですよ。「間引きたい!」ってあなた、苗じゃないんすから…。

青山陽一さんが(お、音楽ネタになってきたか…)、よく公式サイトの日記で、自分のヒゲの薄さについて話しているのが可笑しい。ずいぶん前に(LAに行かれたころだったか)無精ヒゲを生やし始めたのだけどやっぱりイイ感じにはならなくて、周りにも不評で剃ってしまった、なんて書かれていたっけ。で「川口義之くんや千ヶ崎学くんみたいに生える人がうらやましい」とかも書いていたような。あはははは。たしかに川口さんなんか、あの顔立ちも手伝って、異国人のようだものね。(博文さんのソロライブのときに、とりりんと、サポートしてた川口さんのこと散々「怪しいよね」「中近東の路上で何か売ってそう」とか話しましたっけ。)

で、このところ私がマイっちゃってる、アメリカ方面の音楽なのですが(やっと音楽ネタになった)。写真のジャケ、上からグレイトフル・デッドザ・バンドオールマン・ブラザーズ・バンド、なんですけれどね。あらためて眺めると、この名前の持つ圧倒的な輝きをはるかに超えて、なんてケタ違いにむさ苦しい人たちばかりなんでしょー。こんなことでいいのか、私のCD棚。でもこのヒゲ率の高いむさ苦しい人たちが鳴らす音に、クラクラとよろめいちゃう私のような人間が(少なからず)いるわけだから、とことん減らしたいとか自然な感じに間引きたいとか思っている21世紀男子にはちょっと立ち止まって再考して欲しいなあ。余計なお世話か。

「太っているよりは痩せている方がいい」とか「一重よりは二重でパッチリした目の方がいい」というのは、割と万人に共通の美的感覚のような気がするけれど、「ヒゲ」にまつわる美意識のベクトルは、乱反射する光線のようだ。隣の芝生が青いように、ヒゲも何とかなのか。女の私にはよくわからない深い世界があるのか。それとは無関係に私は今日も、ヒゲ率の高い音を聞くのだが。

*「WORKINGMAN'S DEAD」Grateful Dead/「THE BAND」The Band/「THE ALLMAN BROTHERS BAND AT FILLMORE EASTThe Allman Brothers Band