月夜のドライブ

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moonriders ハイドパークフェス公開ゲネプロ @ 新代田FEVER

4月29日(祝・土)の狭山での『ハイドパーク・ミュージック・フェスティバル 2023』に出演するムーンライダーズが、その3日前に、公開ゲネプロと称するFC向けのライブイベントを開催してくれた。(私は狭山のほうに行けなかったのでありがたい限り…。)会場は新代田FEVER。岡田徹さんの最後のステージとなった、1月22日のFCイベントと同じ場所だ。たった3カ月前のこと…あのときは岡田さんの元気そうな様子に、ますますの復活を信じて疑わなかったのだけれど。

 

moonriders ハイドパークフェス公開ゲネプロ @ 新代田FEVER
2023年4月26日(水) 19時30分開演
出演:ムーンライダーズ
チケット:4,800円+ドリンク代

 

整理番号付きのハガキをすでに受け取っていたので、開演時間少し前に到着。すると、入口に何か人だかりが。なんとロビーにメンバーが出てきて撮影会をしてくれていたようだった。大サービスぅ。遠目から(主におっきな澤部さんの姿を)確認。

 


番号順に中に入ると、今日はイス(バケツを裏返しにしたようなスタックできるやつ)がほぼ客席フロア全面に出ていて、番号遅めの私も座って鑑賞。でも立ち見の人も少しいたと思う。拍手の中メンバー登場。前列下手から慶一さん、くじらさん、良明さん、博文さん、後列下手から澤部さん、夏秋さん、優介さん、の並びだったと思う。岡田さんが、いない…。

 

慶一さんから開演前に、今日の曲目や演出はハイドパーク本番の終わる29日夜まではSNSに載せないように、とのお達しが。はーい、と返事をする我々良い子たち。「29日の夜10時に解禁にしよう」と勝手に時刻を決める自由なくじらさん(笑)。

 

1曲目は「あの娘のラブレター」。岡田さん曲で『火の玉ボーイ』収録の初期曲で、ハイドパークフェスにぴったりだね。そしてこれも岡田さん曲の「Cool Dynamo, Right on」。「ダイナマイトとクールガイ」と並べて、大事なときに何度も演奏されてきたナンバー。いろんな思い出がある。とってもムーンライダーズらしい曲だし、この曲が出た頃私は「ビタキャンに続くライダーズのニュースタンダード」って感じた。バンドの顔となるような、そんな曲をたくさん書いてたのが岡田さんだった。

 

慶一さんが、(たぶん努めて感傷的にならないように)さらりと「岡田君と最後に会ったのはここの楽屋で。今日は岡田君がいない初めてのライブです」と、そして「残された曲をたくさん演奏していきたい」という意味のことを。そうだね、メロディの中に岡田さんは強力に存在し続けてるから!

 

めちゃめちゃカッコイイ「S.A.D.」!そのあとくじらさんが岡田さんの思い出を語り始めたと思ったら、岡田さんがフライドチキン好きだった話とか、バナナの皮で滑った話とか(笑)。くじら「見事に滑って」慶一「ほんとにバナナの皮で滑る人がいるんだ~と思った」。亡くなった最初のライブで話す話がそれ(笑)!ライダーズらしいなあ。でも、その気のおけなさがわかるから、余計にやっぱり寂しいね…。

 

じんと沁みる良明さんボーカルの「旅のYokan」。ラスト、インプロ演奏からそのまま次の曲、不穏な手触りのイントロではぜんっぜんわからなかった「モダーン・ラヴァーズ」。あらためての解体と構築の限り!ひところあんなにスカバージョンで演奏されるのが流行ってた(バンド内で 笑)曲が、またもやここまで変貌するとは。かと思えば空気はぎゅんと変わって駄々こね桜!さっきの「S.A.D.」もそうだけど、こんなタフでパワフルなリフをひたすら弾き倒せるギタリストがバンドにいる、ということのシンプルな強さよね…!そしてこのエネルギッシュなプレイの出所が、(バンド内では若手とはいえ)Around70の良明さんなのだということにもあらためて驚く。わりと久々な気がする「BEATITUDE」、毎回しっかり盛り上がる定番曲!かなり長めのソロ回しもフェスっぽくカッコよかったーーー!

 

ラストは岡田さん曲、博文さん詞の不朽の名作「さよならは夜明けの夢に」。何度演奏されたかわからないぐらいの曲だけど、いつ聴いても、今日も、あらためてじんとしたりハッとしたりする。こんなに美しいメロディを書く人が、いなくなってしまったのだな…。

 

本当はここで終わりだったのかな?だけど、おまけでアンコール「スカーレットの誓い」を演奏してくれて(「キーは何?」とか「できるかな」とか会話していたので、ほんとに予定にはないおまけだったのかな?と思う)、FCイベントらしく盛り上がってお開き!最後に、SNSにはまだ上げないでね~との注意付きで撮影タイムも。例によってロクな写真は撮れてないけど、ニコニコしたメンバーがこちらに顔を向けてくれるのを見てるだけでシアワセ、満足。

 

 

岡田さんがいないことはまだうまく飲み込めていないけれど…。ともかくムーンライダーズは止まらず走り続けるんだなって、そんな覚悟というか決意というか強さというか、受け取った。岡田さんのフェイバリットソングでステージでもよく歌っていたトム・ウェイツの「Grapefruit Moon」が客出しのBGM。(ハイドパークフェス本番では、ラストに、岡田さんがリハビリで弾いていたこの曲の音源で、メンバーが歌ったそうだ…。)

 

この日、岡田さんの影を追うように、ついついステージの奥の優介さんに注目してずっと観てしまっていたのだけど、弾きっぷりカッコよく、頼もしかったな…。優介さんそして澤部さん、引き続きムーンライダーズをよろしくお願いします…!

 

ロビーに、眼福さんが描いた岡田さんの小さな絵が。(あとからの眼福さんのツイートによると、だいぶ以前に岡田さんに差し上げたものだそう!)写真撮って少しお話して「岡田さんまたね!」って手を振って帰ってきた。またね!

 

 

【セットリスト】

あの娘のラブレター
Cool Dynamo, Right on
S.A.D.
旅のYokan
モダーン・ラヴァーズ
駄々こね桜、覚醒
BEATITUDE
さよならは夜明けの夢に
(encore)
スカーレットの誓い