梅雨の季節ですね。水瓶座の生まれだからというわけではないだろうけれど、雨に降られるのは嫌いじゃない。ただひたすら落ちる雨音に、会話がとじこめられてしまうようなあの感じ、好き。というわけで、プレイリスト「雨にとじこめられて」、作ってみました。雨の歌ばかりでもなくて、私が「雨」や「水」を感じる曲を集めてみた。かなりの雨量です。雨というよりはもう、水の中に塗りこめられちゃってる。身体も指先も水に侵されて、水槽の中の金魚みたいな気分。ゆらゆらです。ああ、気持ちいい。
A side
1. 「服を脱いで、僕のために」ムーンライダーズ (アルバム『月面讃歌』98年 より) といいながら、あんまり雨っぽくない曲でスタート(笑)。でも、「水の音がする」…だよね。たゆたってる。作詞・鈴木博文、作曲・かしぶち哲郎、という組み合わせの名曲。たまらなく大好き。このアルバム『月面讃歌』と、その裏セルフカバーアルバムである『dis-coverd』、私はどちらも好きなのだけれど、この曲に関しては、断然こっちのバージョン。 |
2. 「センチメンタル通り」はちみつぱい (アルバム『センチメンタル通り』73年 より) 一気に25年の時を遡るけれど、さすがにムーンライダーズとはちみつぱい、違和感ない(笑)。あまりにも有名な曲だけれど、このなんともいえない揺らぎを味わいたくて選んじゃった。冒頭で「海岸通りは大粒の雨」。降ってます降ってます。 |
3. 「十二月の雨の日」はっぴいえんど (アルバム『はっぴいえんど』70年 より) はちみつぱいからさらにはっぴいえんど。はっきりと「12月」の歌だけど、入れちゃった。この曲を聴いたときの衝撃って、今でも身体が覚えてる。今でも、これ以上に「雨の匂い」をリアルに感じる曲って、ないと思うな。 |
4. 「金魚鉢 Live version」 (オリジナルサウンドトラック『Don't Trust Over 30』03年 より) 03年にケラさんが手がけたミュージカル『Don't Trust Over 30』のオリジナルサウンドトラックより。タイトルはもちろんムーンライダーズのアルバム名からで、音楽監督が鈴木慶一さん、劇中生バンドのベースは鈴木博文さん、というお芝居だった。これについて語ると記事3つぐらい書けちゃうのでそれはまた。こんときのユースケ(サンタマリア)さんには、マジ惚れた。この曲は、芝居に出演もしていた知久寿焼さんの作品。ものすごくせつないメロディ。 |
5. 「蜜柑水」クミコ (アルバム『AURA』00年 より) 松本隆さんと鈴木慶一さんがプロデュース、というクミコさんの00年の『AURA』より。うーん、見事なはっぴいライダーズの流れ(自己満足・笑)。この曲はcobaさん作曲。水分たっぷり、ゆらゆら、たぷたぷ。深くまで潜る。 |
6. 「Iron Rain」The SUZUKI (アルバム『Everybody's In Working Class』97年 より) A面の最後はThe SUZUKIで。博文さん作詞作曲の「Iron Rain」。窓を雨が伝い続けている。とじこめられて、外には出られない。この曲も大好きで、勝手に、別BLOG(「子めくりかれんだー。」)のHNに使っちゃってるほど。 |
B side
1. 「タンポポの微笑」パール兄弟 (アルバム『TOYVOX』89年 より) B面は、パール兄弟から。パール兄弟のせつなさとはかなさが出てるこの曲、大好きだ。地下採掘場で撮ったPVも最高にカッコよかった。一見晴れていそうなタイトルだけど、「塵や雨が地球を変えていく」「水や罪が星を変えていく」…ね。そういえばそのPVでも、たしか黄色いレインコート着てた。 |
2. 「Water Pistol」チューインガム・ウィークエンド (アルバム『KILLING POP』98年 より) 実は、このセレクトをしてみようかなと思った発端が、チューインガム・ウィークエンドのこの曲。広くて深い水の中にゆったり身体ごと包まれてしまうような、本当に素晴らしい曲。どうして彼らの音楽は、こんなにせつないんだろう。ほっとくと泣きそうになっちゃう。「解けない魔法がまだ 胸で鳴り止まない」…。 |
3. 「扱いにくいコップ」ハイポジ (アルバム『4n5』99年 より) コップ、で、水つながり。もりばやしみほさんって人は、キュートでカワイくて、同時に相当な危険人物だ。この曲の柔らかさと鋭さったら。 |
4. 「安楽のスレイブ」上田ケンジ (アルバム『青』06年 より) ぐらんぐらんと私を揺さぶるような曲ばかりでヤバイ。この曲も、視界ごと水槽の中。上田ケンジさんの曲は、このアルバムタイトルどおり、寒色系のイメージ。やっぱり、北海道出身ってこともあるのかな。彼の中の水も空気も冷たくて、でもなぜか、やさしいんだ。 |
5. 「19世紀の人魚」青山陽一 (アルバム『Sings with the Blue Mountains』90年 より) うーん、いいつながりだなあ(自画自賛)。青山陽一さん独特の、不思議に反射する水の中で泳ぐ気持ちよさ。いちど味わってしまうと、戻れないんだよね。 |
6. 「ヤヤ・ブルー」タイツ (アルバム『ラジオ・デリカテッセン』89年 より) 最後は、タイツ。「水の惑星」を入れようかなと思ったのだけど、今まで選びすぎてるので、「ヤヤ・ブルー」で。これも、たまらない名曲だなあ。もう、かなり降りこめられている感じ。この先どうしようか、困惑したこんな様子のまま終わるのも悪くない。タイツだなあ。好きすぎる。 |
もう、水という形をとるしかない湿度の高さ。全身ズブズブでびしょぬれで、シャツの中にも長靴の中にも水がしみこんで、視界も揺らいで青い。ビルの頭まで水に浸かった街で泳ぎ続けてる。自分で作ったプレイリストだから当たり前だけど、かなりヤバイです。せつなさに圧倒されそう。雨や水の曲はたくさんあるんだけど、今日私が選んだこれは、どっかすさみや歪みを抱えてる曲たち。傷を抱えながら透明なものに向かう感じを、今の私が好きなのかもしれない。とじこめられたまま、ここにいてもいいかな。