月夜のドライブ

ラブレターバンバン書いて紙飛行機にして 宛てもなく空に飛ばすブログです。▶プロフィールの「このブログについて」をクリックで記事一覧などに飛べます。

山でビール

 

弟が日曜に仕事先の韓国に帰るというので
土曜の夜に家族でビアガーデンに繰り出した。
去年は寒い夏で、一度も行くきっかけがなかったっけ。
目指すは高尾山の中腹。ケーブルカーで登った海抜500メートルに、それがある。
まず、京王線の終点の高尾山口に着き電車を降りた時点で、温度が違う。匂いが違う。
ひんやりとした中に、植物の吐く緑の空気が確実に混じっている感じ。
東京も、ここまで来ればこうも違うのだなあ。

 

高尾山口から、ケーブルカーの始点の清滝駅に向かう
5分ほどの行程の間に、弟がすれ違いざま誰かと出合ったようで
歩みを止めて話している。なんと、同じ研究会のために今回日本に来ていた
韓国の大学の先生夫婦だそう。その研究会は別に高尾山でなく
遠く茨城で開催されたものだったのに、とんでもない偶然ってあるものだ。
オットはそれを聞いてしみじみ「悪いことはできないな」を連発している。
この手の偶然、私は大学生のとき「北海道庁の前で高校の世界史の先生に会う」というのがあった。
よりによって北海道庁。相手は今思えば先生か、やはり悪いことはできないものだ。

 

ビアガーデンは、この暑さの恩恵で連日大盛況とのこと。
枝豆は茹りすぎているし焼き鳥の肉は冷えて硬いけれど
空の下では、そしてその空が大きければ余計に、そんなことは許せるから不思議だ。
(だから東京ドームの柿の種は許せないほどマズいんだな、関係ないけど。)

 

2時間飲み放題食べ放題のビアガーデンの客は、
どんなに長くクダを巻いていたくとも、9時40分には終電(終ケーブルカー)に
否応なく押し込まれる合理的なシステム。
通勤客まじりの電車では煙たがられる酔客だけれど
このケーブルカーの中は全員が赤い顔して声高にしゃべる人ばかり、
30度の勾配を下る狭い車内の妙な連帯感がおかしかった。