久しぶりの夢見る港のライブ…待ちに待ってました!この数か月、「長坂と並木」(長坂さんとなみきさんのアコースティックユニット)のライブはいくつか私も足を運ばせてもらったり、松野さんのソロプロジェクトbirchのアルバム発売やライブはあったけれども、夢見る港本体は3月終わりの上野公園『ワイキキと雨のお花見コンサート』以来半年ぶり。屋内ライブだと約8か月ぶり、そのときはメンバー欠員があったので屋内フルメンライブだと去年の12月ぶり。あまりに楽しみすぎて7人揃ったリハ写真見ただけで心拍数上がる始末…。
2024.10.6 sun
『とってもいいひ』
Rethink Lounge TORANOMON出演:
夢見る港
三つ峠
さかゆめ
(酒井己詳/シャラポア野口/石黒健一)open15:30/start16:00
¥3,000+1d
虎ノ門でライブができる場所なんてほんとーにあるんだろうか!?と半信半疑で日曜夕方の警官だらけの官邸脇をすり抜けて目的地に向かったら、きっれーなオフィスビルの1階に果たしてそのオシャレ空間はあった。ホフディランの小宮山雄飛氏プロデュースのスペースなのだとか。(JTがやってるPloomのショップなんだね、ナルホド。)
■さかゆめ
トップバッターのさかゆめはG&Vo、B、Drのスリーピースバンド。リバーブ強めのギター、表情豊かなドラム、よい音するベース。サイケデリック風味強めでルーズな感じ、よかったなあ。ちょっとLABCRYとか思い出した。スリーピースだけどリズムアレンジやメロディが一筋縄でいかないのも好きだった。ドラムのシャラポア野口さんが東京に出てきて初めて対バンしたのが夢見る港だったのだそう(そのとき野口さんは弾き語りだったと)。演る曲その場で決めてるのかな、酒井さんが「えーと…えーと、○○で」みたいにボソッとメンバーに言って3人でガッと曲に入っていく感じおもしろかった。
■三つ峠
次にステージに上がったのはAG&Vo、EG、B、Drの4人。AG&Voの方はスツールに座っての演奏。三つ峠、すっごいよかったー。聴いてて『サイケフォーク度強めのシュガーベイブ』とか思ったんだけど(全然見当違いだったらゴメンナサイ)、実はエレキギターの方はサポートでこの編成でやるのは2回目なのだそう。メロディーも歌もよかったし、アコギとエレキが重なる響きも素敵だったし、ベースもドラムもすんごいイイ音してて、いやとてもよかったなー。ちょっとこういうバンドは稀有だなと思った。演奏全員めちゃウマだったけど、特にエレキギターの方涼しい顔して凄腕で村松邦男さんみたいな音してたから余計シュガーベイブっぽく感じたのかも。ふだんvoの方はエレキギターを弾いてるそうなのでまた違った感じなのかな、それも聴いてみたいと思った。
■夢見る港
さて本日の大トリ、われらが夢見る港!大所帯メンバーがそれぞれにセッティングをしている、この時間がもう至福…。7人揃っているのが目に入るだけでシアワセを感じるの、存在がもうアイドルグループ並だわー。はードキドキ。今日はなみきさんのところに新兵器(鍵盤とPCつないだシンセ?)あり。ギターの青木利文さんはこのあいだ秘密のミーニーズのときに使ってた手元エフェクター今回もセッティングしてた。演奏前、音のバランスをとりますと言って全員で「spring」のイントロを軽く流してたんだけど、これ本編セトリには入ってなかった、聴けてトクしちゃった…(あとから思うと「spring」って初っ端から全部の楽器の音が出てるから音合わせにちょうどよい曲なのかな?)
長坂さんの挨拶から、1曲目「サンダークラップニューマン」。半年ぶりの夢見る港の生音…!マンドリンやトロンボーンを含む7つの楽器の音が、相互に距離をおいたり近づいたりしながら美しい多角形をつくり続けるさまを、奇跡のようだ…と思いながら大切に聴く。CDやサブスクでもいつも聴いているけれど、メンバーが目の前で楽器を鳴らしてこの音世界をつくっているのを目の当たりにするのは、何度観ても信じがたくて衝撃的。続いて「一滴」「グッデイ」とおなじみの曲を。でも「グッデイ」なんて実は最新アルバムにも入っていない新しい曲なんだものね、これがまた次のアルバムに入るのかなと思うと楽しみでワクワクする。
ここでSNSでも予告されていた新曲コーナー!長坂と松野がそれぞれ1曲ずつ作ってきました、と言ってまずは長坂曲「マーマレード」。わ…これ(歌詞にもあったと思うけれど)メロディもアレンジも甘くて苦くて、ちょっと反則…って感じだった。紅茶にもお酒にも合っちゃうような。長坂さんすごいな。ギターの音もすごく好きだった…。すごくよくってもうすでに次に聴く機会が待ち遠しくなってる。
次に松野さんの新曲。演奏前に長坂さんが曲の感じをちょっとMCで話したら、松野さんから「演る前にあんまり言葉で説明しちゃダメ」って叱られてた(笑)。さすがの松野さん作、美しい曲だったなあ…。今までの夢見る港にはないタイプの、新境地を拓く歌。ひんやりしたアンビエントな手ざわりを感じさせつつ、やっぱり夢見る港らしさもあって。なみきさんはこの曲でPCシンセを操っていた。松野さんのピアノも、青木さんのエフェクティブなギターも、たまらない音してたな…。
この新曲2曲でふーーーとなってたところへ「時間」演奏されちゃってもう!!!!かっっっけえ!!!!夢見る港を好きなのは、この曲とか顕著だと思うけれど、素敵ポップスですというファーストインプレッションのバンドながら、それを猛然とはみ出ちゃうカオスな部分があるところ。大人が踏み外していってしまう感じが最高に好きだ…。客席も拍手で参加しながらのゴキゲンな「tears」、そしてラスト曲大好きな「香りと全て」。空に虹を描くように鮮やかな青木さんのギターのフレーズにマサキングさんのベースがぶぅんと入ってきて松野さんのエレピがやわらかく降ってくる、得も言われぬイントロダクションの至福…いいバンドを好きでいるとこんなごほうびが何度でも訪れる。アンコールに、みんな大好き「コーヒー」。ふわっと霧のような楽器の音をバックにここでメンバー紹介、「この7人で夢見る港です」。わーーーん、ずっとこの大好きな夢見る港でいて…(毎回謎に泣きそうになるファン)。ラストに聴く「コーヒー」の多幸感ったらないな…大名曲。
はーーーシアワセだった…夢見る港大好き!!!!!!!(わかったわかった) 曲がいい、詞がいい、歌がいい、アレンジがいい、編成がいい、演奏がいい、センスがいい、バンド名がいい、7人揃った見た目がカッコイイ、青木さんのギターがカッコイイ、青木さんがカッコイイ、(最後の2つは別々の事柄)こんなバンドの存在に感謝しかないですほんと…。
【あいかわらずピント合ってなくて申し訳ない写真を1枚ペタリ】
なみきさん企画の今回のライブ、とってもよかったなーーー。3つのバンド、それぞれタイプが違うけれど重なり合う部分もあっておもしろかった。個人的には3バンドとも独特のサイケみがあるところに共通点を感じたりしたな。客席も温かい感じで楽しかった。(音楽活動お休み中のみんみんさんにも会えた、元気そうでよかった!)夢見る港、今回と、このあとにも年内2回のライブ(10月名古屋と12月忘年会ライブ)があって活発な秋冬、うれしい!
<長坂さんよりセットリスト>
01.サンダークラップニューマン
02.一滴
03.グッデイ
04.マーマレード(新曲)
05.誰の歌(新曲)
06.時間
07.tears
08.香りと全て
(en)
09.コーヒー
夢見る港
長坂雅司(vo,ag)
アダチヨウスケ(banjo,mandolin,cho)
松野寛広(key)
なみきまみ(trombone,flute,cho)
support
青木利文(eg)
木下正樹(bass)
ナカムラハヤト(dr)
【2024/10/12記】