月夜のドライブ

ラブレターバンバン書いて紙飛行機にして 宛てもなく空に飛ばすブログです。▶プロフィールの「このブログについて」をクリックで記事一覧などに飛べます。

of Montreal @ 大阪 心斎橋CLUB QUATTRO

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of Montreal
2009/03/10 Tue.
大阪 心斎橋CLUB QUATTRO
OPEN 18:00 / START 19:00
前売り \5,250 / 当日 \5,750
(1D付)

 

オブモン4年ぶりの来日がとうとう決まったらしい!って知ったの、いつだったかな…。たぶん新譜が出てすぐの去年11月ごろ。そのときまず頭を占めたのが「チケット買えんのかな?」ってことで、だって、あのof Montrealがこんな小さいハコで東西2回きりやるだけなんて…。もうそれから発売日まで、チケのこと考えると胃が痛くて痛くて。(ま、実際はあんまりその心配なかったんだけど…。)そのときすでに、行けるかわからないけど大阪もとりあえずチケットは買っちゃおうと決めてた。『たとえばコーチェラフェス(LA)観るのに旅費いくらかかんのかな…』とか、仮にでも計算したことのある身としては、オブモンのほうから日本に来てくれるなんて、しかもこのチケ代で観れるなんて、もうそんなの行けるだけ行っとかないと後悔する!と思って。で、両方チケット買ってみたら、大阪のほうが東京より整理番号ずっと早かった。これはやっぱ行くしかねーなと思って、水面下ですべての調整能力をそこに集中…。

 

は~。そしてとうとう、夢にまで見たof Montrealの初ライブ。地図片手に目指す心斎橋パルコ…あった!入り口のクアトロの案内板に、「of Montreal」の文字が…!(っていうかその2日後にフラテリスって豪華だな!とか思いながら、)まだ早いのでその辺ウロウロする。10分前に8階上がったら「まだ開場準備が…」と言われ、も少しウロウロしてから、入場。番号いいといってもものすごくいいわけでもなかったんだけど、ブライアン側の最前列とれちゃった!!わーわーわーどうしよう…ステージがこんなに近いよ!!だいたい心斎橋クアトロ自体が小ぶりなハコで、ほんとにここでof Montreal観ていいのかな…、信じられない…。

 

1時間のあいだにお客さんもかなり増えて、いよいよ客電落ちる。すると歓声の中出てきたのは、タイガーのマスクをかぶり白スーツに身を包んだパフォーマー。この人…開演前にサウンドチェックしてた人では…?(←当たりだった) そのタイガーマンが、お茶目に客席を煽る仕草をくりかえし、客もそれに応えて「ヒュー!」とノリノリになったところで、彼がPCのボタンをスイッチオンすると、打ち込みのリズムが鳴り出し、of Montrealメンバー登場~!わーーーー、ケヴィンが、ブライアンが、ドッティーが、目の前にー…!!

 

1曲めは「We Were Born The Mutants Again With Leafling」。長めのイントロのあと、Kevinのボーカルが入ってきたとこで、ふっと意識が薄れるような、現実と幻想が入れ替わるような、不思議な感覚に見舞われる。アルバムで何千回も聴いていた、ずっとあこがれだったあの声が、目の前から、ナマで聞こえてくるなんて…。エロティックでちょっとヘンなKevinのボーカル、ああ、もうマイる…。

 

続けて「Bunny Ain't No Kind Of Rider」。わぁ、大好きな曲…!!Kevinのあの声が"Eva, i'm sorry but you will never have me "っていうあのフレーズを歌うのを聴けるなんて…。うっとりと沈む。今回のセットリスト、新譜と同じぐらい、前作『Hissing Fauna, Are You The Destroyer?』からの曲が多かったのが、意外だったし、このアルバムで彼らを知った私にはうれしくもあった。

 

「And I've Seen a Bloody Shadow」に、どきゅーーーん!と、心臓を貫かれた。幕を切って落とすフレーズ"turning tricks on the hood of Jasmin’s car"の、エロティックな重たさ!もうダメ、ケヴィンの発音するワンワードごとが、胸に命中して重たい傷になる。ヤバイ、必殺すぎ…。この曲ではじめてJamesのナマのドラムスが入ったせいもあるし(たしか)、それから、この曲の途中で男女ふたりのパフォーマー(タイガーマンとは別)が出てきて奇矯なアクト(このときは、真っ赤な服の司祭がKevinに洗礼を施すような)を見せていた印象のせいもあって、この曲、とにかくクラクラしたなあ…。

 

「Gronlandic Edit」、この曲もね…。このはなやかなライブの中心にいてライトを一身に浴びているKevinが"all the party people dancing for the indie star "って歌う。もう、背筋がゾクッとして気失いそうだったよ…。(前にココにちょっと書いた。) 「Sink The Seine」、「Cato As A Pun」…、of Montrealの作品の中でも特に前作の『Hissing~』は、歌詞カード(公式サイトからDLした)がボロボロになるぐらい言葉をカラダにしみこませながら聴いたアルバムだったので、ナマの声・ナマの演奏でその詞が命を得て、私の中に埋まった言葉も立ち上がるようだった。心臓がドキドキする。

 

男女ふたりのパフォーマーは、いろいろな被り物やカツラをかぶったり、派手な衣装を着けたり下着姿になったり"Ninja"になったりしながら、忙しく出たり入ったりしては、歌と絡む。とにかくクレイジーで、彼&彼女が出てくるたび沸く客席。楽しいー!何の曲だったかな、パフォーマーがKevinをひょいと肩車して立ち上がったシーンがあったけど、心斎橋クアトロのステージ天井が低くて、Kevinがライトに頭ぶつけそうでヒヤヒヤしたー。

 

新曲、との紹介で演った曲(セットリストによると「Tender Fax」かな?)が、すっごくよかった!!ドタドタでガシャガシャなパワーポップ。of Montrealここにあり!を思い知らされる!たぶんまだライブナンバーとしてこなれてないぶん、of Montrealの原初的なバンドパワーが爆裂する感じ。Kevinのボーカルがポップな演奏に乗ってドライヴしていく。オブモン、カッコイイ!

 

これまでライブの様子を動画で見たりしてそんな予想もしてたけど、じっさいのところ、Jamesのドラムスってのが思った以上のパワー・ドラムで。(今回のライブだと、叩いてるのはセットリストの半分くらいであとはマニピュレーター的なもの担当してたけど。)スタイリッシュというよりはむしろ、意外なほど素朴でワイルドでドカドカ!!さらに、Daveyがいいベース弾くんだよねえ、音のバランス崩れるだろう!ってぐらい前に出たラウドなやつを。もちろんKevinとBryanのギターも含め(ゴメンDottieは遠くてあまり見えなかった)、シアトリカルなステージの渦中にいるof Montrealは演奏だけ取ってみればかなり粗野に遠慮ナシに“ロックバンド”で、もうーーーー、その部分を感じられただけでも、やっぱりライブ観に行ってよかった!!!!

 

それにしてもKevin。キュートでなまめかしい動きも、高低を自在にスライドしてくボーカルも、ナマで目の前で体験してても本当だって信じられないぐらいの魔力に満ちてた。そして、ラメの入ったパープルのSGを弾きながら、ときどきはギターを置いてハンドマイクで、歌う"Indie Star"Kevinは、オーディエンスを酔わせ熱狂させ踊らせながら、ひどくクールなんだな、ともすごく思った。

 

「An Eluardian Instance」を、ナマで聴く瞬間も訪れた…もう、泣く。なんてステキなんだろう!!歌うケヴィン踊るブライアン跳ねるデイヴィー。いっしょにうたう!"our last summer as independents do you remember? "ジェイムズのハイハットが鳴る。いっしょにおどる!"our last summer as independents do you remember? "おどるおどるおどる。" now i’m viewing my memory reel in reverse…"うわーん…

 

「October Is Eternal」は『The Sunlandic Twins』に入ってる大好きなインストなんだけど、前記事に書いたように、この曲をメンバーが演奏してる最中にKevinの衣装替えがあった、もう、カラダ中からスモークもわもわ出てくるのほんと笑ったよ~。すべてのパフォーマンスが破格にバカバカしくてカッコわるくて、それなのにサイコーにカッコよくって、of Montrealったらもう…!!

 

本編ラストが「A Sentence Of Sorts In Kongsvinger」だったけど、そうそう、この曲の途中で珍しく(ってライブはじめて観るんだけど)Kevinが歌う箇所まちがえたんだよね。そのときの、Daveyのほう向いてお茶目に笑うKevinが、素でかわいかったなーーーー(笑)。

 

 

観客の拍手でアンコール、だったんだけど、ここの寸劇がまたおっかしかったー。最初のタイガーマン(ライブ中はマスク脱いでマニピュレーターやってたけど・笑)と"Ninja"(黒の全身タイツの男。この記事の最後のPVに出てるのがそう)と女性パフォーマーが出てきて、こそこそと相談のうえ、3人で楽器を乗っ取る(笑)!好き勝手にドラム叩いたりキーボード弾いたりマイクにがなってたりしてると、そこにof Montrealのメンバーが出てきて奪い返される!という展開(笑)。ドラムのJamesは、Ninjaと取っ組み合いした末に奪い返してたよ、ナイスファイト(笑)!

 

で、始まったアンコール曲、(私は知らなかったけど)ラモーンズの「Judy Is A Punk」、それからストーンズの「Let's Spend The Night Together」。このカヴァー曲2曲が、すんごいよかった!装飾がないぶん、of Montrealの芯にあるバンドっぽさがむき出しになる。『ああ、of Montrealの本質ってやっぱりここにあるんだな…』と思うような、ラフでストレートな演奏。カッコイイってばもう!!!!

 

ほんとにほんとのラストは…「The Party's Crashing Us」だった!!!!わーん、この曲演ってくれるんだ…(泣)。私が、たぶんof Montrealの中でいちばん回数聴いてるナンバー。この曲を、目の前で、Kevinが歌ってる。もう、それだけでいいよ。ほかに何もいらない。

 

あーーーーほんと楽しかった…。こんなに楽しみにしていいのかなってぐらい楽しみにしてたけど、その500万倍楽しかった!Kevinありがとう、BryanもDaveyもJamesもDottieも!

 

で、終演後の余韻にひたってたところに、ギターのBryanとベースのDaveyが出てきてくれて、書いてもらったサインがコレです。青いペンがBryanで黒いのがDavey。ちなみに書いてもらったのは、出がけにバッグにつっこんできた『Jon Brion Remix EP』のウラ。思い入れとか関係なく、パッと見た中でいちばんこれが余白多そう(笑)だったので。それにしても、ふたりとも疲れてると思うのに、気さくにファンと話したり写真撮影に応じたりしてくれてたね。ありがとうございました!

 

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(あったこと思ったこと、ぜんぜん書ききれてないんだけど、ぜったいぜんぶは書けないので、これぐらいにしとくー。)(校正もロクにしてないのであとで整理するかもです)

 

*セットリスト(mixiコミュからいただきました、ありがとうございます)

We Were Born The Mutants Again With Leafling
Bunny Ain't No Kind Of Rider
And I've Seen a Bloody Shadow
Gronlandic Edit
Sink The Seine
Cato As a Pun
New Song (Tender Fax)
Requiem For O.M.M.2
Beware Our Nubile Miscreants
For Our Elegant Caste
An Eluardian Instance
She's a Rejector
Heimdalsgate Like A Promethean Curse
October Is Eternal
Mingusings
Id Engager
A Sentence Of Sorts In Kongsvinger

【encore】
Judy Is a Punk
Let's Spend The Night Together
The Party's Crashing Us