月夜のドライブ

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Mio Fou 「震える半月の夜に再び」 @ 代官山 晴れたら空に豆まいて

画像日曜の夜、ミオフーのライブ観てきました。やっぱり何にも似ていない、ミオフーだけの世界。すてきだった。

 

Mari Fukuhara & Mio Fou Presents
『震える半月の夜に再び』

日程:2008年4月27日(日)
会場:代官山・晴れたら空に豆まいて
開場:17:30 開演:18:30
料金:前売 \3500 (ドリンク代別)
    当日 \4000 (ドリンク代別)

出演:福原まり (Piano)
    中原信雄 (Bass)
    グレート栄田 (Violin)
    Lynne Hobday (Voice)

    Mio Fou美尾洋乃鈴木博文
    多田葉子 (Saxophone)
    夏秋文尚 (Drums)
    美尾洋香 (Violin)


■福原まり

SHI-SHONENのキーボーディストだった福原まりさん、私はソロを聴くのもナマで拝見するのも初めてでした。最初は、福原さんのアコーディオン+サポートの方のトイピアノで1曲。そのあと福原さんはグランドピアノに座り、打ち込みの音を操りながら、エレクトロニカと生音が溶け合う独特の世界へ。途中からベース(なんと中原信雄さん!)とヴァイオリンのサポートも加わって放たれたインストゥルメンタルの曲たち、とても美しかった。どんな重ね方するとこんな音が生まれるんだろう?とステージ上の楽器たちを代わる代わる見つめてしまう。楽曲があまりに緻密で美しいので、私などは、ショーウィンドウの中で上品な和菓子が作られていくのをほーっと遠巻きに眺めるような感覚にもなったのだけど(そしてつい、「ベビースターラーメンの下世話な味も恋しいなあ」なんて思っちゃったりしたのだけど)、それが眺めておしまいにならなかったのは、Lynne Hobdayさんのボーカルが入ってから。とりわけ、福原さんがハーモニーをつけた曲がとても魅力的だった。福原さんの歌すごくよかったので、もっと聴いてみたかったな。でも、ふだんだったら聴かないタイプの音楽にこんなに引きこまれる体験はやっぱりライブならでは。目の前で音を出す楽器やミュージシャンを見ていると、私の雑な感性にも、さまざまな発見や驚きがヒットする。やっぱりライブっていいよね。

 

Mio Fou

ここのところ、西村哲也バンドやジャック達で美尾さん遭遇率がすごく高いのだけど、ミオフーを観るのは昨年のメトロトロンライブ以来。サックスとドラムとヴァイオリンが入ったこの編成では、去年の7月の晴れ豆ライブ以来。今日のミオフー、すごくよかった。去年の晴れ豆のときは、サポートの3人がまだまだお客様的に見えたしお互いに手探りなところがあったのだと思うけど(今日と比べてあとからそう思った)、この日の5人の音はものすごくバンドっぽかった。ピアノ、エレクトリックベース(またはアコースティックギター)、サキソフォン、ヴァイオリン、ドラムス(またはパーカッション)という5つの楽器が、自分以外のすべての音ときりっと線を結び、引き合ったり離れたりしながら、絶妙なバランスの不可思議な多面体を作る。つねに形を変えるその多面体は、どこから眺めても強くうつくしくて、他のどこにもない「バンド編成のMio Fou」だった。

 

博文さんの演奏はアコースティックギターとエレクトリックベースが半々ぐらいで、バンド的にいえばけっして主役の楽器じゃないのに、ずしっとした存在感でバンドをぐいぐい引っぱっていて、とてもバンマスっぽさを感じたな。(いやバンマスは美尾さんかもしれないけど…。)ハイフレットを駆使してのアコギソロはうつくしい響きで、相変わらずどこかやさぐれてて。ドラムスの夏秋さんは、この日、自前ドラムのセッティングだったので、叩きまくるのかなーと思ったらそうでもなく、シンセパッドとパーカッション中心。シンセパッド、鳥のさえずる声とか「ミャオ」とか「びよーん」とかいろんな音がさりげなく混じっててかわいかった。それにしても、ミオフーの音楽の魅力を読み解いて、それをさらに遠くへと飛ばそうとする夏秋さんのドラムのセンスのよさと果敢さには、あらためて惚れ惚れ。見えない場所にドラスティックな決意を隠し持ってる人なんだなーと思う…。

 

なんだかこの日のミオフー、プログレッシヴ・ロックど真ん中だと思ったな。1曲めの「Pompeii」の入り、各楽器の音が静かに絡み合う短いインプロヴィゼーションからしてそうだったし、「山猫」の音の置き方なんかもそう思ったし。それをもっとも強く感じたのは「Unicorn」を聴いてるとき。我の強い楽器たちが、一歩も譲らずに互いに対等にわたりあうさま。ひそやかで、その奥底で激しくて、「今プログレと呼ばれてる他のどの音楽より圧倒的にプログレッシヴだろう、これは!」と背筋がぞくっとするほどだった。かわいらしい女性3人+やさしげな男性2人のバンドなんだけどね。最後のほうで大好きな美尾さん曲「じゃじゃ馬」が聴けたのもうれしかった。こういうメロディとこういう詞を聴くと、音楽に向かってありがとうと、ただシンプルに言いたくなる。

 

ミオフーだけのやり方で未知に踏みこんでいくような、すごくいい音だったな。もうこのミオフーは固定メンバーで演ってほしい。ライブもどんどんやってほしい。進化し続けるバンド版ミオフーを、また目撃しに行きたいです。

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会場で購入した『metrotr-on-line 2008.april』。諸事情で速攻帰りしたので、美尾さんと博文さんのサインはもらえなかったのだけど。これからゆっくり聴くのが楽しみ。

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