みんみんさん、おかえりなさーい!昨年の春以来、ライブ活動を一時お休みしていたフライダーズのキーボードのみんみんさんが、復帰!!!!!待ってました!その復帰ライブとなるフライダーズの参加ライブが、三軒茶屋のGrapeFruitMoonで。思えば、みんみんさん休止前フライダーズでのラスト演奏がやっぱりここだった(24/01/18)。今日は下北沢のカレー店「茄子おやじ」プレゼンツのライブで、ゆかりのアーティストが集うにぎやかな一夜。平日というのにお客さんぎっしりだった。
『frequency』presented by茄子おやじ
2025.6.10(火)
三軒茶屋GrapeFruitMoon開場18:30/開演18:50
前売¥3000/当日¥3500 (+ドリンク代)
【出演】
ウエストムラーズ
小川剛と武蔵野ワルツ
フライダーズ
雨宮弘哲
月バンド(O.A)
【DJ】コバカツ / キシン / ゆうたろう / taisei


■序盤~中盤
開場からDJさんもフル稼働。最初にオープニングアクトとして出てきたのは、GrapeFruitMoonのスタッフさんたちで組んでるというバンド、月バンド。総勢6人だったかな、歌、ギター、ベース、ドラム、トランペット、パーカッションなどなどみなさん玄人はだしで多才。カバー曲などを数曲(KIRINJI「エイリアン」他)聴かせてくれた。バンマスの方が「リハが楽しくて」と言っていたけれど、こうして音楽好きな人の広い広い裾野あっての音楽文化の豊かさなのだよなーと思う。心から音楽を愛しているこういう方たちがライブハウスにいて音楽を支えてくれていることの心強さ。楽しかったー、パチパチパチ。
お名前だけ存じ上げていた雨宮弘哲さん、DJタイムで直前にかかっていたサザンとは真逆の音楽ですと言ってスタート。1曲だけ演りますと言ったその曲は、身近な知人から着想したという長~い組曲。男女の出会いと別れと自立をドラマチックな1曲に仕立ててギター一本で歌いきる心意気に拍手。でもちょっと発言小町読んでるような気分…!?ほかの曲はどんな感じなのかな~、また次の機会があれば聴いてみたい。
初めて観る小川剛と武蔵野ワルツ、とってもよかった!バイオリンと生ピアノ入りの編成で、透明感のあるネオアコな音。「武蔵野ワルツ」というバンド名がまさにぴったりだー。古い人間なので自分が若いときに大好きだったBL.WALTZやFabienne(フェビアン)を思い出したりもした。voの方の声がとてもいいし、ケルティックな味わいやスインギンな感じもある手練なバンドアンサンブルが心地よい。ピアノの方がコーラスもたくさん担当されてたけど、歌声ステキだしピアノのタッチや旋律に強さがあって魅力的、目と耳がクギづけになってしまった。ぎゅっと立て続けに演奏して終了。ところで演奏中ずっと『ベースの方に何か見覚えが…』と思ってたら、以前Yawgrass Bam Bandで拝見したことのあるBass Lionさんだったみたいだ(あとで知った)、気のせいじゃなかった。
■フライダーズ
さて、フライダーズ!!!!!3月に予定していたライブが流れてしまったので本当に久しぶり、半年待つことになった…(佐藤ユウキさんが言ってた大阪ぶりではなくて、蒲田ぶりでした)。そいたまさーん、タミオさーん!そして赤いNordのキーボードが出てきたー、みんみんさんだーーー!佐藤さんの12弦と青木さんのエレキの音が鮮やかに絡みあってオープニング「キキョウ」。カムバックみんみんさんのところにもちろんコーラスのマイク立ちつつ、青木さんと相馬さんの前にも引き続きマイクあって、4人時代に鍛えたコーラスワークがさらに広がりを見せるんだね、ワクワク!そしてみんみんさんが音の一角に入り、これ…久しぶりの五角形のフライダーズの音だ…!2曲目の軽やかなカントリーロックは新曲。青木さんのスライドギターが唸り、みんみんさんのピアノがゴキゲンに弾む。
MCで、なんと佐藤ユウキさんが演奏開始10分前に到着したことを明かしつつ(電車を乗り間違えたそう…!着いてよかった)、みんみんさんからただいまーの挨拶。みんなの大拍手。やっぱりバンドで音を出すのは楽しい、リハで実家のような感じがしたと。佐藤ユウキさんは「いつか帰ってきてくれると思ってたんでそんなに寂しいって感じもなかった」と言ってたけど(笑)。でも歯を何本も折るほどの自転車事故、身体(歯)の回復もだけど、やっぱり歯が思うようにならないとなかなか気力も出なくてという話(大意)を以前にみんみんさんはしていたので、その部分を私はとっても心配してた。ホントにこうして元気な姿と音で戻ってきてくれたことがうれしいよー(泣)。(でも、どうぞ無理なく大事にしながらね。)
今日のハイライト、かつ『みんみんさんが帰ってきた…』と本格的に思ったのは、やっぱり3曲目の「迷い鯨」だったな…。5つの楽器の音が次第に荒れ模様になっていく中で、激しい竜巻のような青木さんのギターが一方にあり、暴れまくるみんみんさんの鍵盤がもう一方にある。ステージの端と端での青木さんとみんみんさんのアイコンタクトも何だかとってもうれしかったし、そうだ、フライダーズでのこのふたりの演奏って毎回こんな果し合いのような気迫だった…とからだが思い出す。みんみんさんの気の強いキーボードの音、大好きだー!
いつもながら「迷い鯨」のあとは聴き手もボーゼン…。ラストにカラリと「夫婦善哉」を演奏して終了。はーーーカッコイイ!今日はギュッと短めのセトリ、5人の演奏まだまだ聴きたいけど次におあずけ。次のライブの告知があったんだけど、「対バンは秘密のミーニーズ」と言われたとき、「えっ…!!!!」と思わず大きめの声が出てしまった。青木利文祭りじゃないですか…!!!!これは大変なことに(私が)なる予感…。
<公式よりセットリスト>
01.キキョウ
02.いいね
03.迷い鯨
04.夫婦善哉


■終盤
ラストのアクトは、ウエストムラーズ。去年の1月に初めて見たときはよくわかっていなかったけど、茄子おやじの店主さんとGrapeFruitMoonの方と女性voの方でやっているバンドなのだね。そのとき聴いて耳に残っている曲が今日もたくさんあった。女性voメインの曲、男性voメインの曲、ダブルボーカルで紡いでいく曲、シンプルで強い「歌」に引き込まれる。観客はもちろんだけれど、演奏している3人も客席にいる参加アーティストもGrapeFruitMoonのスタッフもDJ回してた方々も、そこにいるみんなが、流れる音楽とこの場の両方を大事にして楽しんでいる感じがあって、とってもよかったな…。
イベントをつくる人たちの思いと手ざわりを感じられるような、楽しくて熱い一夜だった。音楽っていいね!!!!そしてこんな空気の中で復帰を迎えたみんみんさん、本当におめでとうございます!これからのフライダーズがまた楽しみだなあ。みんみんさんのいないあいだ4人で武者修行するようにつくりあげていた4人の音が、再びみんみんさんのキーボードと出会ったときに、新たなビッグバンが起こるんじゃないかって予感がする。みんみんさんも「新曲がいっぱいできててタイヘン」と笑っていたけど、新しいあの曲も昔からのあの曲も、これからまたたーーーくさん!聴きたい!です!
アーティスト&スタッフのみなさん、素敵な一夜をありがとうございました~!

【2025/06/15記】