「ゲゲゲの女房のうた」、8月のライブでいちど聴いてるんだけど、わぁ、こんなカッコイイ曲だったっけ!?ライブで聴いたときの印象よりずっと攻撃的でロックで疾走してる!しかも、やっぱどうしようもなくヘンなのね。つかまえたと思うとするりと手のひらから抜けてっちゃうムーンライダーズってバンドの、気味悪さとしたたかさがよく表われた曲だなあ。世間や常識をするりするりと抜け続けて35年だもんね、いいかげんさに凄みがある。鈴木卓爾さんのひょうひょうとした歌詞も秀逸。そして「ゲゲゲの女房のうた」「日曜はダメよ」共に、小島麻由美さんの声がムーンライダーズサウンドに浸透しきっててすげぇ。このけったいなおじさんたちの音に若い女性ボーカルが取ってつけたようにならないって。さらにコジマユさんのボーカルのバックに響くアラ還コーラス隊(博文、良明、武川。慶一さんもかな)の、どんだけ歌うの好きなんだとツッコみたくなるような高らかなコーラスがおかしいのなんのって。あームーンライダーズかわいい。
そして「くれない埠頭2010」が!!!!私「くれない埠頭」って曲にさほど思い入れないのだけど、うっわーーーー、このバージョンはカッコイイなああああ!!!!過剰で複雑で激重、迷子になりそうな濃霧サウンド。私の大っ好きな、「今の」ムーンライダーズ。あー、今のムーンライダーズ以上にカッコイイムーンライダーズなんて70年代にも80年代にもいなかったぜ!良明さんのギターの気の遠くなるような音色や岡田さんのハーモニウムの怪しさ…、そしてサビに至って炸裂するかしぶちさんと夏秋さんのツインドラムのすさまじさ…!!きもちわるくて最高…あーライブ観たいな…。
やっぱりムーンライダーズってわかりにくくていいなあ。どう伝えてみてもかならず誤解を生むとらえどころのなさ。その誤解も平気でむしゃむしゃ喰ってニヤニヤ笑うモンスター。ムーンライダーズ、大好きだ。