月夜のドライブ

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ジャック達、タマコウォルズ 『LOUD ROCK JAMBOREE 』 @ 吉祥寺MANDA-LA2

画像そういえばジャック達って、そもそもすごくムラのあるバンドで、2年前ぐらいまでは「今日は演奏どうなるかな…」ってライブのたびにドキドキしてたの、ひさびさに思い出した(笑)。メンバーの夏秋さんは日記で「ボロボロな演奏でした」なんて書いたりしてたけど(笑)、ボロボロというか、スキの多いガレージロックバンドみたいで、ひさしぶりのこんなジャック達もよかったけどね。そして、おかげで私はいつもとは別のポイントでスイッチが入っちゃって、結局のところ、終演後は放心状態だったわけだけど…。

 

『LOUD ROCK JAMBOREE 』
出演:
ジャック達( 一色進(g.vo) 宙ggpキハラ(g) 夏秋文尚(ds) + 大田譲(b) from カーネーション
タマコウォルズ( 西池崇(vo.g) 鳥羽修(g) 中原由貴(ds.cho) 高橋結子(ds.per) 河野薫(b) 佐藤友亮(key) )
日時:2009年03月21日(土)
場所:吉祥寺MANDA-LA2
開場/開演:18時30分/19時
前売り/当日:2,500円/2,800円(1オーダー別)

 

タマコウォルズ

ステージにみっしりと楽器が並んで、トップバッターはタマコウォルズ。私は西村さんとの対バンのとき以来だから、なにげに1年以上ぶりだったのだけど…、やーもう、当然のように、圧倒的に、凄い演奏。このあいだもそうだったけどタマコウォルズって、凄すぎて、驚くのを超えて何か笑っちゃうんだよね。ぜったいこの人たちおかしいよ、って思って(笑)。このバンドの強烈なリズムとグルーヴはもう、日本なんかさっさと飛び出して、アメリカのど真ん中とか行っちゃったほうがよほど好きな人たくさんいそうだよなあとか思ったり。鳥羽さんのギターはあいかわらず変態でサイコーだし、西池さんの勢いは誰にも止められないって感じだし、河野さんってよく見ると何か昔のアイドルみたいなイイオトコだし(ってそんな感想…)、とか眺めつつ、佐藤さんのピアノとキーボードに大ウケするー。打楽器みたい、おかしー。中原さんのドラム&結ちゃんのパーカッションの男らしさと愛らしさ(うん、ほんとにふたりとも男らしくて愛らしい!)はあらためて言うまでもないんだけど、このふたりが丁々発止とやりあう場面で、おっさんたちニコニコと温かく見守る、の図がなんかよかったなー(笑)。やー凄かった楽しかったタマコウォルズ。何とか死なずに帰ってこれたけどかなりヤバかったです。

 

■ジャック達

タマコのあとはねー、たしかにやりづらいと思う(笑)、あの音の濃度と密度のあとではね。でも、ジャック達のパブロック的なゆるさと粗さのある演奏、これがまたいいんだなー。1曲めは「ジャンパー」。イキナリ大田さんも含めての3人コーラスで「♪ドゥーユドゥーユドゥユラ~ヴ ♪ドンチュドンチュドンチュラ~ヴ」って、なんだかカワイくて悶えるー。どうしてキハラさんと夏秋さんのコーラスってこんなに10代っぽいんだろう(笑)。次が大好きな「乙女座ダンディライオン」で、一瞬気が遠くなる。ついつい、夏秋さんのドラムを見つめながら聴く3分間…。

 

いやしかし。11/3のときほどではないにしろ、一色進のMC絶好調!!私なんかずっとジャック達のライブに通いつめてるからもう感覚がまひしててこれがふつうに思えるんだけど、あらためて考えたらロックバンドのMCでこんだけ爆笑してるの、ぜったいヘンだよね(笑)?ネタが次々命中して客席がドカンドカンと沸くこの感じ、ライブハウスというより漫才小屋っぽい(笑)。またここのとこ、一色さんとキハラさんとのコンビネーションが、いい味出してるんだよね~。キハラさんが、一色さんの10のしゃべりにそこそこ0.3ぐらいの感じで返す、その生返事っぷりがサイコー。何の話のときだったか、キハラさんが一色さんのMCにテキトーに相槌打ったあと、「(こうやって)ちょいちょい拾ってかないと」って大田さんに一色MCの取り扱い方を教えるように小声で言ったのと、それに大田さんがなるほど~って納得・感心した表情だったのが、もーツボだった、おっかしかったなー。一色さんのギャグに大田さんが大笑いしてるの見て一色さんがウレシそうに「あ、大田くんにウケてるからいいや。これがギャラ替わりだから」っていうひとことも爆笑した。

 

「ジェット・セット」は、録音のときのかわいいウクレレがキハラさんのジャカジャカギターに替わって、ますますガレージっぽかったな。一色さんが入りをまちがえてやり直した「東京一悲しい男」、ライブで聴くとフリーキーさ際立つ。こんな音楽演ってるバンド、世界中でも4つか5つぐらいだろうな…。と聴いているうちに、いつもジャック達のライブでは演奏のすさまじさに目を見張ることが多いのに、なぜかこの日はそれ以上に“一色進のメロディ”にカチリと心の照準が合ってしまって。「水溜り画廊」、「謎の帽子屋」…と、聴く曲聴く曲、その旋律の孤高さが私を貫いてきてしょうがなかった。そのピークがファーストアルバムのナンバー「ピクニック・ファミリー」で、これ大田さんが入ってから演るのはたぶんはじめてだったと思うけど、すごくすごくすごーくよくって、ちょっとびっくりしちゃった。あれ、この曲こんなにいい曲だったっけ?って。一色さんのメロディは、生まれた瞬間からいつでも完璧なんだな…。それをこうやって最高の形で鳴らせるのがジャック達ってバンドなんだ。そのことに、またぎゅーっと胸がしめつけられる。

 

やーしかし「スーパーソニック・トースター」は、何百回演っても(ってジャック達結成してからまだ100回もライブやってないと思うけど)まったく疲弊しない曲だね。演奏されるたび、コミックみたいな効果線付きでカラダが地面からフッ飛ばされる気がする!ジャミラベムラーにも毎回いちいちハッとさせられる!そして夏秋さんのドラムはあいかわらずカッコイイ…。次の配信シングル『MELON』(大田さんベースだぜ!楽しみー)に入る「禁断のチョコレート・エンジェル」をざくざくと聴かせたあと、最後が「今すぐ帰りたい」だったんだけど、これが!カッコよかったーーーー!!!!何コレ、今までと何がちがったんだろう!?めちゃめちゃハードロッキンに突っ走ってた、もうヤバイって!そしてサビで夏秋さんとキハラさんのあまく危険な10代コーラス。はー…(タメイキ)。

 

さらにアンコールが。これライブで演られたらちょっと私どうなっちゃうんだろうと思ってた「アーケード・カスケード」!!やーーーーもうこれ!カッコよかったよまじで!自由にのびやかに好きなだけ遠くへと飛び回るキハラさんのギター、なんてことない顔しながらすさまじい極北で鳴ってる夏秋さんのドラム、角砂糖のようにあまく溶け出していく一色さんのメロディ、そしてこのバンドの全体像を今やだれよりも把握してるのではないかとさえ思える(笑)、メンバーの機微を理解しきった大田さんのベース!ああ、もーサイコーでしょこれ。

 

と、ここまででももうじゅうぶんなぐらいよかったのに、そのすべてを吹っ飛ばしてあまりあるアンコール曲が最後に待ってた。西池さんと鳥羽さんを迎えての、なんと「みみずく」!!!!うわーーーー、まさかこんなことがあるなんて!あのね…これは相当ヤバかったです…。私の中で、の話だけど、数多のギタリストの中でも、特に一色、キハラ、鳥羽、って、すさまじさ担当なので。ギタリスト分布図のX軸とY軸のかなり極端な場所にこの人たちって居て、それはつまり有無を言わさずココロを奪っていくタイプでもあって…。その彼らが、中でも「みみずく」という、ギタリストの性をむき出しにさせるような曲をやるなんて…。一色さんのあと2コーラスめを歌う西池さんのボーカルもブルージーでよかった。そして長い長い長い長いギターソロ回し、鳥羽、キハラ、西池、一色、の順番だったかな…、もう最高に決まってる、こんなの。鳥羽さんのイッちゃってるスライドのおそろしさ。西池さんのゴリゴリした気の強いギターの音。この曲のためにあるような一色さんの破壊ギター。でも、中でも、鳥羽さんや西池さんを立てて自分は遠慮がちに右端のスピーカーに寄っかかりながら、遠慮とは程遠い激情のギターをほとばしらせてたキハラさん、素敵だったなあ………。それにしても長かったこの「みみずく」!もしかして10分以上演ってた?私にとっては、もっともっと、いつまでも永遠に続いててほしい…と思うぐらいの「みみずく」だった。はー…。

 

もうこんな曲のあとにやるべきダブルアンコール曲なんてないこと、客席はみんなわかってたけど、それでも拍手せずにはいられなかったんだよ。すごかった!すごかった!って伝えたくてさ。ステージに呼び出して、「今日はもうこれでおしまいです」なんて言わせちゃってごめんね、一色さん。

 

 

*ジャック達セットリスト(thanks to ジャック達BBS)

01. ジャンパー
02. 乙女座ダンディライオン
03. JET SET
04. 東京一悲しい男
05. 水溜り画廊
06. 謎の帽子屋
07. Picnic Family
08. スーパーソニック・トースター
09. 禁断のチョコレート・エンジェル
10. 今すぐ帰りたい

(encore)
11. アーケード・カスケード
12. みみずく