月夜のドライブ

ラブレターバンバン書いて紙飛行機にして 宛てもなく空に飛ばすブログです。▶プロフィールの「このブログについて」をクリックで記事一覧などに飛べます。

とうとう初体験!benzo『DAYS』

画像ぼそっとしたサエない男子が4人並んでいるような絵面がモーレツに好き。まあ3人でも6人でもいいんですが、4人。ああ、絶妙で悶える。ぼそっとした、サエない、ってとこはつくづく大事な条件で。カッコよく革ジャンでキメちゃってたりすると、どうもね…。どうでもいいTシャツとか、どうでもいいシャツとか(イヤ本人的には気合入れて選んでるのかもしれないが)、そういうのがあーもうたまらなくドキドキする!…って、何の話をしているかといえば、コレです、benzo。初めて手に入れたアルバム『DAYS』(99)のインナースリーヴ中面の写真にイキナリ落ちました。いや、音にもね。

 

benzo、今はもう存在しないバンド。でも、祥さんのとことか yoikoさんのとことかでさんざんこのバンドの話読んでたし、最近あやさんが平泉光司さんの現行バンドCOUCHハマッてしまった話とかも聞いてて、「あ~たぶん私、好きなんだろうなー」と思ってたのです。で、少し前に中古でこの『DAYS』を見つけたので(このジャケ一回見たら忘れないもんね)、初めて聴いたんだけど。うわ、好き…。見事に直球ストライク、どうしよう…。

 

1曲め「落下ドライブ」のイントロ、アコギのせつないストロークと、体をねじこんでくるベースの音、そこに降ってくるピアノ…、あーもういきなりこりゃヤバいでしょって雰囲気濃厚。で、ボーカル平泉さんの声で完ぺきノックアウト。甘くてちょっと情けなくてそれでいてソウルフルで。あーこんな人がいるんだね…。しかもこの驚くべきメロディライン。声質とソングライティングの才能の同居っぷりで言えば、特Aランクだねコレ…(ちなみに同居ランク特A、他には大滝詠一とか堀込泰行とかね。私が勝手に決めてますが)。

 

メロディの稀有なたたずまいもさることながら、演奏が輪をかけて素晴らしい。ギター、ベース、ドラム、キーボード、っていう4リズムがここまでそれぞれにセンスがいいバンドっていうのも、奇跡的な気がするな。平泉さんのギターめちゃ甘くていい響きしてるし、70年代的なメロウな音を聴かせるキーボードもたまらないし、それから、ドラム!すげーカッコイイ!好き。専門的なことは何ひとつわからないんだけど、シンプルであえてちょっとイナタくて、でもセンス抜群な感じが、タイツで聴く泉水さんのドラムみたい(って例えがマイナーだよ)。「スバラシイ ウルオシイ」のドラムなんか、ちょっとクラクラして倒れそうだ…。

 

benzo、いろんな情報とか見ても、「AOR」とか「シティ・ポップス」とか「ライト・メロウ」とか、まあそんな心地よさげな言葉のオン・パレードなんだけど…、祥さんも書いてたけど、それだけじゃ済まない何かが、あるよね。逡巡とか、格闘とか、執着とか、情熱とか、…そんな泥臭くてかたくなな何か。うまく言えないけど、奥底に「それ」があるかないかは、決定的に音に出る。少なくとも、私にはわかっちゃう。まあ音楽なんてサラッと聴きやすければそれでいいって人もいるかもしれないけど、私は不自由なことにどうしても、「それ」を持つ音楽にしか魅かれない。

 

またひとつ、大切な音が増えたな。教えてくれた人、いつもホントにありがと。祥さんが大好きだというファーストの『benzoの場合』も、近いうち手に入れます。

 

*『DAYS』benzo