月夜のドライブ

ラブレターバンバン書いて紙飛行機にして 宛てもなく空に飛ばすブログです。▶プロフィールの「このブログについて」をクリックで記事一覧などに飛べます。

BTS『Dynamite』

ここ2週間ぐらいそればっか見てる聴いてるモノについてメモっておこう。BTS『Dynamite』。 きっかけは、これ。20年来の音友がツイートしてたこの動画を、何の気なしにふっと見てしまった。

youtu.be

[CHOREOGRAPHY] BTS (방탄소년단) 'Dynamite' Dance Practice

BTSというグループの名前は知っていたものの韓国POPのことは何ひとつ知らない私が、どうしてこのとき何気なくこの動画に飛んでしまったのだろ。友人がそのツイートで「仕事が詰まってくると心の中でこのキックをして散らす」と書いていた“このキック”が、うわーめちゃめちゃカッコイイな!と思ったのが第一印象。

 

未知のものを知るときの、あの不思議な感覚、今ならまだ思い出しながら少し書き記せる。このCHOREOGRAPHY 動画で7人のメンバーが踊っていたけれど、数回リピートしても、少し身体の大きい人以外はまったく見分けがつかなかったし、みんな同じ顔に見えた。

 

そのあと、1億回以上も再生されてるオフィシャルMVのこれとか見たと思う。

youtu.be

BTS (방탄소년단) 'Dynamite' Official MV (B-side)

わー韓国アーティストっぽい!と思ったかな、これ見たときは。こういう70年代ディスコティークな決めキメ衣装や派手サングラスが似合うのすごいな!とか。そうして何種類もアップされている『Dynamite』動画を巡ってみたけれど、その度ごとにメンバーの髪色も髪型もファッションも違うので混乱。どれが誰だかまったくわからない!

 

そのあとは数日、また最初のCHOREOGRAPHY動画をリピート。結局これまでのところ、これをいちばんよく見てるかも。ダンスかっけーな!とリピートがやめられず何度も何度も見るうちに、カッコイイなーと思った人がいて、調べてみるとテヒョンという人のようだった。ソロで最初に歌い出すのが“黄金マンネ”ジョングク、とびきり甘い顔と甘い声した細身の彼がジミン、私が最初に認識した身体の大きい人がRM。中盤のいいところでポーズとるカワイイ顔の男の子が実はいちばん年長のジンで、最後まで判別しにくかったJ-HOPEとSUGAも、ちゃんとわかるようになった。この辺の、最初は全体がもやっとソフトフォーカスで細部まったく見えてなかったのが、学習していくほどにだんだん輪郭はっきりしていく感じ、人間の学習というか焦点の合っていき方っておもしろいなあと思う、最初はほんとに違いがわからなかったのに。

 

好き!と思うと敢然とのめり込んでいく妄想ダッシュ力が豊かなので、ここ2週間でプロフィール追ったりインタビュー動画やバラエティ動画見まくったりして彼らについての知識も以前より得たけど、何より『Dynamite』というこの楽曲とこの曲での彼らのパフォーマンスが好きすぎて、結局のところほとんどの時間は『Dynamite』のいろいろな動画見るのに費やしてる。

 

BTSのビジュアルとダンスに圧倒的にふっ飛ばされてたのであまり気づいていなかったのだけれど、当然のことながら私は『Dynamite』という“曲そのもの”の魅力にも相当打ちのめされていたのだ。…ということに、評論家高橋芳朗さんによる『Dynamite』分析の文章を読んであらためて気づかされた。それは、件のツイートの彼女が教えてくれた、ラジオ「アフター6ジャンクション」出演時の高橋さんの発言書き起こし。

高橋芳朗 BTS『Dynamite』全米No.1獲得戦略を語る https://miyearnzzlabo.com/archives/69276

もう私は、美しく大きく張られた戦略のクモの巣のど真ん中に、ストーンと見事にハマッてしまったんだな!という。初心者の私にはまずBTSの見た目だけで情報量多すぎて、音楽的な位置づけとかサウンドの系譜とか考える頭脳がひとつも残ってなかったけど、なるほどディスコかぁファンクかぁChicかぁ。そしてその、すぐれた作家チームとサウンドメーカーによるオーセンティックなディスコサウンドを、あのキャッチーなビジュアルのパフォーマンス集団に完璧な形に仕上げられてしまったら!高橋さんの言う「K-POPリスナー以外にも余裕で届く曲」、まさに私それだ、そのリスナーだ、と。世界中のどこまでも届け!とばかりに周到にそして大胆に投げ広げられた完璧なクモの巣に、そりゃまんまとハマるしかない!

 

遊園地で撮影しているこれ(米NBC「America's Got Talent」でのパフォーマンス)も、とっても好きなMV。『Dynamite』のポップでゴージャスな世界観がワクワクするようなセットの中で繰り広げられているし、7人の声や表情やダンスの個性が、余すことなく美しく表現されている。

youtu.be

BTS (방탄소년단) 'Dynamite' @ America's Got Talent 2020

でも、この夢のような舞台にいて世界中をうっとりさせる彼らが、当たり前だけど最初からグッチのコスチュームをまとった堂々たる大人だったわけではなく、韓国出身のヒップホップ少年として尖ったりこだわったり時にはたぶん周りとぶつかったりもしながら、他人とは違う自分たちらしい火薬を「BTS」という容れ物に飽くことなく詰めてきた年月があるからこそ、『Dynamite』が爆発したのだと思うと、それも尊くいとおしい。

 

それにしても。BTSなんてあまりにもリアルタイムのスーパースターすぎて、もし私が今10代とか20代だったらたぶんその遠さに心折れてると思う…。でも、もう大人なので心しずかに見つめられるのはよい点。

[CHOREOGRAPHY] BTS (방탄소년단) 'Dynamite' Dance Practice-6.jpg [CHOREOGRAPHY] BTS (방탄소년단) 'Dynamite' Dance Practice-9.jpg BTS (방탄소년단) 'Dynamite' @ America's Got Talent 2020-2.jpg BTS (방탄소년단) 'Dynamite' @ America's Got Talent 2020-9.jpg

テテが中盤、センターで歌ったあと、キック!の振りからグクと入れ替わるのに両手をくっと顔の前に持ってきて身をかがめる一瞬のしぐさがめちゃ好き…。 tetekick.jpg