月夜のドライブ

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というわけで『GO GETTER』松江潤

画像何が「というわけ」なのかについては、この記事を参照していただけるとうれしいのですが、「ジェフ・ベック初心者、最初に何を聴けばいい?」という私のダラ質問に、みなさんよくぞ親切にお答えくださいまして。ソロがいいとかやっぱりジェフ・ベック・グループじゃないかとかヤードバーズのこのアルバムもいいよとかベック・ボガート・アピスも気に入るかもとか…。中でも横浜在住のKさんが強くすすめてくださったのが、この松江潤さんのアルバム。って、ジェフ・ベックじゃないじゃん(笑)!まあ、他のより先にこれが今日届いちゃったんで聴くよりほかしょうがないです(笑)。でもアルバム3曲め、「ジェフ・ベック」ってタイトルのインスト曲だった!松江さん、ジェフ・ベックが好きで好きでしょうがないギター青年だそうで。おススメはあながちヒネリでもないわけでした。

 

世界が誇るベック様もよく知らない人間なので、このギターのどこがどうすごいなんてのは語れるはずもなく、ただふっ飛ばされそうになりながら聴くのみ。やーほんとにふっ飛ばされそう。4曲めのクレイジーでドうるさいギターインスト「真夜中のカーチェイス」なんかフルボリュームで聴いてたら、まちがいなく近所に怒鳴りこまれるか、親に行く末心配されるでしょう。2006年の今、親に心配されるようなロックって、滅多にお目にかからないんだよね。世の中に蔓延する、「ロック」を標榜してる音楽なんて、「あら、うちの息子今日もいい子にロック聴いてるわね~」なんて安心されそうなのばっか。そんな安全で健全で無難な自称ロックを横目に、この松江さんの音楽が、彼が魂と引き換えにしながらギリギリ鳴らしてる真に危険なロックであることは、ベック初心者の私にもわかる。

 

この『GO GETTER』(05)は、全11曲のうち、7曲がインスト。ひとつ前のアルバム『TRIUMPH OF GUITAR MURDERER』(03)にいたっては全編ギター・インストのアルバムだそうだから、彼の魅力は、ホントはここ(インスト)で語るべきなのかもしれない。けど、私ってどうしても、ボーカル曲に反応しちゃうんだよね…。幕開けの、空気をつんざくような短いインスト曲からすぐに2曲めの「君がいればいい」が始まったとき、何の心の準備もなかったから本当にびっくりした。甘いイントロ、そしてそこからつながるせつないメロディ、舌ったらずなボーカル、これ、ティン・パン・アレイ、もしくは鈴木茂ソロじゃん!って。メロディもコーラスも間奏のギターもAORテイストでね~。ああ、今、こんな曲を作って歌える人がいるんだー。タイトルからしてもうはちみつぱい「塀の上で」をほうふつとさせるような(ご本人的にはそんなこともないんでしょうけど)、8曲めの「JAL成田発」も、70年代のあの特別な空気感をそっと閉じこめたような、さりげなくも珠玉のメロディ。上手いとはいえない歌がまた、本職ギタリストの人のはにかみがちな余技って感じで、どうにも茂王子テイストでイイ(ホメてます、念のため)。このボーカル曲の甘さと、ギターインストの壮絶さとの幅が、衝撃だなー。

 

松江潤さんというこのアーティストのこと、何も知らないよと思ってたら、私、ハイポジのアルバムとかで知らないうちに彼のギター聴いてたみたいだし、なななんと昨年の馬の骨(堀込泰行さんソロ)ツアーのサポートギタリストやってたんだ!うわ、DVDもう一度ちゃんと見てみなきゃ…。あ、ダメだ、DVDぶっ壊れてるんだった…。ツアーの追っかけやってた(笑)とりりんにもギタリストの印象聞いてみよう…。いやーおそろしい才能ってさりげなくいるもんです…。私が世間知らずなだけか、ジェフ・ベック知らないし。こんな私にKさん、衝撃のおすすめありがとうございました。

 

ちなみに松江潤さんのアルバムより先に注文した、肝心のベック様(本人)含むイギリス勢ご一行は、どうもマンフレッド・マンの乗車遅れにより足止め食ってる模様…。ワタシ内ブームすぐ過ぎ去っちゃいがちだから(熱しやすく冷めやすい…とも言う)、早くきてくれー。あと、前からずっと欲しくて迷ってた(ちと高いんで)とあるDVD、「2枚買うと20%オフキャンペーン」ってことでえいやっと購入したのが今日別便で届いたんだけど、だ~か~ら~!DVDプレイヤーぶっ壊れてるんだってば!再生できやしねー。トホホ…。そちらは観れるようになったら観てまた書きます。

 

*『GO GETTER』松江潤