月夜のドライブ

ラブレターバンバン書いて紙飛行機にして 宛てもなく空に飛ばすブログです。▶プロフィールの「このブログについて」をクリックで記事一覧などに飛べます。

虫喰いだらけの地図の上で

画像パソコンとの突然の別れ(ブックエンドとしてまだそこにありますが…)にかなり打ちひしがれたまま、iTunesmixiRSSリーダーもない世界で世間と隔絶されつつ生きているのだけど、昨日は都会に出る用事があったので、元気を出して中古レコ屋に寄ってみたりした。時間があまりなく棚をちらりと眺める程度だったけど、近いうちに買おうと思ってたThe Verveのファーストアルバム『A Storm In Heaven』(93年)があったので、それだけ購入。そのあとシゴトして、帰りの各駅停車のシートに沈みながらCD取り出しインナースリーヴ眺めてびっくりする。「Produced & mixed by John Leckie」って。また会っちゃった、ジョン・レッキー。このアルバムもそうだったのか、ぜんぜん知らなかった。

 

海外の音楽に不案内な私が洋楽に目を留めること自体珍しいのに、The Troubadours、Trashcan Sinatras、そしてThe Verveのこのアルバムと、立て続けに同じプロデューサー名に出合うなんて、なんだか不思議。迷路の出口にたどり着いたら入口につながってた、みたいな、だまし絵の階段を歩いて歩いて元の場所、みたいな、そんな気分。

 

だいたい私は、特に洋楽に関しては、ガイドも持たずにいきなり旅に出てるようなところがあるので、行き会った先でさまざまなパズルのピース(音楽)を手には入れるのだけど、それがちっとも全体像を結ばない。このブームが次のこんなムーヴメントにつながって、このミュージシャンとこのミュージシャンは交流があって、この時代にはこんなグループとこんなグループが勢力図を分け合ってて、この音楽への回答としてこんなジャンルが生まれ、…とかいう、洋楽の流れが大ざっぱにでもわかっていたら、どんなにゆたかな聴き方ができるだろうなーと思うのだけれど。

 

時代も無関係にパッとそこにだけ飛びつくような聴き方ばかりしてしまうから(グレイトフル・デッド・ブームの次にオブ・モントリオールがキて、イエスに熱狂したあとウィーザーにずっパマリ、みたいな…)、相変わらず手元の世界地図は虫喰いだらけ。パネルの取り方がヘタ過ぎて最後の挑戦クイズのVTRがぜんぜん見えない「アタック25」みたい。ああ、ココとソコ、もうちょっとパネルがつながってれば…。

 

でもそんな、「ん~これはちょっと厳しいか…」と児玉清に言われそうなへぼリスナーの私にも、まるで見えない糸を手繰らせるように、その作品に出合わせるプロデューサーの力量って凄いね。こういう魔法を仕掛けて発動させるときこそ、まさにプロデューサー冥利に尽きる、って感じなのかも。

 

PCが壊れてから音楽もあんまり聴いてない(パソコンがメインのCDドライブだったという環境面&ヘコんでたという精神面)んだけど、新しいPCが届いたらと言わずに、時間を作ってリビングのステレオコンポでThe Verve、聴こうかな。