月夜のドライブ

ラブレターバンバン書いて紙飛行機にして 宛てもなく空に飛ばすブログです。▶プロフィールの「このブログについて」をクリックで記事一覧などに飛べます。

奇怪とは是メトロファルスのこと也

前々記事のコメント欄で祥さんがライオンメリーさんだの伊藤ヨタロウさんだのって名前出すから(いや、元々はヴァージンVSなんて単語出した私が悪いのだが)、思わずこんなの引っ張り出してきちゃったよー。これ、ほんっっっとに大好きなアルバム、メトロファルス『グッドモーニング・Mr.タリスマン』(89年)。このアルバムと、タイツの『ラジオ・デリカテッセン』(これも89年)、この2枚は、私の思い出の中で完全に“セット”になってて。もう、一時期は、狂ったようにこの2枚ばっか聴いてたんだ。

 

タイツはとっくの昔に解散しちゃったけど、メトロファルスは今も現存するバンド(たぶん)。「売れもしないくせに長く続いてる奇怪なバンド」の筆頭といったら、日本ではまずはムーンライダーズだと思うけど、唯一、それを奇怪さで上回るのがメトロファルスじゃないかと思ってる。だって、変だよ。いつから、何年続いてるかよくわかんないし、バンドメンバー何人入れ替わってんのかよくわかんないし、何でこんなに長く存続してるのか、全然わかんないし。バンドメンバー自身も把握してないんじゃないかと思うぐらいの複雑年表、怪奇人脈、だよね。ま、とりあえず私の個人的な印象としては、伊藤ヨタロウさんとライオンメリーさんと光永巌さんがいれば、メトロファルスかなって。

 

クレジットによると、この『グッドモーニング・Mr.タリスマン』のときのメンバーは、「伊藤与太郎光永巌、ライオン・メリー、バカボン鈴木三原重夫」。ほら、もうタイツとの境い目がよくわかんないし…(笑)。光永巌さんがタイツとかけ持ち、バカボン鈴木さんがパール兄弟とかけ持ち、三原重夫さんはこれと前後してグランドファーザーズのサポートしたりしてて…ああ、何だかわかんないけど、この辺の話、妙にコーフンするーーー!

 

とはいっても私、何かを語れるほどメトロファルスのことは知らないのだ。でもとにかく、このアルバムは大好き。全部が名曲の名盤。聴く方までドキドキするようなこのテンションは、ロンドンレコーディングのせいもあるんだろうか? 三原さん×バカボンさん×光永さんのバカ重たいリズムにはカラダ持ってかれるし、ライオンメリーさんのキーボードは相変わらずのセンスのよさだし、ヨタロウさんの七色ボイスのけったいな魅力もハマると底無し。「雄呂血」とか「錦絵の都」とか「宵闇峠地五郎変化(よいやみとうげじごろのかわりみ)」なんていう、ヨタロウさん独特の言葉遣いにも、そりゃもうクラクラしちゃうんだけど、このアルバムで1曲だけ、その、タイツの一色進さん(現「ジャック達」ね!)が詞を書いている曲があって。この「One Fine Day」が、超がつく名曲!イントロからお終いまでしびれるカッコよさ、大好き!もうさ、一色さんの詞が、これだもん。

 

ラズベリーの道で 僕は眠る

やけどしそうな雨に 足を流された

ラベンダーの丘で 僕は廻る

こじれた恋の糸に 腕をしばられて

(「One Fine Day」)

 

この果てしないセンチメンタリズム…。一色さんやっぱ天才だよね、間違いなく…。 メトロファルス公式サイトであらためて見ると、今現在のメンバーは、ヨタロウさん、メリーさん、巌さん、田村玄一さん、石坪信也さん。なのかなあ、うーん、相変わらずよくわからないが…。とにかく過去から現在まで、私のような人間にはひたすらクラクラするメンバーばかり。メトロファルス、というか伊藤ヨタロウさんのことをまだ一回もナマで見たことがない(と思う)ので、いちど見てみたいような。でもちょっとこわいような。思えばメトロファルスには、ずっとそんな距離感でいるな。 *『Good Morning Mr.Talisman』メトロファルス