月夜のドライブ

ラブレターバンバン書いて紙飛行機にして 宛てもなく空に飛ばすブログです。▶プロフィールの「このブログについて」をクリックで記事一覧などに飛べます。

まだまだYES

画像まだ続きますYES話。『こわれもの』『危機』からさかのぼって買いました、サードアルバム『The Yes Album』(71)。発売は71年だけど録音は70年、ギタリストがピーター・バンクスからスティーヴ・ハウに替わって“その後のYESらしさの基礎が確立した”などと言われてるアルバム。なんかビミョーなジャケ…。好きだけど。クリス・スクワイアの変な洋服とスティーヴ・ハウの右腕のムキムキさが気になる。

 

やーこれ、好きなんですけど!その後累々と築かれていく、完璧なる「YESサウンド」への思い入れがないからだろうけど、この粗いバンド感にゾクゾクするなー。ちょっともったりしてて洗練されきってないところがかえっていとおしい。私が買ったこのリマスター盤は3曲のボーナストラックが入ってるのだけど、オリジナルは6曲入り。うち4曲は7~9分の長尺揃いで組曲もあるし、これ以降のYESの大作主義(…別に主義ってワケじゃなくてやりたいことやってたら長くなっちゃったんだと思うけど…)の片鱗が見えてる感じ。でも、長い曲でもぜんぜん長く感じないのがYESの凄いとこだなー。メロディも演奏も、アイデアにつぐアイデア、名フレーズにつぐ名フレーズで、飽きるヒマなし。9分の曲もあっというま。

 

「Staship Trooper」も「Perpetual Change」もカッコイイけど、なにしろ「Yours Is No Disgrace」が好きー!一歩間違えると田舎臭くなりそうなイントロをとんでもなくカッコよく演奏しちゃうリズム隊がすげーし、美しい静の時間から激しい動の場面へとめまぐるしく転換していくアレンジがすばらしいし、全編をつらぬくちょいズレぎみなユニゾンのハモりがいいし、聴けば聴くほど好き。あと「ユアーズ・イズ・ノー・ディスグレイス」っていう「s」「s」「d」「g」の濁音の重なりがなんかエロティックでいいんだよね…。好き。

 

じつはこのアルバム買う前に、YouTubeでこの曲のライブ映像(72年のドキュメンタリー番組の一部らしい。だからキーボードはリック・ウェイクマン)を見ちゃって、もーブッ倒れて二度とふたたび起き上がれず。めっちゃカッコイイィィーーー!!!!高い位置でギター弾きまくるスティーヴ・ハウスティーヴ・ハウなのにカッコよすぎ!ギタリストはやっぱギター弾いてるとき女を惚れさすねえ…スティーヴ・ハウだけど。私好みじゃないジョン・アンダーソンもきらんきらん恐ろしいほど輝いてるし、見ため地味めなクリス・スクワイアのベースプレイやコーラスがYESの屋台骨なんだなーってのもつくづくわかるし、ビル・ブラフォードのやんちゃな叩きっぷりにもシビレるし、リック・ウェイクマンの不審すぎる動きも愛せるし。ああ、バンドっていいなーーー。カッコイイなーーー。ま、天下のYESの黄金メンバーつかまえて今さらそんなありきたりなホメ言葉ふっかけるの、ディレイにもほどがあるって感じですが。

 

あとこのアルバム、2曲めに入ってるアコギのインスト「Clap」が、べつに良くはないんだけど(悪くもないけど)、スティーヴ・ハウの“ギター愛”をまざまざと見るようでおっかしいね。元々のアルバムに入ってるのはライブバージョンで、ボーナストラックにスタジオバージョンが収録されているんだけど、スティーヴ・ハウのつぶやく「1…,2…,1,2,1,2,3,4」というカウントが、もーギター大好き!ギター愛してる!っていういとおしさに満ちていて微笑ましいんだよねえ。…なんてことカウントフェチの私は思ったり。

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なんか中ジャケ写真もやけにカッコイイぜスティーヴ・ハウ

 

うーん、素敵だなーYES。ラヴ。さて、私のこのYES熱、この先どこへ向かうのか、それとも向かわないのか…。

 

*『The Yes Album』YES