月夜のドライブ

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ジャック達『ジャックフルーツ・ファイナル』 @ 新宿ニューベリー

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ジャック達で、ワンマンライブで、ニューベリーで、っていうカードが揃っちゃったら、もうふっ飛ばされないわけないの、わかってたけど…。1年ぶりにホームで観るジャック達。1年ぶりにたっぷりワンマンで演奏しまくるジャック達。去年の同じ月、この同じ場所で、はじめてベースに大田さんを迎えておそるおそる進水したように見えた新生ジャック達が、この12カ月でどれだけ強靭になり、どれだけ遠くまで来たのか、はっきりと思い知らされるようなライブだった!


2009/9/27(日)
西新宿Newbury
ジャックフルーツ・ファイナル』
出演
ジャック達(一色進 宙GGPキハラ 夏秋文尚)&大田譲(CARNATION )
時間: OPEN18:00/START19:00
料金: 前売 3,500円/当日 3,800円(1DRINK付)


■第一部
入場時に特典の空CD-Rその名も『バック・アップ』(笑)を受け取り、注意書きを読んでクスッと笑ったり(その話はまた別に)、ステージの楽器を眺めたり、yamaちゃんあやさんきょうこさんと話したりしながら席で待つ。

 

開演時間になり、4人がステージへ。今日は第二部に『JACKFRUIT SINGLES』の曲たちをギュッと並べたのだけど、さすがに10曲もあるので第一部にも少しこぼれました、ということで1曲め「JET SET」!大田さん込みの4人の“JET SET!”コーラスで始まるオープニングにいきなりテンションがあがる。ああ、ニューベリーのこの爆音ジャック達!!!!そして2曲め「キッチンでデート」。わ~、いつ以来だろう、この曲ライブで聴くの?なぜかピートさんのベースの印象が強いな~…なんて思ってたら、それもそのはず、なんと大田さん入りでは「初」だったみたい!?えええ~まじっすか?聴いてるときはそんなこと思いもしなかった。それぐらい、今の大田さんのジャック達へのなじみっぷり、すごい。「ブブブブ~ン?」っていうベースの遊び、「ギュギューン」っていうギターのフェイク(ここは一色さんが!)、カッワイイ~。そして間奏の夏秋さんのスネアの音…!わーん、もう、いきなり爆破されそうになる。信じられない量の爆薬積んでる感じのドラム。もうこの記事この先これしか書かないんじゃないかと思うけど、とにかくこの日夏秋さんのドラムがハンパない凄さだった!!!!ほんとだったらもっとバランスよく観たほうがいいんだろうなと思いつつ、夏秋さんの音に98%ぐらい意識持ってかれちゃってたな…。「キッチンでデート」のエンディングからそのまま雪崩れこんだ「スーパーソニック・トースター」のイントロが、またとんでもないカッコよさ!た・助けて…。やっぱりこの曲はキャッチーでカッコイイな~。初めて聴いた瞬間(もう4年も前)、大きなエクスクラメーションマークが100個飛び出るぐらい驚かされたナンバーだけど、そのときからいちどの例外もなく、百発百中カッコイイ!間奏の「ナッキー!」の短いドラムソロ、最近の夏秋さんのおそるべき充実ぶりがこめられてるような叩きっぷりだった(っていうかこの日ずっとそうだった)。

 

MCはさんで1stから「モーターサイクル・ジャスティス」!うわーこれこそ、大田さんベースでははじめてだよね。ひっさしぶりに聴くといろいろ再発見があるな、ブルージーでいい曲だー。そして大田さんのベースの安定感…。ほんと大田さんは今やジャック達メンバーよりもずっとジャック達のことを把握してると思うな。ひさしぶりにファースト&セカンドからの曲を演奏したこの第一部で、一色さんが「昔の曲はまだまともだったね~。フツウじゃん!」と感心し、キハラさんもそれに心底頷く。「まだ、ヒロムや夏秋にオレをわかってもらおうとしてる感じが出てるね」と一色さん(笑)。一色「だっていきなり“Unhappy Birthday To You Song”みたいの持ってったら、やめちゃうでしょ?」、キハラ「もう慣れましたけどね」、一色「だから、慣れる時間が必要だったんだよ」。爆笑!!ホント、1stが出たときはヘンな曲が並んでるなと思い、2ndが出たときはキテレツな曲ばっかだなと思ったものだけど、ジャックフルーツ・シングルズの常軌の逸し方に比べたら、「キッチン」も「スーパーソニック」もまっとうに聞こえるよね…。

 

ジャックフルーツ・シングルズからもう1曲、「地下室のエミリー」ジャックフルーツ・シングルズってハデで濃い曲ばっかりなので、ともするとこの曲地味に感じちゃうんだけど、イントロのコードとかシックでいいナンバーだなあ。60年代後期イギリスのスマッシュヒット的な。イントロで胸を衝かれたのは「EASTEND JUKEBOX」、わぁ、今日これを聴けるなんて…。間奏に突入すると4つの楽器が奔放な軌道を描いていき、夏秋さんのドラムが静けさからだんだん身を翻して壊れたようになっていく、わーん、もう…。ここから歌に入り際のアレンジもすごくカッコイイことになってた。大田さんの弾くフレーズがまた信じられない動きしてて。はぁ…、それにしても…、夏秋さんのドラムのあまりの凄さに崩壊寸前なんですが…。まだ第一部なのに…。

 

ああ、今日はもう聴きたい曲ばかり次々!ワンマンっていいなあ。「キャンセル」。このイントロで夏秋さんのシンバルが鳴ってるのを観るのが好き。「キャンセル」を聴くといつも、はじめてこの曲に出合った日のことを思い出す。今日と同じニューベリーで、ジャック達のはじめてのワンマンライブだった。ニューベリーに行くのに、私、さんざん道に迷ったんだっけな(今思えば、どう考えても迷うような場所じゃないんだけど)。長い長い間奏、ここはもうキハラさんが好きなだけ弾いていいんだ。いつも、彼のありったけをこめて放たれる音。はぁ…ダメだ、泣いちゃいそう。だから、まだ第一部だから…。さらに「WHAT'S NEW LOVE SONG」だなんて、どうしよう。こんな、私のベスト・オブ・ベストみたいなセットリスト…。この日ファーストとセカンドの曲をひさしぶりにまとめて聴いてよくわかったけど、ジャック達の演奏、ものすごく進化してるね。昔の曲はもう別物みたい。


ここでしばしの中休憩。BBSで予告があったように、夏秋さんが購入したというジャックフルーツ・チップスが客席にふるまわれる。どんなライブなんだ(笑)。ジャックフルーツ・チップス、恐れていたほど変わった味ではなく、バナナチップスみたいでおいしかったです。


■第二部
キハラさんのラフなギターがジャッジャッジャジャ…と走り、「禁断のチョコレート・エンジェル」。一色さんの「アットゥー!」がいつも以上にはじけてて、ドラム叩きながら夏秋さん笑いこらえてた。ここからの第二部『ジャックフルーツ・シングルズ』シリーズは、ホントヤバかったよ。あんなイカレた曲ばっかりを次々と、いくら自分たちの持ち歌とはいえ、よく演奏できるなジャック達。続けて「東京一悲しい男」、大田さんが夏秋さんのほう喰いつくようににらんで、力をこめて突入する、Gのかかったイントロ!ふはー…。「わっきゃなどぅ♪」「したごころ♪」あー、夏秋さんとキハラさんのコーラス、かわいいー。最高だー。「わっきゃなどぅ♪」「いけぶくろ♪」ああ、もう、すてきー。なんてとろけてる端から、夏秋さんのドラムは容赦なく聴き手を壊しにかかる、もうどうすりゃいいのよ…。第二部はそういえば夏秋さんキハラさんがマイクに向かうことが多くて、これはほんとうに新生ジャック達の愛すべきスペックだなー、2人のコーラス大好き!

 

RAINDROP SERENADE」、アコギを弾きながらの一色さんのボーカル始まりで、そこからキハラさんのギターがぎゅいんとうねりこんできて、バーン!とドラムとベースが炸裂するの、えらいカッコよかったなー!この日、どの曲もいろんなアイデアやギミックが差しこまれて、ただでさえすげえ曲がさらにカッコよくなってた。どこまでカッコよくなれば気が済むんだジャック達(の曲)!「謎の帽子屋」、やっぱりリリースのころを思い返しながらじんとして聴く。せっかくいい詞なので間違えずに歌ってほしかったけど(笑)。「Unhappy Birthday To You Song」、ファニーな曲調が一転、飛びこんでくカオスな音の渦に今日も正気を失う。大田さんのメロディックなベースとキハラさんの甘いギター、そこを突破してくる夏秋さんの強気な音。はー…。間髪入れず「JUMPER」、殺傷力の高い鉛の弾みたいな重たい演奏、人死ぬよほんと…。ニューベリーだとステージが近くて、夏秋さんのシズルシンバルがジャンジャン鳴りまくるの見れるのがすごくシアワセ…。さらに「アーケード・カスケード」って、そんな!(ま、何をどうつなげても濃すぎるんだけど『JACKFRUIT SINGLES』は。)夏秋さんのドラムがこんなふうに夏秋さんらしい特殊さと大胆さを全開にできるのは、やっぱりジャック達の曲だけだよな…と思う。もう最後の曲という事実に驚き(そして打ちひしがれ)ながら、ラストは「この曲から『JACKFRUIT SINGLES』が始まりました」のMCで「今すぐ帰りたい」。今さらだけど、ほんとうにいい曲だね…。魅力的なメロディライン、キンキーなバンドサウンド、他のどこにもないジャック達らしさ、がぎゅっと集約されてる。


■アンコール
もちろんアンコールの拍手は大きく響き、出てきてくれた4人が次に演ったのが、なんと10月配信の『ORANGE』のB面(「だから、面はないって」by一色)の「潮流」!!これがねーーーーすっごくいい曲だったーーーー!!!!今までのジャック達のどんな曲とも、またぜんぜんちがう感じ、驚いた。ちょっとキングクリムゾンみたいだったよ…!そして、一色さんのボーカルとベタハモの夏秋さん。今までにないことで驚いたけど、これがすっごくよかったのー、どうしよう…!キハラさんのギターのせつない音色も最高だったし、さらに一色さんのギターが炸裂!すんごい壮絶なソロが…!うわあ、どどどどうしよう、こんな曲がまた第6弾にきちゃうのか~!たたみかけるように「水溜り画廊」で、 わーん…(泣)。クライマックス登りつめていった先の大田さんのベースが凄かった。延々と、嵐のような音を出し続ける4つの楽器。どうしてこんなに激しく生きていこうとするんだろう?

 

もう感激し尽くしちゃって。それで、拍手が止まらなかったというのがほんとのところ。そうしたらもういちど、メンバーがステージに出てきてくれた。ダブルアンコール、「何やろう?」「何できる?」と、お客の前で話し合う4人のやりとりがおかしかったー。「みみずく」「HILAND」「ロッカバラッド・クロック」…とさんざんいろんな候補曲が出たあとで、「じゃ『乙女座』いこう」と、「乙女座ダンディライオンに(笑)。みんな「できるかな~」なんて首傾げながら演奏始めたわりには、キレがあってカッコイイ!ほんと、いい演奏するバンドだよなージャック達(ムラはあるけど)。夏秋さんのドラムはあいかわらず、法に触れてるんじゃないかと思うぐらいの(どんなだ)カッコよさ。はー…撃沈。


■感想
ついついドラムに気を奪われがちだったのだけど(まあいつものことだけど)、夏秋さんのドラム、ここのところ音を立てて変容を遂げている感じがするな…。この日ファーストとセカンドの曲を演った中でそのことがよりはっきりとわかって、こわいぐらいだった。行脚のようにさまざまなバンドで叩いてる結果だとも思うし、そのおおもとには、ジャック達というこのバンドで極限まで“夏秋文尚らしいドラム”を追求してることの大きさ、があるんだと思う。

 

しかし…ジャック達、いいバンドだな。曲よすぎるし、演奏カッコよすぎるでしょ。その最高値をさらに大田さんのベースがぐいぐい引き上げちゃってるし。来年はアルバムだね、なんてひとことも一色さんから出たりして、ジャック達のすさまじい音楽がこれ以上のどんな地点にいっちゃうのか、もはや神様にもメンバーにもわからないと思うけど、でもこうなったら、行けるとこまで行くしかないよね。そこは、どう考えてもジャック達しか行けない場所だから。

 

*セットリスト(ジャック達BBSより)

【第一部】

01 JET SET
02 キッチンでデート
03 スーパーソニック・トースター
04 モーターサイクル・ジャスティ
05 地下室のエミリー
06 EASTEND JUKEBOX
07 キャンセル
08 WHAT'S NEW LOVE SONG

【第二部】

09 禁断のチョコレート・エンジェル
10 東京一悲しい男
11 RAINDROP SERENADE
12 謎の帽子屋
13 UNHAPPY BIRTHDAY TO YOU SONG
14 JUMPER
15 アーケード・カスケード
16 今すぐ帰りたい

【Encore1】
17 潮流
18 水溜り画廊

【Encore2】
19 乙女座ダンディライオン