月夜のドライブ

ラブレターバンバン書いて紙飛行機にして 宛てもなく空に飛ばすブログです。▶プロフィールの「このブログについて」をクリックで記事一覧などに飛べます。

Liverpool Sceneとパーシー・ジョーンズ

毎年そうなのだけれど、12月ってただでさえ忙しい(まず私のシゴトがいつも繁忙期だし、オットは商売やってるので12月なんか休みさえロクにない)のに加えて、好きなアーティストのライブなんかがこれでもか!って集中することが多くて、毎日が渋谷のスクランブル交差点の真ん中を突っ走っているみたいなあわただしさ。それに比べて1月は、そこからふっと松濤に抜けたように静かになるよね…。で、ふだん棚の奥に入りっぱなしのCDにまで手を伸ばすような余裕が、なんとなくある。

 

画像少し前に引っ張り出して聴いてた、そんなCDのうちの1枚がこれ。Liverpool Sceneというバンドの再発CD。彼らのファースト『Amazing Adventures Of』(68年)とセカンド『Bread On The Night』(69年)の2in1。たぶん3~4年前に買ったんだと思う。なんでこんなCDが私のレコ棚にあるんだ、というシロモノではありますが…。このバンド、ベースがあのパーシー・ジョーンズなんだよね。「あの」と言っても、私がパーシー・ジョーンズについて語れることなんて、当然ひとつもないけど。

 

ものすごく久しぶりにこのCDを聴いてたんだけど、変な音楽だなあ、コレ。元々はポエトリー・リーディングから発生したバンドらしく、どうも幾人かのポエトリー詠みがいるみたい。最初のメンバー3人が67年に1枚ポエトリー・リーディングのLPを出したのが有名DJジョン・ピールの目に留まり、バンドのアルバム製作につながったとか。このファースト&セカンドを聴く限りでは、ポエトリー・リーディングあり、王道フォークロックあり、ブルーズあり、ジャズ・ロック風あり、かなりメチャメチャでおもしろい。ファーストなんて、「Amazing Adventures Of Che Guevara」なんていうリーディングが延々パート1からパート4まで入ってたりして、いつの時代も、思いが過剰でどっか破綻してるロックバンドはおもしろくてカッコイイなあ。

 

でもアイデアだけが先走りしているかといえばそうでもなくて、ギター、ドラム、ベースの響きは意外なほど確かでうつくしく、ただバンドの音として聴いても屹立した存在感を放ってる。だからこそこうして後の世でアルバムが再発されたりするんだろうけど。「Happy Brual Blues」「The Entry Of Christ Into Liverpool」「Come Into The Perfumed Garden Maude」あたり、ジャズとブルーズとロックとリーディングが無分別に混じった感じ、すさまじくもカッコイイ。いつもどこかに尖鋭的な苛立ちがあるのも、いかにもリヴァプール的でいいな、と思ったり。

 

で、言うまでもなくなにしろ、パーシー・ジョーンズのベースなわけで。洋楽のことなんにも知らない私でも、倒れますねコレは。ファーストの1曲めの「Tramcar To Frankenstein」、パーシー・ジョーンズのベースから始まるんだけど、ももも悶えるー。すっげーなー…。他の曲ももれなく、この人のヘンテコなベースに耳がいってしょーがねー!ネット上で見つけたパーシー・ジョーンズのインタビュー(管理人さんが日本語に訳してくれてるものです、すごい!)を読んだら、このLiverpool Sceneのときはまだフレットレス・ベースを買う前で、自分でG弦側の端だけ削ったベースを使ってた、って…。す・すげー…。

 

というわけで、パーシー・ジョーンズのベースがあまりにカッコよくて、私もとうとう(…ってこともないけど)、Brand Xへと突入~。このあいだ「輸入盤CDどれでも3点買うと25%オフ」キャンペーンで3枚買ったうちの1枚がソレなんだけど。洋楽オンチ、しかもインストモノ苦手、とさんざん騒いでるのにねー。でも、別ルートで最近Genesisにもマイッてたし、これはもういくしかないだろうと(笑)。

 

で、Brand Xですが。…カ、カッコイイーーー!!!!今さらだけど…。これはまた別記事で書けたら書きます。

 

*『Amazing Adventures Of/Bread On The Night』Liverpool Scene