（主にその日のツイートを中心にまとめたものを自分メモ用にあとからアップ。2022年03月）
カムカムミニキーナ Vol.68
『両面睨み節～相四つで水入り～』
（りゃんめんにらみぶし ～あいよつでみずいり～） 日本劇作家協会プログラム
作・演出：松村武
出演：ラサール石井 ／ 若松力 ／ 蜂谷眞未 ／ 万里紗 ／ 岡田帆乃佳 ／ 田野倉雄太 ／ 附田瑞姫 ／ 長山知史 ／ 吉田壮辰 ／ 八嶋智人 ／ 松村武 ／ 藤田記子 ／ 亀岡孝洋 ／ 未来 ／ 長谷部洋子 ／ 渡邊礼 ／ 福久聡吾 ／ 柳瀬芽美 ／ スガ･オロペサ･チヅル ／ 清水芳成 ／ 梶野春菜
日程：東京公演 2019年11月14日(木)～11月24日(日)
大阪公演 2019年11月30日(土)～12月1日(日)
私は11/14（木）の初日と24（日）の東京楽日を観劇。
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【11/14】
カムカムミニキーナ『両面睨み節（りゃんめんにらみぶし）～相四つで水入り～』座・高円寺の初日観てきた！やーーーおっもしろーーーい！！！！世界中で、確実にカムカムでしか観られないお芝居。そして今回骨太にもほどがある感じがしたなー。その佇まい、異端にして王道、と思う。はーしびれた…。
何にしびれたって、役者さんが本当によかった。あらゆるシーンの隅々のひとりひとりまでが、実に実に舞台役者らしい佇まいをしていて。いつも以上に、骨太で胆力のあるお芝居と感じたなあ。話の入り口で、共に客演のラサール石井さんと若松力さんが向かい合う象徴的なシーンがあるのだけど、もうそれだけで、彼方までふっ飛ばされるような凄まじいエネルギーが。そしてそれをさばく行司が八嶋さんという圧巻の視界。これが舞台俳優か…と惚れ惚れとするような、そこに在る肉体と魂の存在感。
ラサール石井さんと若松力さんはほんとうに凄くてカッコよかったな…。この二人がまさに「相四つ」になる場面、物凄いエネルギーが渦巻く。まあ何しろ今回もカムカムの客演陣はすばらしかった。蜂谷眞未さん、万里紗さん、岡田帆乃佳さん、ひとりひとり長々と語りたいぐらい。中でも小学生（！）の附田瑞姫さん、すごい。子役なんていう呼び名を軽々超えて、普通に堂々と「女優」でした。観る者をぐいーと引き込む力強くストレートな演技。とてもとてもよくて心からびっくりしました。すごいなあ…
今回衣装がものすごくかわいかった！どれもこれもデザインが素敵でそのまま普段着て歩きたい！と思っちゃうかわいさ。未来さんが「埴輪」という役で、衣装そうきたか！という。どの人のもうっとり眺めてしまうような意匠が凝らされていてすばらしかったな。
ラサール石井さんと若松力さんの相対するシーンが本当に素敵すぎてうっとり。ここを観るためだけにでも通いたいと思うぐらい。カムカムの公演観ると私毎回「客演さんが凄い」と言ってるけど今回もひときわ。劇団力も凄ければ客演力（なんて言葉があるのなら）も抜群のカムカムだわー。
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【11/24】
カムカムミニキーナ『両面睨み節』東京千穐楽観てきたっ。本当にいいお芝居だ。大局から細微まで強い魅力にあふれているけど、「睨み合う」モチーフの「両面」に、ラサール石井さんと若松力さんを据えたこと、これがもう祝祭と思えた…ただただすばらしい。
かたや知と練達を象徴する野見宿禰（ノミノスクネ）にラサール石井さん、かたや若さと勇猛な力を恃む當麻蹴速（タイマノケハヤ）に若松力さん、こんな二人が対で向き合う芝居…ただひたすら果報だった…。パンフによるとラサールさんから松村さんに「出たい」と言って今回の出演になったと。有難や！
時空の混乱に翻弄されながら、その二人のあいだでなんとかして「正義をジャッジ」しようと苦悶する鹿森伊之助が、切なくてとてもよい。首を傾げながらも小さな正義を貫こうとする八嶋智人、は絶品ですね…。そして歴史のあわいに消えてしまった鹿森博士の凛としたひとことに、ボロボロ泣けてしまった。
カムカムのお芝居はわかるかわからないかって言ったら「わからない」んだけど、この世界の途方に暮れるようなわからなさの中に自分がいることが「わかる」身体感覚が、カムカムミニキーナなんだなあって思う。うまく言えないけど。
