月夜のドライブ

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阿佐スパ 富岡晃一郎さんのソロ読み『スチュワーデス物語』 @ 下北沢 小劇場楽園

阿佐ヶ谷スパイダース(でもありベッド&メイキングスでもある)の俳優・富岡晃一郎さんが1人朗読をし、そのあとカムカムミニキーナの松村武さんと阿佐スパ&ナイロン100℃村岡希美さんのお二人を迎えてトークをするという。しかもたった1回だけ。読むのは「スチュワーデス物語」。えっ、どういうこと!?もう聞いた瞬間、面白そう!行きたい!と思って予約したイベント。11/14(月)の午後の下北沢に観に行ってきた。

 

劇団・阿佐ヶ谷スパイダースが、今(11/12~23)、演劇の街・下北沢を舞台にありとあらゆる催し(朗読劇やトークイベントや過去作上映会やワークショップや盆踊りや…)を展開する一大イベント(もらったパンフの表紙に掲載されていた主宰・長塚さんの言葉によると「ささやかな演劇祭り」)を開いていて、この朗読劇はそのプログラムのうちのひとつだそう。

 

阿佐ヶ谷スパイダース遊覧文庫vol.1下北沢のみち
ソロ読み3 深田祐介スチュワーデス物語』 出演:富岡晃一郎
~憧れの80年代へトミーがあなたを誘う~
トークショー「トミーの朗読の感想と、演劇団体のスタートアップを語る!」
ゲスト:松村武(劇団カムカムミニキーナ主宰) 聞き手:村岡希美、富岡晃一郎
11/14(月) 16時~17時半 開催場所:小劇場楽園 料金:1500円

 

 

ドラマをちゃんと見た記憶はあまりないのだけど、昭和の人間なので堀ちえみさんの「スチュワーデス物語」が当時話題になったことは覚えている。でもそれを朗読で!?と思いつつ初めての小劇場・楽園に入ると、小さなステージに、イスとテーブル、トランク、ハンガーにかかったパイロットの制服のようなものが置かれていて、ちょっとしたセットのようになっていた。始まってみたらそれらはただの置き物じゃなかったんだけど!

 

開演時間前なのにトミーがふらっと舞台に現れて、「ど~も~」なんて客席に話しかける。なんというか、この時点でもう『役者だな~!』って思えてひそかに感動。白いシャツと白い短パンでお客さんの前に現れてラフな感じで話しだすなんて、普通の人間には到底できないので…。トークイベントのときの八嶋さんなんかにも同じことを感じるけれど、役者になるべくしてなってる人なんだなあ、と畏敬の念。また、まじめな雰囲気醸し出しといて実は人を食ってるような富岡さんのキャラがね。そう思いだすとワルイのよねー。松村さんが(少し前のトミーとの対談動画で)「悪い役のイメージがある、悪い役をやらせたくなる」という意味のこと言ってたの、よくわかるー。

 

トミーいわく「昨日の時点では(予約)9人って聞いてたんですよ」という客席がどんどん埋まってみちみちになってきて「いやーこんなに埋まるんですね、嬉しいなあ」と。「マスクをしていただくのと、録画録音はダメというルールだけ守っていただいて。電話とか来たら出ちゃっていいですし(客席笑)、トイレに行ったり、飽きたら飲み物飲むとか、適当にやってくださいね~」とゆるくスタート。

 

朗読劇、思ってたのの何倍も想像をはみ出してて、おっもしろかったーーー!その開演前のラフな語りで「50分ぐらいあるかもしれない」と恐縮そうに言ってて「スチュワーデス物語」を50分読むとは!?とハテナマークだらけだったんだけど、終わってみたらあっというまだった!まず観客の目の前でパイロット服に着替えたし(しみじみ役者だなあ…)、朗読っぽく始まりこそすれ、小道具使いや映像のインサート(松村さん大活躍)やヘンテコな演出がたっぷりで、ぜんっぜん飽きなかった。開演前にトミーがそのことも紹介していたけれど、そもそも「スチュワーデス物語」自体が思っていたのと全然違った方向にかなりぶっ飛んだテキストで、それも意外だった。あのドラマに原作があるなんて知らなかったし、今日の朗読を聞いて、あらためてテキストとして読んでみたくなったなあ。文章を聞くという意味でも、演劇を観るという意味でも、めちゃめちゃおもしろくてエキサイティングな体験だった! 

 

そのあとのトークも楽しかった。富岡さん、村岡さん、松村さんが並んで話をしているなんて、それだけで夢の空間でお得感がありすぎる。スチュワーデス物語の感想はともかく、朗読劇と何の関係もない「スタートアップについて」というトークテーマ設定がナゾだったけど(笑)、松村さんはカムカムミニキーナを、富岡さんはベッド&メイキングスを、村岡さんは池谷のぶえさんとのユニット「酒とつまみ」を、立ち上げたときの話など。松村武さんがカムカム立ち上げの頃の話をするの聞くの大好きなので至福。ネーミングの話とかもおっもしろかった~。こんな話、ずーっと聞いてたい。

 

日常に差しこまれる、この何に分類したらいいかわからない、人にもうまく説明しづらい時間、とっても貴重だなー。ただひたすら楽しくてワクワクした。まさに演劇的な体験なのかも。あまり身軽にお出かけするほうではないけれど、そんな重い腰もあげさせるほどのオモシロイ企て。あー楽しかったー!!!!

 

それにしても阿佐スパのこのイベント、すっごい膨大なプログラムがあってびっくりする。準備どれだけ大変だったろうかと思う。「秋の盆踊り」気になるなー。今回このために作ったオリジナルの盆踊り曲、作詞が村岡希美さんで作曲が(KERAさんの舞台音楽などでもおなじみの)鈴木光介さんですってよ!