月夜のドライブ

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ジャック達、R・O・M・A 「W・五月病・SHOW」 @ 新中野弁天

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この日のジャック達はほんとうに凄かった。とにかく、とんでもなくカッコよかった。演奏がよかったのはたしかなんだけど、それにしても何がそんなにちがったんだろう?と考えてたんだけど…。セットリスト見て、あっ、と思う。…11曲中8曲が最新配信曲だったんだ!そう、この日彼ら、『JACKFRUIT SINGLES』として第4弾まで配信してきた、その8曲をすべて演奏したんだよ。たぶんこれ、今までのライブではじめてのことだよね。そうか、そうだったのか…。短めの11曲のセットリスト中、8曲「最新のジャック達」を演ると、こんなにすさまじいことになるんだ…!!今のジャック達って、つまり、こういうことなんだね…。そのとんでもなさを思い知る。

 

「W・五月病・SHOW」

5月23日(土)
@新中野弁天
住所:中野区本町4-39-7 TNビルB1F
TEL:03-5340-8270
http://www.benten55.com/top.htm
open 18:30 start 19:30
前売 3000円 当日 3500円(+1drink)

出演
「R・O・M・A」
村松邦男:electric guitar, vocals
安部OHJI:electric bass, vocals
おおつきさとみ:accordion, vocals
直蘭:vocals
黒田佳宏:drums
みっぴ:flute

「ジャック達」
一色進:electric guitar, vocals
宙GGPキハラ:electric guitar, vocals
夏秋文尚:drums, vocals
and
大田譲:electric bass, vocals(fromカーネーション

 

新中野の弁天は、私はなにげに3度め。いちどはガーフ・モーリックスのとき、もういちどはビーヴァー・ネルソンのとき。何のことはない、この両ライブともバックのリズムを固めていたのがまさに、R・O・M・AのOHJIさん(B)とジャック達の夏秋さん(Dr)の組み合わせでした。

ライブは、先攻ジャック達、後攻R・O・M・A。

 

■ジャック達

宙GGPキハラさんが新しいギターを買ったらしいという噂を聞いてから、その初お披露目の日が楽しみでしかたなかった私。開演前から、ステージにセッティングされてる奇麗なチェリーサンバーストのギターに目はクギづけ。キハラさんのあのテイストにレスポールだなんて、もう、考えただけでワクワクする!!

 

1曲め、「禁断のチョコレート・エンジェル」。ざくっとカッコイイイントロのあとに一色さんの「アトゥーーー!」がちゃんと録音と同じように炸裂して笑う!大好きな「君のつぶらな瞳の中で~」の裏あたりのキハラさんのフレーズが甘くて甘くてとろけそう。(私はギターのことはまったくわからないのだけど、)レスポールだと大人っぽさが加わるぶん、トンがった感じって減っちゃうのかな?と思ってたんだけど、キハラさんに限ってはぜんぜんそんなことなかった!相変わらずのやんちゃな音に、さらに色気まで倍増、ちょっとちょっとちょっと、これ無敵ってこと…!?

 

2曲め「JUMPER」、はあああ、「禁断の~」もだけど、今日のジャック達、大田さんのベースがえらいがっちりと絡んでて、もうこれカンペキ「バンド」じゃん!今までさんざん「大田さんのベースの絡みがすごいことに~」って大騒ぎしてたけど、もうそれが当たり前になっちゃって騒ぐまでもない感じ、当たり前にすごいジャック達になっちゃってる。このメンバーで演るときは、大田さんのベースが他のときとはちょっとちがう「ジャック達のベース」になってきてる感じもする。バンドってすっげーな、おもしろいな…。

 

「ヒロム、今日ギターうまく弾けたら…、先生がおっぱい見せてあげるからね!(おっぱいギター)」という、くだらなさ最高値の一色MCをはさんで(笑)、「東京一悲しい男」。一色さん曰く“クール&ギャングを意識している間抜けなイントロ”(ジャック達BLOG より)なんだけど、だからそれ、カッコよすぎだから!!!!それにしてもこの曲の一色ヴォーカルはつくづく絶品だなあ。曲終わってすぐ一色さんは「これ歌詞多すぎ!」と息切らしてたけど(笑)、この「東京一悲しい男」をこんなに魅力的に歌えるのって一色進をおいて他にいないよね。

 

「謎の帽子屋」、キハラさんのギター、いい音してたー…。やさしくて、危険で、泣いちゃいそう。一色さんの歌詞がなんど聴いても凄くって、崩れ落ちるような思いする。そして、ここから、あの!ほんとにライブで聴けるんだろうかとリスナーが思い、ほんとにライブで演奏できるんだろうかとミュージシャン自身が思った(笑)「Unhappy Birthday To You Song」!やーもうこれとんでもなかった!前半部分の、大田さんのベースの頼もしさ、夏秋さんのドラムの機動力、キハラさんのギターの躍動感。まさかの一色さんの語りまで入っちゃって、すげぇ!…とか思ってたら、第3コーナーにかかるあのあたりでバンド全体がいったん深呼吸して、ぐおおおっと一気に急旋回するリズム、ドラムが空気を裂くように炸裂し、ベースが高低をすさまじくドライヴし、ギターの音がふわっと甘やかに開放されてく。はあ~、ヤバイってほんと!!なんちゅーカッコよさよこれ!!!!つくづくジャック達には驚かされる。こんな曲をこんなふうに演奏するの、世界広しといえどもジャック達だけだろうな…。と、ここで安心しそうになってたらとんでもなかった、バンドはそのまま一気に次の曲スーパーソニック・トースター」に雪崩れこんで、そのあまりのカッコよさに息が止まりそうに!!もー「Unhappy Birthday To You Song」「スーパーソニック・トースター」って、そんなありえなさの双璧みたいな、ジャック・オブ・ジャック達2連発みたいの、ヤバイって!はあーーーー、これだから、このエッセンスがあるから、私はジャック達ファンをやめられないんだよなーーーー…。

 

と、フッ飛ばされるもセットリストはまだ半ば。「My Beautiful Girl」で、こんどは私の中の縦軸がぐらぐら揺さぶられ、ぜんぜん別のやり方で粉々にされてしまう。はあ…だから、ダメだって…。楔みたいに刺さってるからね、この曲は…。曲前に一色さんがふっと言った「オレは作曲って発明だと思ってるんだけど」ってひとことにも、また飽きもせず恋に落ちる。

 

「JET SET」、夏秋さんのカウントから4人がマイクに向かうとっつきの♪JET SET♪コーラスが、めっちゃタイト!もーここも確実に大田さん含んだ「4人ジャック達」だったなあ…。またど真ん中で飛びこむ怒涛のジャカジャーンが太平洋ほどカッコイイ!!さらに「今すぐ帰りたい」って、もう、今日のジャック達最高!!!!裏を打つ夏秋さんのドラムはじめ、それぞれの楽器が好き勝手な軌道を描いた果てにあらわれる珠玉のグルーヴ、この光景をどう形容しよう!?♪ばーらのー花のせーいでー♪のコーラスは相変わらずカワイクて悶えちゃうんだけど(笑)。

 

「地球はまわる」には、ふっと足元すくわれるような思いした。もうずっとそんなことなかったのに、大田さん入りでははじめてだった(つまりライブでは約1年ぶりだったということだ…!)ファーストアルバムのこの曲で、思いがけずピートさんのベースの音を思い出し、ちょっと痛みを感じるような。そんなところに傷があったのも、ほとんど忘れていたんだけど。

 

この曲でしっとり終わるのかなと思ってたら、「Arcade Cascadeを持ってくるというすさまじいラスト。走り出すキハラさんのギターの気持ちよさ!独特のパターンで雪崩れていく夏秋さんのドラムのカッコよさ!はー、とんでもない…。

 

■R・O・M・A

R・O・M・Aは、私が前にジャック達の対バンで観たときとはがらりとメンバーが替わっていて、ステージにぎっしり7人の大所帯でビックリ。まあ今回ほど人数多いのはR・O・M・Aとしても珍しかったみたいだけど。もうねー、やっぱり私はひたすら村松さんのギターに目を奪われる、の巻だったなあ。どんなタイプの曲でも軽々と乗っかっていく、洒脱にしてタフな弾きっぷりに惚れ惚れ。まるで生卵でも混ぜてるみたいな気楽な素振りでものすごい音を出す村松さん、スゴすぎ。その村松さんのタフなギターと、バンド全体のガチャガチャとにぎやかな感じが相俟って、フラワームーヴメントはなやかなりしころのフェスで鳴らしてるバンドみたいな印象だったな。な~んか…マシュマカーンとかそんな感じ?(ってマシュマカーンぜんぜん知らないんですが…。)個人的な好みでは、ボーカルは村松さんかOHJIさんがずっと歌ってたほうがいいと思ったけど。あと、村松さんとOHJIさんほどの人がギターとベースやってるなら、スリーピースで聴いてみたい気もしたりね。それにしても村松さんのメロディとヴォーカルは、いつでもどこかに水彩画のような甘い揺らぎがあってすてき。

 

■アンコール

最初に、R・O・M・Aにジャック達のギター・キハラさんがひとり参加で、R・O・M・Aの「きのうあした」。「俺ギター弾かなくてもいい(笑)?」と言う村松さんに「ぼくは村松さんとやりたいんです!」と言って、ギタリスト競演をしてたキハラさん、うれしそうだったなあ。いつどんな人と演っても、ひるまず、気負いもせず、伸びやかに鳴るキハラさんのギターって、ホントすばらしいなと思う。2曲めは、一色さんと、ドラムに夏秋さん入り、私はニューベリーでいちど聴いたことのある「50才」。ハンドマイクの一色さん(意外に見たことなくて新鮮だった!)の歌と動きが、トイストーリーに出てくる人形みたいでかわいかったな(笑)。

 

…と、そんなライブ。今のジャック達がどんな孤高な場所まで行ってしまってるか、ということを、目の前で見せつけられたライブだったな。大田さんのベースを今やここまでガッチリと組み込んでしまってるという、この半年のバンドのダイナミズムも含めて、未開の荒れ野を、相当負荷のかかるやり方でジャック達は疾走し続けてる。

 

あー「Unhappy Birthday To You Song」や「アーケード・カスケード」の演奏のすごさが忘れられない…。あれをナマで体験するためなら、私、マダガスカルでもシベリアでもどこでも行くよ!



*ジャック達 セットリスト

01 禁断のチョコレート・エンジェル
02 JUMPER
03 東京一悲しい男
04 謎の帽子屋
05 Unhappy Birthday To You Song
06 スーパーソニック・トースター
07 My Beautiful Girl
08 JET SET
09 今すぐ帰りたい
10 地球はまわる
11 アーケード・カスケード